2015年6月
2015年6月9日 授業風景
小豆島旅行記1
イチゴ狩りがあり、ブドウ狩りもある。しかし、オリーブ狩りには馴染みがない。イチゴやブドウは、収穫してすぐに新鮮な果実を味わえるという魅力から人が集まるのもわかるが、オリーブにはそれがない。私たちが普段口にするオリーブは加工されたものばかりだからだ。それにもかかわらず、どうしてオリーブ公園は人気スポットなのだろうか。
些細な疑問を抱きながらも園に降り立つ。オリーブオイルの香りが漂ってくるかと多少なりとも期待したが、当然のごとく外れに終わる。そもそもオリーブの収穫時期は10月から11月の間で、5月上旬のこの時期には果実どころか花が咲く前のつぼみの状態である。身を寄せ合うように咲く、オリーブの小さなつぼみが風に揺れる。私はこのオリーブが成長していく様を想像する。薄い緑のつぼみから小さな白い花が咲き、緑の果実が黒く熟していくのだ。他の果物とは違い、美味しそうだという感情はここでは湧かない。
オリーブの並木
オリーブのつぼみ。もうすぐ花が咲きます。
小さな丘のうえにある風車、そのむこうに瀬戸内海が見える
2015年6月8日 授業風景
今回は先日の「編集デザインⅡ」の授業をレポートします。
この授業は2年おきに開講している授業で「絵本」というメディアの特性を学び、
「編集」の重要性、可能性、本質に迫ることを目的としています。
2年おきの開講になるので文芸表現学科でも人気のある授業です。
この前期後半からは、欧米とは異なる独特の出版文化を発展させたロシアの絵本について
田中先生が講義をしてくださっています。
先日の授業では1920〜1930年代のロシアの絵本を中心に、
絵本の内容や特性を紹介してくださいました。
講義のために貴重なロシアの絵本や資料を持て来てくださったのですが
日本の絵本とはまた全然違い、色合いがとても綺麗ですね!
学生も実際に手に取って読ませていただきました。
現在でも子どもから大人まで、世界中で親しまれている「絵本」というものだけあり
学生たちも授業ということを忘れて、ついつい読み込んでしまっていました。
授業の終わりには、今回の授業内で取り上げられたロシアの絵本
「郵便」(マルシャーク・詩/ツェハノフスキー・絵)の
アニメを観て終わりました。
普段「絵本」というメディアを取り扱う授業はないのでチャンスを活かして
受講生のみなさんには、しっかり学んで欲しいと思います。
6月14日(日)、7月12日(日)のオープンキャンパスでは
各学科の授業を体験することができます。
文芸表現学科では普段どの様な授業をしているのか
体験してみませんか?
6月14日(日)…ストーリーをつくろう
7月12日(日)…「面白エッセイ」を書いてみよう
みなさまのご参加、お待ちしております〜!
オープンキャンパスの詳細はこちらから、どうぞ。
(スタッフ・鈴木真美)
2015年6月5日 学生紹介
文芸表現学科2回生の小林由尚(こばやし・ゆきたか)君は、中学時代は吹奏楽部に入部しており、高校時代はデザインを専攻していた。音楽もデザインも、今でも趣味として続けているという。
ではなぜ京都造形芸術大学に入って、文章を書く文芸表現学科を選んだのだろうか。
将来なにを目指すのかも含めて話を聞いた。
子どものころから漆器屋になると決まっていた
「僕の実家は木曽(長野県塩尻市)の漆器屋さんで、卒業後は就職することが決まっています。保育園のころから自分は漆器屋さんにしかならないと思っていました。『普通に漆器屋になるのも面白くない。好きなことやりなさい』って親には言われたけど、僕は地元が好きだし、漆器が本気で、ガチで好きなんでやりたいし、若い人に広めたい。おじいさんとかしか買わないんですよ。なので、広い世代に地元の名産品の漆器を知ってもらいたい、漆器の魅力を若い人に伝えたいっていうのが一番の思いとしてあります」
地元愛に目覚めたきっかけは、幼いころから地元の行事に参加していたことにあるそうだ。そのうちに大事な役を任されるようになり、どんどん心境が変化したという。
普段はおとなしい彼だが、地元、特に漆器の話になるとやや興奮気味な口調になった。幼少のころから漆器屋を目指していた彼は、自分の手で木材を加工して漆を塗り、地元の商業祭などの催しで自分の商品を売ることをずっとやってきたそうだ。
「自分の手で漆器を造るなんて、なかなか芸術的な……」と言いかけると、食い気味に否定された。
「芸術ではないです。漆器は芸術じゃなくて技術なんです。漆器屋さんはアーティストじゃないんで、自分が好きなもんを造るんじゃなくて、人に求められる物を造る職業なんです」
ライトノベル作家にもなりたい
