2015年8月
2015年8月13日 イベント
芸術文化研究、歴史遺産研究、庭園文化論領域(芸術文化研究専攻)のM2生9名による修士論文に向けての最後の中間発表会が行われました。 学位審査まであと半年、、 まさにラストスパートです!
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SPURT展レセプションパーティー。
中間発表も終えて、とりあえず一段落といった感じです。
大学院学術研究センター所長の浅田彰先生から、SPURT展についての総評のコメントがあり、
そのあと受賞者の発表をしてただきました。
個人賞2本と教員による投票・多数決で決める「SPURT賞」です。
(以下受賞者)
<宮島達男賞> 桜井 雄太(建築・ランドスケープデザイン領域)/作品名:「300□の□グ」
<浅田彰賞> Nat Cory KOYAMA(長澤トマソン)(ビジュアルクリエーション領域)/作品名:Self-Portrait of a Secret 「秘密」の自我像
<SPURT賞> 近藤 沙桜里(ペインティング領域・版画)/作品名:「跡形」「地景―移ろい―」
※長澤トマソンはREALKYOTO(京都を中心とした関西圏のカルチャーイベント情報と、レビューや批評を掲載するウェブマガジン)で絵日記を連載しています。
http://realkyoto.jp/blog/thomassonsjournal-no-11/
最後に、SPURT展領域代表者ひとりひとりから一言挨拶をしてもらいました。
今回、準備の段階からうまく進まなかったことや、出展者同士で揉めたことも多々あったようです。
(ゾーニングが最後まで決まらなかったり、領域によって照明色の違いや、日本人/留学生との搬入時の展示に対する意識の違いなど…)
展覧会は生き物です。実際搬入してみないと空間や全体の雰囲気ははっきりとわかりません。
ですが、その「やってみないとわからない」というところに醍醐味があり、毎回辛い思いまでしてやる意義がアーティスト/クリエーターにはあるのではないでしょうか。
それに、ここまで様々なジャンルの多領域が一堂に展示する機会はそうあることではないでしょう。
個々の作品のクオリティはもちろんですが、半年後の修了展に向けて、「他領域=多国籍」とも言えるような、全体の中の一人(またはその逆)としての問題意識をも持った修士最後の展覧会に仕上げていってほしいと願います。
領域代表のみなさん、アートディレクションを担当した李ハヌルさん(研究専攻)、
何はともあれ本当にお疲れ様でした!
(※下記、宮島達男twitterより抜粋)
大学院生の講評で感じた事。概して留学生のほうが問題意識を持って作品を作っていた。
彼らは、「どのように作るか」ではなく、「何を作るか」を考える。だから、伝えようとする意図が明快。
間違っても「絵画の問題」を考えていると言って絵の具をキャンバスの上でこねくり回したりしない。
https://twitter.com/tatsuomiyajima
2015年8月12日 イベント
まずはSPURT展、ギャルリ・オーブでの講評会の様子です。
暑い夏の展覧会。芸術表現専攻M2生たちは修了展まであと半年、、 まさにラストスパートです!
片岡真実さん(森美術館チーフ・キュレーター)も特別ゲストとして講評していただきました。
打って変わって、芸術表現専攻中間発表会です。
今年はSPURT展と同時期に行い、作品の前 or 教室にて、制作/研究ノートについての現在の進捗状況や
学位審査に向けてそれをどう展開しまとめあげていくのかをひとりひとり発表しました。
もちろん個人差があり、まだテーマがあまり定まりきっていない人も何人か見受けられましたが、
修士課程最後の中間発表ということで、先生方から叱咤激励が飛ぶことも。
作品制作と並行して、制作/研究ノートを書き上げていくのは大変だと思いますが、
「作品⇔論文」が相互に良い意味で影響し合えるように、あと残り半年というわずかな時間を有効かつ有意義に使い
学位審査に臨んでください。
次回は、芸術文化研究専攻中間発表会とSPURT展レセプション(授賞式)の報告をします。
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SPURT(スパート)2015 −京都造形芸術大学大学院 芸術表現専攻 修士2回生作品展
会期・時間 : 2015年7月9日(木)〜7月22日(水) 会期中無休10:00〜18:00
会場 : ギャルリ・オーブ(京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス 人間館A棟1階)
出展作家: 大学院 芸術研究科 芸術表現専攻2年次生 65名
※DMデザイン:Tsuzuki Hikaru(M2/デザイン領域)
(以下展覧会挨拶文)
本展では、総合造形(立体造形・彫刻・陶芸)、ペインティング(日本画・油画・版画)、ビジュアルクリエーション、デザイン(情報デザイン・グラフィックデザイン・空間演出デザイン)、建築・ランドスケープデザイン、映画、舞台芸術、芸術教育(こども芸術)、文芸表現といった多様な専門領域・分野で学ぶ大学院修士2年次生65名が、半年後の修士学位申請に向け「ラストスパート」を目前にして、それぞれのテーマに基づく作品を発表しています。出展者が互いに触発し合いながら、各自の表現をより深める好機となることを期待し開催へと至っています。
修士2年次生にとって初夏のこの時期は、マラソンに例えるならば、勝負どころの終盤30kmを越えたところでしょうか。通常、もっとも長く牽引する ペースメーカーでも、30km地点でコースを外れ、いよいよランナーの一人旅が始まります。大学院で探求している日頃の研究成果を、あらためて自らのコンディションと共に見つめ直し、迷いなくゴールまで完走すべくSPURTさせる重要な場でもあるのです。
