ラ・ボエーム稽古レポートVOL.2

8月 24日, 2011年
カテゴリー : 過去の公演 

皆様こんにちは。上田でございます。

我が家で飼っている鈴虫達が鳴きはじめました。最近は夜も冷え込んできて秋の気配を感じ始める今日この頃…。
しかしそんな冷え込みを忘れるくらい、「ラ・ボエーム」の稽古は益々熱さを増して行われています!今回は上田が皆様に稽古の様子をお伝えさせていただきます。



熱のこもった演出・指導をされる岩田さんと真剣な眼差しのコーラスの皆様


マエストロ牧村氏の美しい所作にうっとり…///


ムゼッタとマルチェッロの修羅場に息をのんでしまう程の緊迫した空気が流れる
(3日出演 ムゼッタ役の柴山さんと4日マルチェッロ役で出演の東さん)



ミミに寄り添うロドルフォの姿に思わず涙…
(上段 3日出演 ミミ役の川越さんとロドルフォ役の村上さん)
(下段 4日出演 ミミ役の稲森さんとロドルフォ役の清原さん)

岩田さんが登場人物ひとりひとりと向き合い、熱のこもった演出に圧倒されてしまいました。岩田さんの演出が斬新だといわれる理由がなんとなくわかった気がします。
また時には厳しい意見も飛び、こちらも自然と身が引き締まりました。

また私は初めてオペラの稽古に立ちあせていただきまして、ソリストさん達の歌声に鳥肌が立ってしまいました。稽古なので声量など加減はされているのですが、「稽古でこの歌声!?本番はもっと凄いの!?聴きたい!!」と私が楽しみで仕方がないです!
言葉が判らずとも今でも感動が伝わってくるのに、字幕が付くと更に感動が増す!ハンカチなしでは観られない事必至です!

ご報告が遅くなりましたが、
8月11日に行われた第15回松方ホール音楽賞選考会におきまして4日ムゼッタ役で出演の古瀬まきをさんが松方ホール音楽賞を受賞されました。
おめでとうございます!!\(^o^)/

8/18「ラ・ボエーム」制作記者会見にて、ムゼッタに対する思いを熱く面白く(!?)語る古瀬さん

記者会見の様子は映像アーカイブにアップする予定です。
出演者の熱い思いを感じていただき、公演をお楽しみ下さい!

上田

今日はニャンの日パート⑤ 夏のニャニャン

8月 22日, 2011年
カテゴリー : 今日はニャンの日 

こんにちは。

マラルメ・プロジェクトIIが先日無事終わり、
安心感とともに、ある種のemptinessを感じている、
制作助手ツカモトです。

さてさて、夏休みがもう少し先の私の日々の楽しみはやはり!
ニャンコたち!

久々、ツカモトの今日はニャンの日パート⑤です!
(しかし、上田さん宅のミミちゃんはかわいいですねぇ)

おや?ププイ君かわいい顔してどうしたの?

あっ!コラコラ何をしてる!

ジャマすんなよぉー。

あーーーー、コレコレ!!!!

世は満足じゃ。

と全くもって、こまっちゃいます。
密か~~~に、ひっかけて遊んでます。

でもこんな目で見られちゃ、
許しちゃいますね~。

そして、オマケ①のトリックアート的なミラコちゃん。

冷蔵庫の上で横になってるんですけど、
不思議な画にですよね!

オマケ②は、ばてるペトチ。

暑いのになぜか、じゅうたんの上でボンヤリ、、、。

今後は是非動画をあげられたらなー、と
どんどん暴走しつつあるツカモトですが、
皆さまどうぞ、やさしい目で見守ってやってください。

皆さま、もし疲れている人を見かけたら、
かわいいネコちゃんに癒されて!と
当ブログをご紹介くださいませ、、、!

