キャラクターデザイン学科

2019年10月

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2019年10月30日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズvol.14「菊竹茉由と制御について語るの巻」Part1

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ゼミ通ヒーローズ Vol.14

菊竹茉由と「制御」について語るの巻 Part1

 

今回のゼミ通ヒーローズは、村上ゼミ2年生(12期生)のゼミリーダーである

菊竹茉由さん(福岡県立八幡中央高等学校出身)をピックアップします。

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村上

まずは定番の質問なんだけど、なんでうちの大学に来ようと思ったの?

 

菊竹

中学3年生の時、高校入試のために塾に行ってたんですけど、そこに大学一覧が壁に貼ってあって、その中からキャラクターデザイン学科っていうのを見つけて「面白そうだな」って興味を持ったのが始まりでしたね。

高校も美術系に行っていたので、デザインとかそういう進路を目指してて、その気持ちのままストレートにここに来ました。あと、学べる領域として「ゲーム」って書いてあって、他にはCGにも興味があったので、これらも含めて総合的に学びたいなと思って。

 

村上

菊竹は絵も描けるし企画も出来るし、幅広くやれるからこの学科がハマったのかもね。

 

菊竹

確かに最初は絵を描きたくてここに来ました。

でも授業の中で段々企画の方が向いてるんじゃないかと思ってきたんですね。

 

村上

その切っ掛けは?

 

菊竹

一年生の時の「ゲーム制作基礎」の中で、架空のプロットからゲーム画面を作るっていう課題があったじゃないですか。絵を描くだけじゃなくて企画者の視点からも見なきゃいけなくて、この課題を「面白い」って思ったあたりから段々気持ちが変わり始めました。

 

村上

まあ、よくあるパターンだな(笑)。出だしとしては皆キャラクターとか世界観を作りたいって思うんだろうけど、それは後に回して、最初はUIデザインの話しかしないようにしてる。皆綺麗に絵を描き込んでくるけど、あえてそこは一旦無視して、ゲームをプレイする上での操作性とか視認性の話ばかりしてたな。皆「え、そこを評価するんすか?」「キャラクターは見てくれないんですか?」って驚いたと思う。そこで初めてUIデザインがゲーム企画の根幹を支えるものなんだって気付くんだね。で、段々キャラクターを描くよりも仕組みを考える方が面白いって思うようになる。

 

菊竹

そうですね。私も元々はゲームのキャラクターデザイナーを目指してました。

スマホゲームのガチャで出てくるキャラクターの立ち絵がカッコいいとか可愛いとか、そんなことばかり言ってましたね。でも段々自分の描いたキャラが動いてるのを見たいって思い始めました。

 

村上

誰しも最初は絵がうまくなりたいっていう気持ちはあるんだろうけど、ある程度力が身についてきたら今度はその絵を使ってどんな風に遊ばせようかって考えるわけだね。

ちなみに、うちら世代がゲームキャラクターっていうと、マリオとかソニック、パックマンみたいに記号化されたものを想像してしまって、立ち絵っていう意識が全くない。Aボタンを押したときにこんな動きをしたら面白いなとか、そういう発想でしかキャラクターを見てなかったから。

 

菊竹

操作したいというか、もちろんそれも大きいんですけど、それ以上に物語とか世界の中に入りたいって思ってましたね。でも最近はスマホ向けでもゲームシステムが面白いものも出てきてるんで、ゲームそのものも楽しめるようになってきたかなって思います。

 

村上

スマホでもコンシューマ志向のガチなゲームデザインが増えてきたよね。

菊竹が好きなゲームってどんなの?

 

菊竹

ちょっとマニアックかも知れないですけど、ストーリーの中に哲学的な要素があるのが好きなんです。

MOON」とか「MOTHER」とか。もちろんゲームとしても面白いんですけど、ストーリーがすごく良くて。一見可愛いのにどこかゾッとするような要素を含んでるような。

あとは平成中期のゲームが好きですね。ゲームキューブとかPlayStation2とか。当時のCMも好きなんですよね。

もしかしたら単なるノスタルジーなのかも知れないですけど。

 

村上

ちなみに、最初にハマったゲームって何?

