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【小豆島研修】 サル団子観察

2017年2月26日

アクティビティ

 「芸術とは何か」「人間とは何か」
多角的な視点から考えてゆく試みの一環として、2月16日・17日の2日間にわたり小豆島研修を実施しました。

 松沢所長や客員教授の先生方に関わりの深い野生動物調査研究(今回は特にサル団子、ニホンザルの行動観察)をメインに、当研究所アドバイザーのヤノベケンジ先生や造形大生が関わる瀬戸内国際芸術祭作品鑑賞などを盛り込んだ、大変有意義な研修となりました。また、小豆島の塩田幸雄町長、町役場の井上彩さんが研修に同行、小豆島を案内してくださいました。

 

 

日  時:2017年2月16日(木)・17日(金)

場  所:小豆島(香川県)

研修内容:サル団子観察(於 寒霞渓おさるの国)
      瀬戸内国際芸術祭 ヤノベケンジ先生の作品鑑賞
     (THE STAR ANGER,小豆島縁起絵巻,ANGER from the Bottom等) 他

参加者(敬称略):松沢哲郎,田中勝,齋藤亜矢,能登原由美,小野塚佳代,狩野美紅,
         尾池和夫,ヤノベケンジ,幸島司郎,青木秀樹 (計10名)

 

 

 研修のメインテーマは、「サル団子」の観察。

 小豆島のサルは、冬の寒さをしのぐため、何匹何十匹、時には百匹以上が団子のように固まり「サル団子」を形成することで有名です。その様子は真冬の風物詩の如くニュースでも取り上げられ、映像で目にしたことのある方も多いかも知れません。サル団子は真冬の小豆島、とりわけ寒さ厳しい日の夕方頃観察される、大変貴重で珍しい行動といわれています。それ故、冬の小豆島に行けば必ず見られるというわけではなく、文哲研メンバーも、実際のサル団子を見たことのない者が大半でした。

 

 

 

2月16日 観察初日 

 立春から2週間以上過ぎたこの日、小豆島はとても暖かなお天気。ニホンザルも三々五々、気持ちよさそうに毛づくろいやひなたぼっこをしていました。サルは人に慣れており、サルと人との距離が大変近いことが印象的でした。一向にサル団子ができる気配はなく、夕方5時過ぎ、初日の観察終了。

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2月17日 観察2日目 

 午前中は、小豆島町長さまご案内のもと、島内に点在するヤノベケンジ先生の作品などを鑑賞。ヤノベ先生直々に作品を解説していただきました。

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 この日は小雨まじりのお天気だったものの、気温はさほど低くなく、サル団子観察は難しいように思われました。しかし、昼過ぎから徐々に冷たい北風が吹き始め、「寒霞渓おさるの国」に着く頃は冬の寒さに。

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 大きなお団子ではなかったものの、数匹から数十匹で形成されたサル団子が、あちこちに見られました。

 サル団子は雌ザルと子ザル、ボスザルがメインとなり形成されているようでした。ボスザルは常に団子の上や、内側の一番暖かい場所を占拠。子ザルは母ザルに抱かれ、ぬくぬくと気持ちよさそうな表情を浮かべていました。また、観察の途中に餌付けの時間があったのですが、餌を求めてすぐに離散する群と、餌を前にしても団子を形成し続ける群とがあり、興味深く感じました。

 おしくらまんじゅう状態のサル団子は、想像より遥かに興味深く、かわいらしく、見ていて全く飽きないものでした。寄り添い合う姿はとてもあたたかそうで、みな恍惚とした表情を浮かべていました。各々カメラ片手に夢中でサル団子観察を続けました。

 

 

 文哲研初の試みとなったこの小豆島研修では、芸術や科学、それぞれ異なる専門分野の研究者が集まり、異なる目線から同じものを観察し、分野を越えた議論を交わすことができました。「多角的視点からものを見、考える」ことは、この研究所のテーマのひとつでもあり、新企画「ART meets SCIENCE」や「文明哲学セミナー」にも通じるものであると思います。そういった意味でも、今回の小豆島研修は、大変意義深いものとなりました。

 

 研修を企画するにあたり、お力添え賜りましたみなさま、ありがとうございました。
この場をお借りして、心よりお礼申し上げます。

 