また本展の会場構成は、来場者により鑑賞しやすく、より楽しむことができるよう、各領域代表のメンバーが意見を交え研鑽しスタディを重ね創意工夫がなされています。
つきましては、本展をご高覧いただき、お気づきになられましたことは、学生達にご助言など賜ることができましたら幸甚です。
京都造形芸術大学大学院 芸術研究科 芸術表現専攻長 中村勇大
2015年8月7日 イベント
今年度第2回「大学院ミヤジマスクール」が6月10日(水)に開催されました。
コミュニティデザイナー/アーティストの菊池宏子さんをゲストでお招きし、
『“Artist,be your own Institution” アートスクールを卒業して社会で生き残るには -組織の中から外から-』
と題したレクチャーをしていただいたので、その様子を紹介します。
※「大学院ミヤジマスクール」は京都造形芸術大学大学院の活性化を目的として、宮島達男副学長が国内外で活躍するトップアーティストを招き、特別講義やワークショップ、作品講評などを行う特別企画です。
菊池さんは、マサチューセッツ工科大学やボストン美術館、自治体やNPO法人などで、アートと地域を融合させるプロジェクト、若者育成事業、コミュニティ・オーディエンスエンゲージメント、アウトリーチ、コミュニティづくり戦略・開発など、さまざまな仕事をされてこられました。
そして、東日本大震災を機に日本に帰国され、現在はクリエイティブ・エコロジーという会社を立ち上げ、これまで手がけてきたような「アートをツールとしたコミュニティづくり」をテーマに仕事をされています。
コミュニティデザイナー/アーティストとして国内外で活動されてきたご自身の経験から、アートスクール卒業後、アーティストは今何ができるのか、そして何が必要とされているのかを学生たちに語っていただきました。
レクチャー後、院生たちによる英語でのプレゼンテーションを行いました。
<自身の「プロジェクト」をサポートしてくれる架空の相手を想定し、そのに対して、まず「自身がどのようなテーマで何を考え、どのようなヴィジョンをもっているか」をはっきりと述べたうえで、その「プロジェクト」に対し「どのようなサポートを必要としているか」を訴える>というプレゼン内容。
菊池さんは、アーティスト、コミュニティデザイナー、エデュケーターとして海外経験も豊富であり、目的に沿った明確なプレゼンテーションを実現するために必要なことは何か、といった問題に対し、適切なアドバイスとヒントを与えてくださいました。
アート系のみならず、建築やプロダクトデザインの学生も参加して、基本的な英語の文法等は勿論、様々な角度からひとりひとり宮島先生と一緒に丁寧にご指摘いただき、中には悔しくて泣く人も…。
とにかく、大いに盛り上がりました。
菊池さん、どうもありがとうございました!!
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1972年東京都生まれ。米国・日本クリエィティブ・エコロジー代表。コミュニティデザイナー、アーティスト。1990年渡米。ボストン大学芸術学部彫刻科卒業、米国タフツ大学大学院博士前期課程修了後、マサチューセッツ工科大学・リストビジュアルアーツセンター初年度教育主任、エデュケーション・アウトリーチ・オフィサーやボストン美術館プログラムマネジャーなどを歴任。美術館や文化施設、まちづくりNPOにて、エデュケーション・プログラム、ワークショップ開 発、リーダーシップ育成、コミュニティ・エンゲージメント戦略・開発、アートや文化の役割・機能を生かした地域再生事業や地域密着型の「人中心型・コミュニティづくり」などに多数携わる。2011年以降、東京を拠点に活動。「わわプロジェクト」、「あいちトリエンナーレ2013」ではコミュニティデザイナーを務める。
(※下記、宮島達男twitterより抜粋)
昨日の菊池さんのレクチャー。 MITやボストン美術館勤務のキャリアは、自分から行ったわけではなく、自分の興味を掘り下げ行動していたら向こうから声をかけてくれたと。ここには大きなヒントが隠されている。現代は複雑な社会になり、これまでの職種ではとうてい解決できない問題が山積している。
全く新しい問題解決は、想像/創造力を必要とする。だから、アーティストが必要とされる。新しい社会のニーズにあった、動き方の職種を作っていくことができるからだ。アメリカだけでなく、それは日本も同じだろう。今後、アーティストの需要がますます増えるだろう。
2015年8月6日 イベント
大学院 Pr PROJECTS(PAINTING RECONSIDER PROJECTS)
絵画/再考プロジェクト
《絵画の再考》をキーワードに、アート(特に平面/ペインティング)の各方面から特別ゲストをお招きし、
現在第10回まで活動してきました。
前回の記事 http://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=29711
に引き続き、第8・9・10回、大野智史さん・鬼頭健吾さん、小山登美夫さんのレクチャーの様子を紹介します。
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■大学院Pr PROJECTS第8回<CRITICAL PASSION>レクチャーゲスト:大野智史(アーティスト)
※Pr PROJECTS roomでは、小山ナット(M1/ビジュアルクリエーション領域)くんの個展が開催中でした。
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■大学院Pr PROJECTS第9回<自作を語る>レクチャーゲスト:鬼頭健吾(アーティスト/本学大学院准教授)
鬼頭健吾さんは今年度から大学院准教授として着任されました。
大庭大介先生とともにPr PROJECTSの企画・運営にも携わられるので、今後の展開がますます楽しみです。
鬼頭先生、これからどうぞよろしくお願いします!