ツカモト

kohibumi concert 恋文コンサート

8月 21日, 2011年
カテゴリー : 過去の公演 

大嶋です。
最近少し涼しくなってきましたね。でも夏が終わっていくのって、なんだか寂しさも感じます。
この土日は京都市内では地蔵盆をしているところが多いのではないかと思います。私は関東の人間なので馴染みがないのですが、町内会のお祭りみたいで楽しそうですね。地蔵盆の風景も、なんだか夏が去り行く雰囲気があって物悲しさを感じます。

夏が去って、秋には剣幸恋文コンサートが開催されます。先日兵庫で行なわれた同コンサートに私行って参りました。

ピアノの演奏と、剣さんの歌・手紙の朗読・トークの約1時間30分。上演時間のほとんどを剣さんお一人で進められるのですから、ものすごいエネルギーだなと、感心するばかりです。

誰もが感じる、人と人とのつながりであったり、心のぬくもりを丁寧に歌や朗読を解して紡いでいって、心の栄養剤になるような、観賞後には元気になる、そんなコンサートでした。また、合間のトークも本当に面白い!絶妙です。

ちょっとお疲れな方々には特にお勧めのコンサートです。ぜひご来場下さい!

大嶋

ラ・ボエーム稽古レポート

8月 18日, 2011年
カテゴリー : 過去の公演 

 大嶋です。夏休みいかがお過ごしですか?
春秋座はお盆中に2公演終え、9月、秋の公演へと向かっていきます。好演目目白押しなのでご期待下さい。

さて、そのお盆の2公演の前に、9月に行われます歌劇「ラ・ボエーム」の稽古が行なわれまして、そのレポートをします!

まず稽古始めに、演出の岩田さんより今回の作品意図の説明がありました。熱心に聞き入る出演者の皆様。

合唱の出演者の方々も含めて、動きの確認です。

みんなで楽しいお昼ご飯です。学食を利用されました。この日も暑かったので冷やしうどんなど冷たいものを食べる方多かったですね。

お食事後はカフェにてジェラードを購入。
早く来ないかと待っている村上さんの表情がナイスです。

少し見づらいですが、ジェラード片手にご満悦の(左から)萩原さん、副指揮の杉原さん、片桐さん

さてさて稽古に戻りまして、花道を使って練習しております。今回の作品の大きな特徴である、花道や劇場全体を使っての作品作りが行なわれています。
どんな風になるか…見てのお楽しみです。

また、後日に稽古レポートをします!
お楽しみに!

大嶋

ついにこの日が来た!

8月 13日, 2011年
カテゴリー : 過去の情報(~2016.3) 

こんにちは。ツカモト(制作助手)です。
お盆ですね、、、。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか??

さて、そんな世の中のお盆ムードとは関係なく着々と進んでいるのが、
マラルメ・プロジェクトII『イジチュール』の夜!!!

明日、14日の本番を控え、ついに全メンバーが春秋座に集結いたしました。

普段あまり見ることができない、
ハイスペックなカメラ、プロジェクター、
もちろんピアノも舞台上に搬入され、
いよいよ本番だなという雰囲気です!

公演は、明日一度きり!
今までいろいろ書いてきたので、もう、うんちくは言いません!
本当に鳥肌のたつ舞台です。

是非、劇場の空間で、マラルメ・プロジェクトIIを体験してください!
皆さまのお越しをお待ちしております。

ツカモト

My Roots…

8月 08日, 2011年
カテゴリー : 過去の公演 

みなさまこんにちは。
残暑お見舞い申し上げます。
最近インコのおチビさんがやって来てさらに賑やかな我が家です。

日本生まれの彼(まだヒナなので性別がわかりませんが…)ですが、先祖の故郷は遠く離れたオーストラリア。そこには野生のインコも多くいるそうです。
一度訪れてみたいと思う今日この頃…
あ、南半球だから季節は冬かしら~避暑には最適(?)ですね。

さて今日は、好評発売中の加藤健一事務所vol.80『詩人の恋』のストーリーをより深く、
ご紹介したいと思います。

アメリカでかつて神童と呼ばれたスティーブン(畠中洋)は、音楽の壁に突き当たりピアノが弾けなくなったためクラシック伴奏者への転向を考え、ウィーンのシラー教授のもとにやって来る。しかし、彼に紹介されたのは、ピアノは下手くそで、声楽家としても峠を過ぎたマシュカン教授(加藤健一)
マシュカンはピアニストであるスティーブンに、シューマンの連作歌曲『詩人の恋』を全編歌いこなすことを課題とした。“ピアニストが何故、歌を?!”と強く反発するスティーブンは、嫌々ながらも歌のレッスンを始める。
教授の反ユダヤとも思える発言や個性的な考えに全く理解をしめさないスティーブンだが、やがてマシュカンの熱い音楽への愛に次第に自らの音楽の心をつかみ、互いに閉ざしていた心を開いていく…