新企画「ART meets SCIENCE 」参加者募集

2017年2月21日

ART meets SCIENCE

 文明哲学研究所では、「『芸術とは何か』から『人間とは何か』を考える」をテーマに、多角的な視点から「芸術とは何か」を考え、対話する試みをはじめます。さまざまな分野のアーティストと、さまざまな学問分野の研究者を一人ずつ招き、講演と対談の形式でおこなう研究会です。芸術と科学(学術)の交わる場という意味を込めて、「ART meets SCIENCE」(通称AMS)と名づけました。狭義のアート、サイエンスにこだわらず、デザインやテクノロジーとの関連についても議論を重ねていきます。

 

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ART meets SCIENCE   #1 茶道 meets 建築
「アート×デザイン×サイエンス×テクノロジー=?」

 

 茶道と建築。いわゆる美術館で見るアートとは異なり、作者(作品)と鑑賞者の二項対立ではない。物と物、あるいは人との関係性から「場」を作り、それを他者が体験することではじめて成立する。そして、いずれも「場」を作るためにアート、デザイン、サイエンス、テクノロジーのすべての要素が関わっている。茶道とは、建築とは、いったいどんなものなのか。まずはこの4つの側面についてうかがうところからはじめたい。

 

ゲスト木村 宗慎(茶道家、芳心会主宰)
   岸 和郎(建築家、京都造形芸術大学大学院教授)

コーディネーター:齋藤亜矢(芸術認知科学、文明哲学研究所准教授)

 

日 時:2017年3月8日(水) 13時30分~16時30分(開場 13時)
場 所:京都造形芸術大学 千秋堂(2階ホール及び1階お茶室)
定 員:先着申込み順 40名
参加費:無料
申込先:下記フォームお申込みください
     *受付は終了いたしました

 

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【出版情報】松沢教授の特別講義「山が教えてくれたこと」

2017年1月30日

出版・メディア情報

 松沢哲郎所長(京都大学高等研究院 特別教授)による特別講義「山が教えてくれたこと」Kindle版が
出版されました。

 

    なつ教授の霊長類学入門3
松沢教授の特別講義「山が教えてくれたこと」
  (知は力なり!シリーズ)Kindle版
 

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 松沢教授による「パイオニア・ワーク」について、またご自身のパイオニア・ワークである「比較認知科学」についての講義です。
中・高校生から大人まで楽しめる初のデジタル霊長類学入門書。
この機会にぜひご一読ください。

 

*2月1日(水)17時より、48時間限定で、無料ダウンロードもしていただけます
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MTD29SJ/

【講演】齋藤亜矢准教授「第10回保育子どもセミナー」

2016年12月27日

アクティビティ

2017年1月7日(土)、東洋英和女学院にて、齋藤亜矢准教授が講演を行います。

 *齋藤亜矢准教授の登壇は、14時~15時30分頃の予定です。

 

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『 第10回 保育子どもセミナー 』

日 時:2017年1月7日(土) 10時~16時

会 場:東洋英和女学院中高部メディア教室
    東京都港区六本木5-14-10 
    アクセス: http://www.toyoeiwa.ac.jp/daigaku/about/access.html#roppongi

講 師:中村柾子(東洋英和女学院大学 元非常勤講師、元私立幼稚園・保育園園長、児童文学研究)
     演題『絵本の力、ことばの力』

    齋藤亜矢(京都造形芸術大学 文明哲学研究所 准教授、芸術認知科学)
     演題『チンパンジーに学ぶ造形表現のコツ―絵を描く心の進化と発達』

問合先:東洋英和女学院大学 保育子ども研究所
    〒226-0015 横浜市緑区三保町32
    MAIL: educare@toyoeiwa.ac.jp
    TEL/FAX: 045-922-7718
    HP: http://www.toyoeiwa.ac.jp/daigaku/news/event/event_2016121301.html

 

 

第1回文明哲学セミナーが開催されました

2016年12月23日

文明哲学セミナー

 新企画、第1回文明哲学セミナーが開催されました。

 

日時:2016年12日20日(火)15時~18時

場所:京都大学吉田泉殿

講師:山川 宗玄氏(正眼寺住職)

演題:禅とは何か

 

 文明哲学研究所主催、京都大学霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院(PWS)共催で開催する文明哲学セミナーは、「人間とは何か」「芸術とは何か」、真摯に考える集いです。様々な分野で同様な問いに向き合っておられる先達を囲み、お話を伺います。

 

 第1回の講師は、岐阜県正眼寺ご住職 山川宗玄氏。「禅とは何か」というテーマのもと、禅問答のお話など、ご自身の体験を交えながらわかりやすくお話していただきました。参加者からは次々と質問があがり、自由闊達な議論が繰り広げられました。(参加者17名)

 

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文明哲学研究所

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