恋する女は美しい!!
カテゴリー : 過去の公演
暑さが早くも夏を感じる今日このごろ。
いかがおすごしでしょうか?ツチヤでございます。
さて、暑いと言えば…
沖縄!琉球!
6月15日(日)「琉球舞踊と組踊春秋座公演」!
ということで、本日ご紹介しますのは、
「琉球舞踊」!!
まさに、琉球の歴史やその時代の人の心の美しさを、目で耳で感じることのできる舞踊です。
まず、琉球舞踊は琉球王国時代に宮廷で作られた踊りを基本としています。
古典舞踊とも呼ばれる宮廷舞踊には、冊封使の前で踊られていた「老人踊」「若衆踊」「女踊」と主に薩摩の役人の前で踊られていた「二才踊」があります。
そして、藩置県後、庶民の生活や想いをテーマに創られた革新的な舞踊「雑踊」。
本公演では、そのうち「若衆踊」と「女踊」、「雑踊」を披露いたします!!
元服前の少年が踊るとされる「若衆踊」からは『若衆特牛(わかしゅくてぃ)節』。若者の長い人生における幸先を願う祝儀的要素の強い舞踊の1つ。出羽から舞台中央で基本立ちするまでの歩みが特徴的で、笛と太鼓の演奏にのって、荘重かつ厳粛に登場!その所作は、この演目のみで若衆の持つ意気を表現しています。
優美な手の振りは神事を司る祝女(ノロ)の舞がそのルーツであると言われている「女踊」。その中で最も人気が高く、“かせ”と枠を操ることで愛する人への恋情が募るという『かせかけ』。想う人へ上布を織ってあげたい、という女性の一途な気持ち…。歌の内容・振りのわかりやすさ、そしてその美しさから愛されてきた演目です。
“かせ”を枠にまきつけていくときの手の動きと、それにつれて視線を移動させていく所作との調和は大変難しいのだそうです。
さて、「雑踊」。「雑(ゾウ)」とは、上海雑技団などの雑と同じ意味なのだそうです。当時の庶民の服装が衣裳としてそのままに踊られます。
鳩間島の美しさと、五穀豊穣を予祝した歌詞で、村人の喜びを軽快に表現した雑踊『鳩間節』には、日本舞踊の振りが取り入れられているそう。
雑踊『加那よー天川』は、花染手巾※1や紫の長巾(ナガサージ)などの小道具を使い、水辺で自由奔放に恋する男女の様子を表現!男性役は舞台右手から、女性役は舞台左手から別々に登場し、前半は「加那ヨー節」にのって、後半は「島尻天川節」でリアルな恋が描かれています。所々に技巧に富む自由奔放な振りが組み込まれています。
『花風』は人間国宝の宮城能鳳が、髪を辻結いにし紺地の絣の着物を、帯を使わないウシンチー※2にしてまとい、肩に花染手巾、手に番傘をもち白足袋で踊ります。那覇の港から船出する愛しい人を三重城の丘から見送る遊女の別れの切なさをしっとりと表現。後半は、送り出した後の女の心境と家路につくやるせなさを、番傘を使って、叙情的に見せます。
※1 花染手巾(ハナズミティサジ)…しぼり染の手巾(手拭)のこと。女性の愛情表現として用いられる。沖縄にはオナリ神信仰(兄弟を守護する姉妹の霊)があり、旅のはなむけに手巾を持たせて航海の安全を祈った。こうした、民俗と結びついた霊的な意味をもつものがウミナイ手巾である。これは、女性の心の象徴つまり愛情の表現と恋の約束のシンボルである。
※2 ウシンチー…帯をしめないで、着物の襟の下方を袴(下着)の紐にはさみ込む女性の着付の仕方をいう。肌と着衣との間にたっぷりと隙間ができて風が通りぬけるので、暑い沖縄の風土に適した着付けといえる。「花風」や「浜千鳥」などの着付けがウシンチーである。
※写真3点提供:国立劇場おきなわ
さて、まるで私が物知りかのようにご説明してまいりましたが、
実はこちらも参考にさせていただきました。
琉球文化アーカイブ琉球舞踊⇒http://rca.open.ed.jp/city-2000/ryubu/index.html
そのほか、琉球舞踊の鑑賞ポイントも載っています。
ぜひ、ご参照くださいませ。
では、次回お会いいたしましょう!
ごきげんよう。
さようなら。
ツチヤ