 

菊竹

最初にハマったのは、4歳の誕生日に親から買ってもらったポケモンです。

そこからゲームが好きになっていきましたね。毎年誕生日とかクリスマスには必ずゲームを買ってもらってました。

 

村上

ついさっきうちの娘から「テストで100点とったからマリオメーカー2買ってきて」てメールがきてた(笑)

約束は約束だから帰りに買わなきゃ…。

 

菊竹

私も、高校生の時に成績が学年10位以内に入ったらwiiUとスプラトゥーンをセットで買ってあげるって親から言われて、めっちゃ勉強頑張りました。多分「どうせ無理やろ」って思われてたんでしょうね。

 

村上

ご褒美があるから頑張るのか、頑張った結果としてご褒美があるのかでモチベーションは全然違うよね。

たしかに、娘には100点とったらマリオメーカー2を買ってあげるとは言ったけど、実際にとってしまうと、本当に勉強を楽しんでるのかなって心配になってくる。

 

菊竹

でもその頑張る過程で「自分ならできる」って思えるのが嬉しいし、

モチベーションも保ててたんで、それはそれでいいかなって思います。

 

村上

なるほどね。ちなみに菊竹は今ゲームゼミ2年生のリーダーをやってるけど、実際ゲームゼミってどんな感じ?

 

菊竹

アナログゲーム、デジタルゲームだけじゃなくて、遊びの力で社会をいかに面白くするかっていうゲーミフィケーションの研究をやってますね。後期からは脱出ゲーム制作も始まります。ゲームといってもかなり幅は広いと思います。

 

村上

一通りやってみてどうだった?

 

菊竹

昔から作りたかったのはデジタルゲームだったんですけど、実際にアナログゲームの制作もしてみて、どっちも面白いじゃんってなりました。元々アナログゲームについてはあまり興味なかったんですけど、遊びを作る上でそこの考え方は変わりましたね。

デジタルだと自分一人だけで進むとか、対戦だったとしても相手の顔が見えない場合が多いじゃないですか。でもアナログだと人同士が向き合って遊ぶので、相手の表情を読んで戦略を考えるとか、遊びが広がって面白いですよね。

ていうか、そもそも紙が好きなんです(笑)触れるから。

 

村上

紙が好き(笑)そうそう、そういう素朴な動機がすごく大事。

 

菊竹

でも最初のアイデア出しとか、5人のチームで全員意見がバラバラの状態で、それをまとめていくのが大変でした。

でも紙に書いてテストプレイが一瞬でできる点がすごく良かったです。フィードバックも早くて、どんどんアイデアが出てくるので。

 

村上

今、一年生の時の話をしたけど、今現在2年になってからはどう?

 

菊竹

このゼミでは、最初にウォーミングアップで「日本ゲーム大賞」を想定したゲーム企画をやって、

「ゲームジャム」「Japan Expo」向けのゲーム制作、そのあとは京都のホステルに置いてもらうための外国人観光客向けのアナログゲーム制作をやりましたね。

 

村上

Japan Expoについては以前伊藤舞(ゼミ通ヒーローズvol.11)が語ってくれたけど、ざっとおさらいしておこうか。

 

菊竹

Japan Expoでは、フランスに持っていくゲームということで、言葉が通じなくても遊べるゲームとしてメンコのゲームを企画しました。ゴールデンウィークの間に大急ぎでまとめた企画でしたけど、同時進行でゲームジャムの企画も動いてたからゴールデンウィークはまるごとなくなりましたね(笑)

 

村上

ゲームジャムの方は、テーマの発表があったのがゴールデンウィークの半ばで、

連休明けの土日にイベント本番っていう(笑)

 

菊竹

二日でゲームを完成させるのはなかなか難しかったですけど、初めて自分が関わったものがああやって画面の中で動いてるのを見て感動しましたね。「本当に完成しちゃった」って。

アナログゲームは作っていく過程がその場でわかるじゃないですか。でもデジタルゲームの場合はプログラマーさんにデータを渡してから形になるまでに時間がかかるし、それがどんな風に動いたり表示されるかわからないので。

参加者全員仲の良いメンバーだったこともあって、先輩とも打ち解けて、わいわいやれて楽しかったです。

 

村上

そこ大事。先輩の考え方を後輩が受け継ぐっていうのをやりたくて今回ゲームジャムに参加したんだけど、

今度は君らが次に入ってくる後輩のゼミ生に対してゲームゼミの「イズム」を継承していっていただかないとね。

 

