文芸表現学科

授業風景

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2015年6月9日  授業風景

なぜオリーブ公園は人気スポットなのか

小豆島旅行記1
 
 
イチゴ狩りがあり、ブドウ狩りもある。しかし、オリーブ狩りには馴染みがない。イチゴやブドウは、収穫してすぐに新鮮な果実を味わえるという魅力から人が集まるのもわかるが、オリーブにはそれがない。私たちが普段口にするオリーブは加工されたものばかりだからだ。それにもかかわらず、どうしてオリーブ公園は人気スポットなのだろうか。
 
些細な疑問を抱きながらも園に降り立つ。オリーブオイルの香りが漂ってくるかと多少なりとも期待したが、当然のごとく外れに終わる。そもそもオリーブの収穫時期は10月から11月の間で、5月上旬のこの時期には果実どころか花が咲く前のつぼみの状態である。身を寄せ合うように咲く、オリーブの小さなつぼみが風に揺れる。私はこのオリーブが成長していく様を想像する。薄い緑のつぼみから小さな白い花が咲き、緑の果実が黒く熟していくのだ。他の果物とは違い、美味しそうだという感情はここでは湧かない。
 

オリーブの並木

オリーブの並木


オリーブのつぼみ。もうすぐ花が咲きます。

オリーブのつぼみ。もうすぐ花が咲きます。


坂を少し下ると、大きな白い風車が目に入る。どこか日本らしくない絵画のような感じがいい。辺りの芝生に風車の白が映える。気分がいいのは皆同じであるようで、芝生の上に寝転がったり、記念撮影をしたりする姿が多くみられた。風車の向く方角には、オリーブの木を飛び越えて海が見える。小豆島であるから見ることができる光景だ。地図上では狭く感じる瀬戸内海も、ここから見るとずいぶん大きい。青と灰を混ぜたような淡い色の海には、波を立てて船が走り、名前も知らない海鳥が横切る。私は知らぬうちに歩を進め、腕時計は気づかぬうちに時を早めた。
 
 
小さな丘のうえにある風車、そのむこうに瀬戸内海が見える

小さな丘のうえにある風車、そのむこうに瀬戸内海が見える


オリーブ公園の魅力とは何か。よくある果物狩りのように、制限時間内に元を取ろうとこぞって果物をもぐのとは決定的に違う。時間の経過を無視して、楽しむのはオリーブだけではない。目前に広がる海と、空と、その自然。思わず吸い込んだ空気が、特別おいしかったのは気のせいではない。
 
 
文・岩野優花(文芸表現学科1年)
 
 

この文章は、1年生の「表現基礎I」の授業課題として書かれたものです。
5月中旬、新入生研修として訪れた小豆島の訪問先のなかから、1つの場所を選び、旅行記として伝えるというテーマで課題に取り組みました。

 
 

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