鬼頭健吾HP
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■大学院Pr PROJECTS第10回<ギャラリーの仕事>レクチャーゲスト:小山登美夫(ギャラリスト)
※Pr PROJECTS roomでは、吉岡(M1/ペインティング領域・油画)くんの個展が開催中でした。
学部生たちも毎回大勢駆けつけ、世界のアート事情、今後の動向について、皆真剣に話を聞いていました。
国際状況や政治・経済などももちろん無関係ではなく、同時並行的に各地でアクションが起こり、その摩擦がアートとして形に現れてくるのでしょうか。
貴重なお話、どうもありがとうございました!
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どこの美術大学にもある「絵画/平面」という存在。メディアの発達が進む社会において過去の歴史中、幾度となく死んだと言われた絵画は、未だ存在し続けています。
死ぬ事なく現在も生き続ける絵画。―「絵画とは何か?」それは美術における永遠のテーマです。
Pr PROJECTS(PAINTING RECONSIDER PROJECTS)は2013年6月、「絵画は可能か?」をスローガンに、過去/現在における絵画のあり方と、これからの可能性に言及し、絵画についての議論、再考する場として発足しました。
第一線で活躍するアーティスト、コレクター、ギャラリスト、批評家をゲストに招き、絵画にまつわる事柄をレクチャーや講評、ディスカッション、展示、公開制作などによって考え、様々な角度から絵画を作る上での思考力と技術力の向上を目指します。
プログラムディレクター=大庭大介(京都造形芸術大学大学院准教授)
2015年8月6日 イベント
大学院 Pr PROJECTS(PAINTING RECONSIDER PROJECTS)
絵画/再考プロジェクト
昨年9~12月に行われたPr PROJECTSの他大学3校との交流展の記録です。
普段制作している環境や絵画に対する考え方、価値観を超えて、一枚の絵画の力を問いただします。
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東京藝術大学大学院 美術研究科 油画専攻 小林正人研究室 × 京都造形芸術大学大学院 Pr PROJECTS 交流展
小林正人先生と大庭大介先生との共同企画で、京都造形芸術大学・未来館Pr PROJECT room にて、大学院生、先生方も含め総勢20名による交流展でした。
(※サイズをS15号 652×652mm以内に限定)
小林先生と大庭先生も出品されたこともあり、院生たちにとって第一線で活躍している作家と同じ空間で展示することだけでもかなりの刺激になり得難い経験になったようです。
今年は、東京藝術大学にて同企画の交流展を行う予定です。
また詳細は改めてご案内します。
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名古屋芸術大学大学院 同時代表現研究[洋画] × 京都造形芸術大学大学院 Pr PROJECTS 交流展
名古屋芸術大学のArt&Design Center gallery BEにて、両大学院生8名による展覧会です。
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東京造形大学大学院 × 京都造形芸術大学大学院 Pr PROJECTS 交流展
コート・ギャラリー国立(東京)にて、両大学院生8名による展覧会。
事前に、割と早い段階から出展者同士で話をし、どのような展覧会にするかミーティングを重ねて
つくりあげていきました。
※フライヤーデザイン:Suzuki Hiroyoshi(M2/デザイン領域)
※以下3つの交流展すべてに参加した京都造形大大学院生の感想文
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「3つの交流展を通して」
私は、京都造形大のリーダーとして全ての交流展に参加しました。
他大学の院生と展覧会をすることで、自分達の置かれている状況や立ち位置が徐々に見えてくるような感覚がありました。
例えば、関西と関東で芸大生の周りを取り巻くフィールドの状況がかなり異なり、そのような私達とは違う環境の中で、同世代の人達の作品制作に対するアプローチの方法を間近で見ることで、今までになかった自分の新たな側面を発見する事ができたように思います。
一見、まったく別の目的や問題意識を持って制作に取り組んでいるように見えても、その人の話をよくよく聞いてみると、作品ができあがっていく際の試行錯誤の中に共通の理論や思考が見られたことは、嬉しい経験でした。
今回の交流展を通じてわかったことは、他大学院生やその置かれている状況について、その差異に至るまでアートにおける様々な問題を共有しようとするならば、実際に作品を通じてガチで交流してみなければわからないというところだと思います。
同時代に生きる私たちが、お互いの作品に流れる思考や制作のリズム、その結果作品に立ち現れる質、それらの違いに自然に触れられ時代的経験を共有するということは、他者(相手)を想像し、様々な関係性の中で創造するアートにこそ、今求められる必然性を見出せるのではないでしょうか。
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