菊竹

とにかくチームワークが大事なゼミなので、そこは同年代だけじゃなくて上下のつながりもキッチリ作っていかないとダメだなって思いますね。

 

村上

前期後半にホステルに置くためのアナログゲーム企画を進めたけど、菊竹のチームは全員黙々と作業をしていて、あまりディスカッションをしてる印象がなかったね。ワークフローも明確だったから、なんだか会社みたいだなって思いながら見てたけど。

 

菊竹

もう早い段階で仕様が固まってたんで、あとは時間までに完成させようってなって、ただひたすらデータを作り込んでました。

 

村上

プロジェクトではないけど、ゲームの通常授業の中だと体育館を使って「鬼ごっこ」もやったよね。

 

 

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↑体育館を使ったゲーム授業の風景。

鬼ごっこの新しいルールを考えてはその場で試し、ゲームがゲームになる瞬間を体感しました。

 

 

菊竹

あの時は暑くて大変でした…。鬼ごっこだけであれだけ種類があって、その場ですぐに考えられて、実行できるって。体だけを使うっていうのがすごくいいなって思いますね。

 

村上

お金もかからないし、デバッグも即座にできるし、結果がすぐ出るし、体を動かすと勝手に場も盛り上がるし。

まあ、盛り上がらない鬼ごっこって見たことないけどね。

 

菊竹

プロジェクトとかデジタルゲームとかアナログゲームとか、あと鬼ごっことか…。ゲームの授業やゼミって、色々あって盛沢山なんですけど、でも「あれもできます、これもできます」だと、限られた時間で全てを学ぼうと思うと時間が足りなくなって、少しずつ触れていくだけになっちゃうのが勿体ないんですよね。

 

村上

かといって、色んな種類のゲームの専門家をたくさん呼んできて、授業数を増やして教室も増やして…てなったところで、どうなんだろう?結局幅を広げて色んな領域をつまみ食いしたけど、最終的な将来の夢を消去法で決めていくことになったりしないだろうかっていう心配はあるね。「鬼ごっこの授業が楽しかった」って言って、だからといって鬼ごっこのプロを目指すためにやったわけじゃないよね、て判断になってしまう。

目先の就職の事を意識するのは大事なんだけど、それ以前にこれらの授業で培ってきたものを社会のどんな側面に活用するかっていう考え方にしてほしいわけ。

 

菊竹

それは全部活用できますよね。直接ゲームとは関係ない、先生との世間話とかでも、活用できそうなネタもたくさんいただけてるし。

一年生のときのゲーム授業で、「感情を動かされたできごとを元にゲームの企画を考える」っていう課題があったじゃないですか。それと同じように、その場その場の思い出を面白い企画に変換する力っていうのもゲーム業界以外でも応用できると思いますね。鬼ごっこの企画を考えたのもじゅうぶん役立つと思いますし。

鬼ごっこの企画を考えてるときに、先生が「実際に体を動かしながら考えたら」って言ってくれたんですよ。話だけだと全然進まなくて皆で「うーん、どうしよう」ってなってたんですけど、動きながら考えたらすぐにアイデアが固まったんで、これ大事だなって思いましたね。

 

村上

鬼ごっこのいいところは、さっき菊竹が言ってたようにすぐに考えてすぐに実行できるっていう点。即時フィードバックがあって、「さあ次!」てなるから、小さい創作のサイクルを一瞬で体感できるし、この小さいサイクルは段々大きくなっていって、大きな学びになる。学びになると自信につながる。これってどんな仕事にでも応用できるよね。鬼ごっこである必要はまったくない。「とりあえずやってみよう」の精神と喜びのサイクルを理解する事こそどんなところでも応用できるよね。

 

 

Part2に続く

 

 

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2019年10月23日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズ Vol.13 岩本穂ノ実と「ゲーミフィケーション」について語るの巻 Part 2

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村上

長い長い前置きを経てようやくここから本題ね。学内の問題をゲーミフィケーションで解決しましょうってやつ。

「ゲーム制作応用」の授業の中でゲーミフィケーションを学んでいて、学内の問題解決とか、つまらない授業を面白くする方法を学生が考えて、実験・検証をして、実際に役立ててみようという課題ね。

 