ある日、スティーブンはユダヤ人であることを告白し、第二次世界大戦中にユダヤ人強制収容所が多く存在したダッハウに向かう。しかし収容所の跡には、白く美しく塗られた建物とドイツ語で書かれた説明文があるだけ。「修復じゃない隠蔽だ」とスティーブンは怒りに震える。
そして、その経験と怒りをマシュカンにぶつけた日、マシュカンの秘められていた過去があきらかになり…

この物語は人と人との出会いから始まり、芸術、人種、歴史、時代の問題を孕み二人の心を繋ぐドラマへと発展していきます。
スティーブンが向き合った歴史と、マシュカンの秘めた過去。
最後にどう繋がるのか…
劇場でぜひ確かめてみてください。

私もたまにはご先祖様の歴史に触れてみようかしら。
もうすぐお盆ですね。

ツチヤ

笑いあり涙あり…剣幸 kohibumi concert in KYOTO

8月 07日, 2011年
カテゴリー : 過去の公演 

皆様こんにちは。上田でございます。
先日、真夜中に何かボリボリと音がするな…と夢うつつに思っていたら自分の足を掻いている音でした(-_-;)
片足だけで5箇所は蚊に刺されてしまい、おかげで翌日は寝不足でした(-_-;)

さて、私の戯言はそこそこにして
皆様にご紹介します公演は、本日情報解禁となりました
『剣幸 kohibumi concert in KYOTO』

kohibumi concert<恋文コンサート>は、元宝塚男役トップスター剣幸による様々な恋文と、そこからイメージされる歌のコンサートです。
2005年の富山初演から、東京、山形、兵庫と各地で好評をいただいているkohibumi concert<恋文コンサート>が、ついについに京都初登場!!
剣幸さん自らが選曲をし、伝える、感情あふれる言葉の数々を、世代を越えて愛される名曲とともにお贈りします。

そこで私は昨年の公演の映像を鑑賞させていただきました。
「朗読と歌のコンサート?」正直観るまでは想像がつきませんでしたが、見るうちに剣さんの豊かな表現力と素晴らしい歌唱力で、その恋文の世界に引き込まれていました。
恋文の内容と歌詞がリンクし「うん、うん、そうだよね。」と共感を覚え、目頭に熱いものがジワリと溢れ出ました。
しかし涙ばかりではなく、思わず笑みがこぼれてしまう手紙や剣さんの面白いトークで笑いに包まれ、ノリノリの曲には合いの手が入り会場が一体となり、「あぁ、人はこんなにも感動することができるんだ。」と観た後はとても清々しい気持ちになりました。

今のこの想いが、この気持ちが私の拙い文章では伝えきれない!
胸の奥からジーンと来るこの感情をぜひ皆様にも感じていただきたい!!
百聞は一見にしかず!老若男女どなたも楽しめるコンサートをどうぞご期待ください!
今後も少しずつこのブログで紹介していきますね。

上田

笠井叡が再び春秋座へ

8月 06日, 2011年
カテゴリー : 過去の公演 

こんにちは。制作助手ツカモトです。

本日、センターの職員とフロントスタッフ(希望者)は
救命講習を受けました!
主な内容は胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAEDの使用方法。
今までなんとなくどうしたらいいのかわからなくて
不安だったのでとてもためになりました。
人間の体のこともご説明いただいたのですが、
人体って強いようで本当に繊細。本当に不思議です。
ちょっとしたことが人の命をつないだりできるんだな、
とあらためて思いました。

そして、人間の体を繊細に大胆に表現すると言えばこのお方。
笠井叡さんです!

8月8日(月)についに
KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭2011
笠井叡新作『血は特別のジュースだ。』
のチケットが発売されます!


↑こちらはKEX総合チラシより!

笠井さんはいわずとしれた世界的舞踏家!
8年前に『花粉革命』で春秋座に来られています。

そんな彼の新作はなんと、春秋座のみ、公演は“一回きり”です。
なにが起こるか本当にわからないこの舞台をお見逃しなく!

ツカモト

マラルメってどんな人?

