本日の京都芸術劇場は…

11月 01日, 2014年
カテゴリー : KPACへようこそ, 過去の公演 

春秋座にて

涼風真世&京フィル
ドリームコンサートin春秋座

がございます。 14時半開演(開場は開演の30分前)。

上演時間は約2時間を予定しております(途中休憩含む)。

当日券の販売はございません。あしからずご了承ください。

皆様のご来場をお待ちしております。

舞台芸術研究センター

バラエティーに富んだ3公演

11月 01日, 2014年
カテゴリー : プロデューサー目線, 過去の公演 

涼風真世さんは宝塚歴代スターの中でもトップクラスに入る歌唱力の持ち主である。実に歌がうまい。それでいて、愛らしい容姿で「ベルばら」のオスカルなど本当にカッコイイのである。1990年、涼風さんが月組のトップに就任して2年後、ミュージカル「PUCK(パック)」が大ヒットした。シェイクスピアの「真夏の夜の夢」がベースで、いたずら好きな森の妖精パックを主人公にした物語。この作品、今やミュージカル界の巨匠と言われる脚本・演出家、小池修一郎氏が、なんと涼風さんのために作ったもので、主題歌の「ミッドサマー・イヴ」はユーミンこと松任谷由美が作曲という贅沢なミュージカル。まさにフェアリーな妖精役がぴったりの涼風さんはファンの心をしっかり捉え、それ以降、幾度も再演の声があがるも彼女以外のパックは現れなかった。だがついに、今年20149月宝塚大劇場にて、涼風さんと同じ月組トップスター龍真咲さんで「PUCK」の再演が行われた。実に涼風さんが宝塚を退団して21年ぶりである。そんな思い出深い大切なナンバーをこの度披露してくれる。楽しみである。彼女の退団公演の千穐楽に組長が「歌の妖精は、静かに森へ帰っていきます」と贈った言葉が今でも語り継がれている。退団後はご存じのごとく、「エリザベート」や「モーツァルト!」「マリー・アントワネット」など数々のミュージカルの主役を務めファンを魅了してきた。今回はこれら珠玉のナンバーをクラシックからミュージカルまで何でもこなす井村誠貴指揮に、京都フィルハーモニー室内合奏団のフルメンバーの演奏で豪華絢爛のコンサートを繰り広げる。

フェアリーな妖精は様々な森を巡り、いよいよ111日、瓜生山の森にやってくる。

 

そして、師走の初頭を飾るのが「グレゴリオ聖歌&真言宗声明」公演。イタリア、ミラノのシンボルであるミラノ大聖堂の聖歌隊と日本の宗教音楽、声明との共演です。2012年春に真言宗声明団体側からグレゴリオ聖歌との話が持ち上がり、ヨーロッパで伝統を誇る一流のミラノ大聖堂聖歌隊との招聘公演が実現した。聖歌隊は日常的に大聖堂でのミサに参加しているため、非常に限られた期間のみの来日となるので今回は大変貴重な公演と言える。ぜひこの機会を見逃すわけにはいかない。頭上からゆっくり降り注ぐグレゴリオ聖歌の歌声と、地面を這うようにじわじわと持ち上がる声明。この2つの旋律が重なり合うときに不思議な感覚と心地よさを覚える。この東洋と西洋の祈りが融合する崇高なひとときを体感せずにはいられない。春秋座が魂を揺り動かす荘厳な響きに包まれる。

 

続く127は、太鼓芸能集団「鼓童」公演坂東玉三郎が芸術監督に就かれてからは、繊細かつ躍動感溢れる演奏にさらに磨きが掛かり、構成・演出面でも飛躍的な成長を遂げている。一年の三分の一を海外公演、あとの三分の一を本拠地佐渡で、残り三分の一を日本全国で公演。その全国ツアーのメインを成す「ワン・アース・ツアー」とは別動隊の交流公演を、この度「春秋座交流公演」として上演する。1部は演奏に加え、様々な楽器やプレイヤーの紹介を行い、よりお客さまと身近に接して太鼓の魅力を伝える。2部は太鼓本来の原点に帰り、「三宅」や「屋台囃子」に加え、「ワン・アース・ツアー」でもめったに演奏されない「LION」という珍しい曲を披露する。岩手県奥州市に伝わる伝統的な獅子踊りを基に鼓童独自のアレンジを加えた、躍動感と生命感に溢れるこの曲は必聴必見です。

舘野 佳嗣
(舞台芸術研究センター プロデューサー)