岩本

私たちのチームは、出席カードのフォーマットを大幅に変えて、出席カードを使ってレイドバトルをしてみようっていう企画をやりました。

出席カードをぱっと見て、単純に書く気が起きないんです。なんというか、書かされてるような義務感を強く抱いてしまって。

 

村上

書く主旨としては、本来であればその授業の振り返りであったり次の授業に向けての質問があれば書くというものだったんだけどね。

 

岩本

枠の中に罫線しか書かれてなくて、しかもそこそこ量が多いんですよ。これを全部書いて埋めようと思ったら、書くことが決まっていても5分以上かかりますね。あとは実習系の授業のときなんて何も書くことがないので無理矢理言葉を絞り出すのが結構大変で。

 

村上

でも、例えば実習であれば「今日はこういう作業をしたけどここで失敗した。つまりここに問題があったということなので来週はこうやって対処したい」とか、書きようはあるはず。そんなことが書かれていると「あ、この人はちゃんと学んでるな」て評価できるわけ。

 

岩本

でも義務感が強すぎることと、課題の成果物の方が点数が高く見られるだろうと考えると、どうしても出席カードの存在は気持ち的にも後回しになってしまいますよね。

 

村上

確かにね。ではそれが大前提としてあって、それをどう解決しようとした?

 

岩本

まずは各項目を明確に分けて書きやすくしました。「はっけん」と「はてな」ですね。

その授業の中で自分が気付いたことと、それによって生じた疑問とか、先生に対する質問などですね。これを大きく二つの欄にまとめました。あとは所属の欄を消しましたね。キャラクタ―デザイン学科なのは分かり切ってるので、数秒とはいえわざわざその文字を書く時間が無駄だと思って。

あとは、ゲーム関係の人はドットのフォントが好きそうなのでドットにしました。見ただけでゲームであることが分かるようにしたかったんですね。やっぱりドラクエのインターフェースがゲーム画面として印象的だったので、それをイメージしました。

 

 

 

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ゲーム領域の授業のみで実験的に使用している出席カードのフォーマット

 

 

岩本

で、見た目はそんな感じなんですけど、そこにレイドバトルの仕組みを入れてます。

レイドバトルっていうのは、みんなで協力して一人の敵を倒す仕組みのことなんですけど、この出席カードの場合であれば敵は先生となって、一行書くごとに10ポイントのダメージを与える形になります。10行あるので、全部埋めれば100ポイントのダメージを先生に与えることができますよ、という意味です。授業ごとに目標となるダメージ値が決まってて、受講生全体のポイント数がその数値を越えていればその週は学生の勝ちで、越えなければ先生の勝ちとなります。例えば「ゲーム制作基礎」では先生のHP3000という設定なので、受講生全員で合計300行以上を書けば学生の勝ちということです。

 

村上

ちなみに今は「はっけん」と「はてな」は5:5の割り合いになってるけど、授業も後半になってくると「はっけん」の比率が多くなってきて「はてな」が減ってくるんじゃないかな。もしかしたら6:4の割り合いでも成立するような気もする。

 

岩本

うーん、そうですねぇ…。

 

村上

でも、「はてな」といっても質問とは限らなくて、自己完結したり自問自答するような内容も含まれると思うので、そう考えると今のボリューム感でもいいのかな。

 

岩本

ただ「はてな」も無理やり捻り出す必要もないので、先生の言う通り6:4でも良いのかなと思いますね。

 

村上

普段授業では1年生には「はてな」を多く作ることが重要だって言ってる。疑問がなくなったらクリエーターとしてはダメなので、無理やり捻り出すよりも自然に「はてな」が生まれてきて然るべきかなとも思うわけ。

ちなみに1年生の授業だと、23回目くらいまでは割とシリアスな質問が多いね。授業の内容に関わる質問とか、技術的な質問とか。これに対して一度「ネットで調べれば済むようなことは自分で調べて下さい」と言ったんだけど、そしたら次の週からは「先生の好きなラーメン屋さんはどこですか」「好きなポケモンは何ですか」と来るわけよ。確かにネットで調べても出てこない(笑)

 

岩本

なるほど、構ってちゃんシステムになるわけですね。

 

村上

多分フィードバックがあるという喜びがモチベーションになって、何でもいいから質問を投げてきてる印象。そんな中でこの新しい出席カードを導入したことで変化があったね。

 