8月 02日, 2011年
カテゴリー : 過去の情報(~2016.3) 

こんにちは。
ついに8月に突入ですね!
一時より暑さがやわらいでるので、
家ではクーラーなしでのりきっているツカモトです。

さて、マラルメ・プロジェクトⅡ「イジチュール」の夜
まであと2週間をきりました。

先週は数日間劇場で稽古、兼リハーサルをおこないました。
マラルメの頭の中を少しのぞけた気分になる、
不思議な世界観が見事にでております!

そんな、ステファヌ・マラルメさんはどんな人なのか?
先月のプロデューサー目線で渡邊先生も書かれてますが、
私が聞いて一番おどろいたのが、渡邊先生からお聞きした
マラルメさんがが亡くなった時のことです。

マラルメさんは咽喉痙攣を起こし、お医者さんを急いで呼んだものの、
お医者の到着前に痙攣はおさまったのでした。

で、お医者に、どういう症状だったのかと聞かれたので、
こんな風に・・・とやってみせようとしたところ、

なんと!

本当にのどがつまってしまい、
そのまま亡くなってしまったそうです。
あ~、なんてことを!!

その話を聞いたときあまりの衝撃に口が
開きっぱなしになってしまいました、、、。

先日、怒涛(?)の稽古をおこない、最後にランスルー(通し稽古)
を行いましたが、密かに、これをマラルメさんが見たら、
きっと喜んでくれるのでは、と思いました。

マラルメの心理を朗読で、音楽で、映像で、
そしてダンスで、本当に綿密に表している
パフォーマンスだと思います。

いろいろ、思い悩んだ人生を送ったマラルメが、
喜んでくれているといいな~、という願いをこめつつ、
皆さまのお越しをお待ちしております。

ツカモト

「不便」の効用

8月 01日, 2011年
カテゴリー : プロデューサー目線 

福島原発の事故以来、「脱原発か原発依存か」の議論が活発に行われています。議論することはいいことですが、安全か否かといった話の中で放射線を含んだ廃棄物処理の問題に触れる人が意外に少ないのが気になります。半永久的に無くなることのない物質をどう処理していくかが解決されていない状態では、地球が汚染されていく一方です。今便利だからといって将来に不安を抱えたまま突っ走るのは、良く効くけれど副作用の強い薬を服用しているのと同じです。人類はいつか安全な処理方法を実現できるかもしれません。しかし、今の状態のまま世界中が有害物質を増やしていく危険は、すぐ回避しないと手遅れになります。原発関係の仕事をされていた方たちが困らないように、今度は自然再生エネルギー開発の国営公社を立ち上げるなど、方針さえはっきり決まれば、救済方法はいくらでもあります。原子爆弾の洗礼を受けた日本だからこそ、思い切って脱原発を実現していくべきではないでしょうか。以前、「不便な生活に戻る勇気」という拙文を書きましたが、その後、日本人はみんなで節電に協力しています。「結構無駄に電気を使っていたんだな」という反省をしながら、悲壮感を持たず節電を意識している自分に気がつきます。扇風機が売り切れになったのも微笑ましい庶民の知恵でしょう。

さて、9月3日(土)・4日(日)と春秋座で上演される、オペラ「ラ・ボエーム」の主人公ミミとロドルフォとの出会いは、何がきっかけかご存知ですか。そう、ロウソクです。
~ミミが消えたロウソクの火をもらおうとロドルフォの部屋を訪ねた際、戸口で部屋の鍵を落としてしまう。鍵を探していると今度はロドルフォのロウソクの火が消える。暗闇で手探りをしているうちに二人の手が触れ合う。ロドルフォはすかさずミミの手をとり「何と冷たい手」と歌いだす~
ロドルフォがわざとロウソクの火を消したのかどうかは別として、なんとロマンチックな場面でしょう。これは明らかにロウソクがもたらしたロマンス。電気が普及した時代では起こり得なかった出来事です。霞むガス灯の下で別れを惜しむように抱きあう二人。
これが蛍光灯では雰囲気が出ません。江戸時代の行燈にしても同じです。蒸し暑い夏、蚊帳の中で雑魚寝した家族、不便は不便なりに人間を人間らしく感じていたように思います。
「ラ・ボエーム」には、悪役は一人も登場しません。ドラマを創る上で悪役が存在しないというのは不便ではありますが、ここでも不便さが感動をもたらしてくれています。
私はこれを機会に「不便」の効用をあらためて考えてみたいと思っています。

橘市郎
(舞台芸術研究センター プロデューサー)