漆器屋になることを決めている彼が、なぜ文芸表現学科で学んでいるのだろうか。
「僕は音楽とイラスト、小説に興味があってどれが一番やりたいか、好きかと考えたときに小説かなっと思ったのでここに入学しました。親も『漆器と全く関係ないものを学んだ方がいい』って言ってましたし、小説のなかでもライトノベルが好きなんですよ。初めてライトノベルを読んだとき、これだ! っていう衝撃を受けました。ライトノベルを買うのは十代から三十代らしいですし、僕もライトノベルのように若い人に向けて漆器のことを発信していきたいですね。自分の書くライトノベルには必ず、必ず漆器を登場させようと思ってます。若い人に漆器の魅力を伝えるには一番いいと思ってるんで」
さらに、小説以外にもやりたいことがあるという。
「ライトノベル作家を目指しつつ、ここで勉強したことを活かして地元の雑誌に記事を書きたいです。パンフレットとか。僕は勉強してきたこと全部を地元に還元したいと思ってるんで。地元が好きなんで、PR活動に貢献できたらなって思ってます」
漆器屋と作家、将来はどちらを目指すのだろうか。そう聞くと彼はまったく悩む様子もなく即答した。
「いや、どっちかじゃなくてどっちも目指します。僕の将来の設計図としては、漆器屋さんをやりながらライトノベルの創作活動をして、地元を発信するライターとして活動するって感じですね。親は朝の九時から深夜の二時までフルタイムで働いてますけど、やっぱり作家と地元のライターもやりたい」
漆器屋の仕事がどれほど忙しいかを知りつつも、作家との両立を目指す。話を聞くだけでも大変そうだが、本人は「親がそんなにやってるのは『漆器しかできないから』らしいので大丈夫だと思ってます」と軽い調子で言った。
小林君は普段自分のことをあまり喋らない。仲のいい私でさえ彼が漆器屋になるということを知らなかった。そんな彼が今回のインタビューでは将来のことと地元への愛を熱く語ってくれた。その表情には、地元や漆器に対する愛情がとてもこもっていた。
2015年4月25日
インタビュー・文 松本緋彩(文芸表現学科2回生)
この記事は、2年生の「プロフェッショナル研究」の授業課題として書かれたものです。
卒業してからどんな仕事をしたいのか、どんな仕事観を持っているのか、互いにインタビューを行ないました。
ふだんよく話す友人とも、あらたまって将来のことを話す機会は少ないようで、それぞれに刺激となる発見があったようです。
2015年6月4日 授業風景
今日の「表現基礎Ⅲ」の授業では
新元先生による「ビブリオバトル」が行われました。
みなさんは「ビブリオバトル」というものを、ご存知でしょうか?
ルールは簡単!
1. それぞれ「面白い!」と思ったお気に入りの本を持って集まる
2. 順番に1人5分で本の紹介をする
3. それぞれの発表の後に、その発表についてのディスカッションを2〜3分で行う
4. 全ての発表終了後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準に
参加者全員1票で投票を行い、一番票が多かった本を『チャンプ本』とする
という内容です。
相手に選んだ本のあらすじや、面白さのポイント、
自分がなぜこの本がお気に入りなのか…。
相手にも「読みたい!」と
思わせる本の紹介ができるかということが大きなポイントです。
今回は、まずグループに分かれてビブリオバトルを行いました。
5分間で人の心をつかむということは、なかなか簡単ではありませんが
ビブリオバトル前に新元先生が教えてくださったスピーチのポイントを活かし
みんな本の紹介に挑んでいました。
しかし、やはり文芸表現学科の学生ということだけあって
自分の好きな本を話すときの表情はみんなとても楽しそうです(笑)。
本の紹介後はその発表について「もっとこうした方が良い」
「ここを掘り下げた方がおもしろい」など反省点を言い合いました。
全員の発表とディスカッションが終わったところで
いよいよ各グループ毎に一番読みたいと思った本を決め、ファイナリストを決めます。
今回は立っている5名がファイナリストに選出されました!
次回の授業ではファイナリスト同士によるビブリオバトルを行い、
遂に『チャンプ本』の決定です。
果たしてどうなるのか…! 来週がとても楽しみです。
6月14日(日)、7月12日(日)のオープンキャンパスでは
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(スタッフ・鈴木真美)
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