岩本

そうですね。一年生の出席カードを一通り読ませていただいて、まあ構ってちゃんの質問もあるにはあるんですけど、明らかに授業の本質に迫るガチの質問が増えましたね。

 

村上

そういう意味では、この実験はとても良かったと思う。

 

岩本

質問の量もかなり増えましたね。先生が毎週書いてくる「ゼミ通(学生の質問に対するフィードバックシートのこと)」だって、それまでは12ページだったのが、この仕組みを導入した次の週から45ページになってきましたよね。先生大変だなぁって思いましたけど(笑)やっぱり「書きたい」っていう意思が生まれてきたのかなと思います。

 

 

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授業ごとに毎週配布している「ゼミ通」。出席カードに書かれた様々な質問に対する解答を記述。

当初は12ページだったものが、岩本方式の出席カードを取り入れた次の週から45ページに増えた。

 

 

村上

ゲーミフィケーションって、本音と建前が混在していて、運営側が誘導したいことと、ユーザーが突き動かされるポイントが違ってたりするんだよね。今回の企画でいうと、運営側としては「授業の参加意識を高めてほしい」で、学生は「レイドバトルを楽しみながらフィードバックをいただきたい」。なんだけど、レイドバトルとかフィードバックとか言いながらその結果として授業にしっかりのめり込んでる証拠なので、両者WinWin

 

岩本

何か書こうと思ったらちゃんと授業を聞いてないとダメですしね。

 

村上

座学と合評の日は物凄く質問が多くて実習の日は少ないんだけど、これは授業の特性上仕方ないかな。

今って先生のHP3000と決めて、毎週毎週倒せるかどうかのフィードバックがあるよね。「ゲーム制作基礎」は受講者数が45名で、全員が全行書いたら4500ポイント。その中でも半分しか書かない人もいるだろうから3000ポイントくらいの設定にしとこうか、てなったよね。三週に一回倒せるくらいがモチベーション維持にはちょうどいいという仮説をもとにバランスを調整して、毎回毎回「今週は倒せたかな?」っていう楽しみを作ろうとしてるよね。

 

岩本

そこは概ね狙い通りのバランスが実現したと思います。

 

村上

そこでちょっと思ったんだけど、例えば15回分の授業全体を通して、45000ポイントと設定しておいて、毎週少しずつ削っていって最終授業日に先生を倒せていたかどうかのジャッジを確認するというのもまた面白いんじゃいないかな。でもその場合は「数値」じゃなくて「ゲージ」にしないといけないだろうね。体力が削られていく様子が可視化されてると没入感も高まるだろうし。

 

岩本

ただその場合、途中で結果が分かるというか、もし序盤のポイント数が少なかったら、ある段階でもう全員が全行埋めたところで絶対に勝てないって分かっちゃうんですよね。そうなるとモチベーションが維持できないかと。

 

村上

ゼミ通ヒーローズのインタビュー記事を収録してるつもりが段々我々だけでガチのやりとりになってきたな(笑)

 

岩本

そういう風に夢中になれるのって大事ですよね。

 

村上

まあとにかく、これはゲーミフィケーションとしてとてもよく出来た企画だと思うよ。

 

岩本

え、そうですか?じゃあ成績上がるかな。やったぁ。

 

村上

そうやって目先の数字で一喜一憂する癖は直した方がいいな。

 

岩本

むー(苦笑)

でも、問題を発見するプロセスを理解できるようになったという意味ではこの授業を履修して良かったなって思います。

 

村上

アクティブラーニングって、「問題解決力」っていうよね。でも個人的には解決する力の前に「問題発見力」の方が大切なんじゃないかって思うわけ。周りを見渡して観察して、疑問や不満に思うことがあればその本質を見極めて解決策を考える。そういう力の方が大事なんじゃないかなって思うね。そこを面白いと思ってくれてるならこの授業はやって良かったよ。

というわけで、かなり長くなってしまいましたが、これからも頑張って面白いことを考えていきましょう。

 

岩本

ありがとうございました。

 

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2019年10月20日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズVol.13 岩本穂ノ実と「ゲーミフィケーション」について語るの巻 Part 1

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今回のゼミ通ヒーローズは、村上ゼミ2年生の岩本穂ノ実さん(大阪市立工芸高等学校出身)をピックアップします。

 

 

村上

ゲームの領域を希望したのはどうして?

 

岩本

高校の卒業制作でゲームを作ったんですけど、その反応が良かったので。あと、門瀬先輩(門瀬菫/ゲームゼミ4年生)が「私は毎週企画を考えて村上先生に見てもらったよ」て言ってたので、じゃあ私も見てもらおうかなって思って。

 

村上

岩本は毎週ゲームの企画を考えて簡易の企画書を持ってきたもんね。なんか凄く熱心な学生が入って来たな、っていう印象だった。どれも遊びのコンセプトをしっかり言語化した企画案になってたし。コンセプトをまとめるのはプロも苦労するんだけど、逆に言うとそこさえ固まってしまえばあとは装飾の問題だけなんでね。そんな一番大事なところを週に一回考えて持ってくる姿勢が素晴らしい。

 

岩本

前期一杯は週に一本企画を考えてましたけど、でも後期に入ると二週間に一本くらいのペースになってましたね。

 

村上

それでも二週間に一本は凄いな。ネタは何本くらい溜まった?

 

岩本

ネタ自体はたくさんありましたね。でも去年の台風のときに全部消えました(笑)

 

村上

あの被害の大きかった台風21号ね。

 

岩本

私の部屋は三階なんですけど、向かいの家の一階にある物置が飛んできて私の部屋を直撃して、机の上に置いてあった全ての企画書が雨風と共に全部消滅しました(笑)

そこから、企画書は手書きじゃなくてデジタルデータで保存しなきゃって思いましたね。

 

村上

三階に直撃って凄いな。

 

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村上 つまり、こう…で、

 

 

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村上 こう…てこと?

 

岩本

はい、そうです。今となってはもう、これですらネタですけどね(笑)

 

村上

…壮絶やな。でも思考のプロセスはもう理解できただろうし、題材が変わろうと何だろうとナンボでも企画を立てられるようになったよね。

 

岩本

はい、できますね。

 

村上

最初の一年で経験値も溜まって企画レベルも上がって、結果的には良かったね。消滅した当時はかなり荒れてたけど…。

 

岩本

そりゃ、なんでやねーん!てなりますよ。物置は空を飛ぶものじゃないですもん。

 

村上

いっそのこと、これをネタにして風を使ったギミックとか考えられないかな。例えばコントローラを握って、LRのスティックを回転させてつむじ風を起こして、LRボタンで強度を調整したり。

 

岩本

風を起こすでもいいし、風を利用して主人公を動かすって形でもいけそうですね。

 

村上

キャラクターやストーリーよりも、岩本の場合そういうインターフェースの面白さだけで勝負するような企画を考えるのが得意だもんね。昔からそういうゲームが好きなの?

 

岩本

いや、別に…。私はそんなにゲームが好きじゃないんで(笑)

特にこれが好きっていうのはなくて、自分の作ったものに対して何かしら反応がくるのが楽しいから作ってるって感じですね。

 

村上

表現したいものは特にないってこと?

 

岩本

特にないです。その場その場で作りたい内容も変わるので。

 

村上

共通のテーマみたいなものはあるの?

 

岩本

共通のテーマは、大体私の不満からきてます。今回授業で考えた出席カードのゲーミフィケーション企画も、普段授業で使ってる出席カードが糞つまらないので、それを変えたくて考えたものだし。

 

村上

…ゼミ生は担当教員に似るっていうけども、「糞つまらない」とか。入学当時は素直ないい子だったのに、そんなところ似てしまって…。

 

岩本

そうです。先生のせいですよ。

 

村上

じゃあ、何か不満を抱えたときに、そこからどうするの?企画の方法として。

 

岩本

不満をLINEにメモしてるんですよ。一回書き出すことによって、自分が何に対してどう怒ってるのか、というのをより客観視できるんですね。で、それを解決するためにゲームの形にしたり。

 

村上

ゲームシステムに落とし込む前段階のプロセスはどんな感じ?

 

岩本

以前書いた企画で、カップルが二人で並んで座って、お互いに近づきたくなるゲームの企画があったじゃないですか。あれは私が電車に乗ってるときに、目の前でカップルがイチャついてて腹が立ったんですね。で、別れさせたかったんです(笑)

 

村上

な、なるほど(笑)で?

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岩本

ゲームをクリアできなかった時に、二人の間でモヤモヤするというか、ちょっとしこりが残るようなゲームを作りたいなって思って。あの時は日本ゲーム大賞のお題にもなってた「☆」をテーマに企画を考えてみたんです。

「織姫と彦星」をモチーフにして、邪魔な星をスワイプで弾いたり、飛んでくるハートを弾いて隣に座ってる人のスマホの画面に飛ばすんですよ。送ったハートの数によってエンディングが変わるっていう内容でした。でも結果的にカップルを仲良くさせるゲームになっちゃいました。

 

村上

新人さんがゲームの企画書を作る時って大抵キャラクターやストーリーありきの企画を考えるんだけど、岩本の場合はこういう感じでコンセプトありきで考えることに慣れてるよね。

 

岩本

そうですね。キャラクターから入るってことはこれまでなかったですね。ゲームはやっぱりルールと仕組みの面白さが大事だと思ってるんで。今回の企画でも、最初は織姫と彦星って設定にしたら何かがうまくいかなかったんですよ。それよりも、吊り橋効果というか、二人で協力することで絆が深まるような「体験をデザイン」してみようって思ったんですね。

 

村上

なるほどね。そんなコテコテのゲームデザインを学んで、そして今は授業でそれを別の方向に活かしてみようとしてるけども、ここから本題の方に移ろうかな。今回はゲーミフィケーションね。

 

岩本

世の中の問題点に着目して、ゲームの仕組みを利用して解決しようってやつですね。人に命令とか強制をするんじゃなくて、自分から動きたくなるように仕向けるっていうか。

 

村上

その通り。で、ゲーミフィケーションという言葉は授業を受けるまでに聞いたことはあった?

 

岩本

いや、初めて聞いた言葉だったんですけど、授業で聞いた時は最初「ゲー」ってついてるからゲームに関係する何かなのかなと思いました。

 

村上

「ゲーミフィケーション」は「ゲーム化する」の意味ね。2008年以降海外で浸透してきた考え方なんだけど、実は日本ではまだあまり認知されていない。デザインと名の付く仕事をしてる人が感覚的に理解してるくらいかな。

とはいえゲーミフィケーションなんて言葉を使わなくても、単純なところでいうと「ポイントカード」なんかが分かりやすいけど、既に生活の中に浸透してるといえば浸透してる。

 

岩本

男子トイレのハエのやつとかは有名ですよね。よく考えられてると思います。

 

村上

小便器の内側にハエの絵柄が焼き込まれてて、ついそこを目指して用を足したくなる。すると尿が飛び散らなくなるのでトイレが清潔になるっていうゲーミフィケーションね。

そんな基礎知識を得た上で、今回の課題としては「学内の問題を、ゲーミフィケーションを使って解決してみよう」って課題を出した。で、実際に企画に入る前に、「つまらない授業を面白くする方法とは」という話も出たね。

 

岩本

フィードバックのない授業はつまらない、とか。

 

村上

ゲームの7要素を当てはめて考えた時に、そのどれにも該当しない授業はつまらないから学生が寝ちゃう。やっぱりその中でもフィードバックって一番大きい要素かな。

 

ゲームの7要素

1:即時フィードバック

2:達成可能な目標設定

3:称賛演出

4:成長の可視化

5:自己表現

6:自己統制感の演出

7:PDCAサイクルの体得

 

岩本

そうですね。教員が一方的に説明するだけの授業は聞きたいと思わないですよね。それならわざわざ出席しなくたって、YouTubeでええやんってなりますし。あとはレジュメに書いてる内容を話すだけだったらそのレジュメを配布してくれればそれでいいし。

 

村上

パワポを使えば使うほど聞き手の心が離れていくって学生から聞いて、自分の授業内容を見直したことがあった。

 

岩本

それ、本当に人に見せるつもりで作ったパワポなの?て思う時ありますよね。文字がギッシリ詰まってたりして。学生たちは授業を聞かずに必死でスクリーンの写メ撮ってますよ。パワポに限らず、文字がいっぱい出てきた時点でやる気はそがれますよね。

 

村上

ゲームの授業でも、特に1年の序盤はパワポを使った座学が多かったけど、やっぱりキツかった?

 

岩本

はい、寝てました。ごめんなさーい(笑)

 

村上

ほほう。

 

岩本

部屋が暗いから寝てても気付かれないし、別にいいかなって思って。頬杖ついて、反対の手でペンを持って寝てると、暗がりで見たとき一生懸命授業を聞いてるように見えるんですよね(笑)

 

村上

なるほど、そうきたか。じゃあインタビューの主旨を変更して、「寝ないための授業デザイン」という内容で議論しようぜ。

 

岩本

最初の頃って、結構学生に語り掛けてくれてたり、その回答を膨らませて議論をさせてくれたり、そんなフィードバックがたくさんあったじゃないですか。その参加意識が授業の面白さだと思うんですけど、授業が進むとだんだん情報量が多くなってきて、話が一方的になっていくっていう(笑)内容的には仕方がないとは思うんですけどね…。

 

村上

要はプレゼンテーションがスピーチになってしまってるってことかな。ただ、この授業を立ち上げたのが8年前で、その頃は学生をいじりながらじっくりと進めてたんだけどね。受講生も10人くらいしかいなかった時代だから座談会感覚で授業ができていたんだけど。

 

岩本

人数が増えたら一人ひとりと話すことができなくなりますよね。

 

村上

ゲーム概論を語るときの情報量も年々増えていくんだよね。ゲームの世界って、世の中の動きに合わせて凄まじい速度で開拓されていくし、インターフェースに応じてゲームが進化してるので。しかも立ち上げ時からの8年分の蓄積だけでも物凄い量だから、年を追うごとにいつの間にか授業時間が圧迫して説明だけで終わる感じになってきてるんだね。かといって古い情報を切り捨てるわけにもいかなくて、端折りながらも説明していかなきゃいけないわけで。

 

岩本

それ、言い訳ですよね(笑)。

 

村上

いや…そうなんだけど…。何か解決する方法があればとは思うんだけどね。

 

岩本

結局学生に寝られたら意味ないんですけどね(笑)

 

村上

今日は随分辛口でくるな(笑)。だんだん悲しくなってきたけどもう少しだけ頑張るよ。

 

岩本

いやいや、私がゲームゼミに入ったのは村上先生がいたからなんですよ。

 

村上

散々ボロカスに言ったくせに(笑)

 

岩本

だって毎回企画書を持っていったらちゃんと読んでフィードバックくれるし。

 

村上

ゲーム業界にいたからフィードバックをちゃんとするのは慣れてるというか、それがあって当たり前の世界だったんでね。

 

Part2に続く

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2019年10月15日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズvol.12「西村涼と自主制作について語るの巻」

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ゼミ通ヒーローズ Vol.12

 西村涼と「自主制作」について語るの巻

 

 

今回のゼミ通ヒーローズは、

村上ゼミ2年生(12期生)の西村涼さん(大阪府立港南造形高等学校出身)をピックアップします。

物静かな佇まいながら、ゲームジャムでの企画立案の他、普段から様々な技術検証等を行なうなど、

内に秘めた熱いものがあるはずと睨み、その素顔と本音に迫りたいと思います。

 

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村上

まず、西村ってあまりゲームで遊んでるイメージがないんだよな。

でもゲームゼミに所属してるということはきっとゲームが好きなんだろうし、

その辺りから色々話を聞いていこうかな。

 

西村

ゲーム結構やりますよ。最近は「ビートセイバー」っていうVRの音ゲーがあって、運動がてらやってます。

好きなゲームでいえば「UNDERTALE」ですね。

 

村上

いきなり割とコアなところからきたね(笑)

 

西村

でも一番ハマったのは「MINECRAFT(以下マイクラ)」ですかね。

 

村上

世界的なヒットコンテンツだよね。今、うちの娘がマイクラにどっぷりとハマってて、一日中ずーっとこればっかり。

家族で旅行するときも車の中でSwitch版のマイクラやってるし。西村はこのゲームのどこに魅力を感じるの?

 

西村

自由度がすごくあって、

 

村上

ていうか自由度しかない(笑)

 

西村

まずは自分で家を建てたり、自給自足みたいな感じで生活できるじゃないですか。

それに加えて大勢でやるときもあって、中にはドラゴンがいるんですけど、このドラゴンをやっつけるために30人くらいで集まってタイムアタックするようなところもあるし。

あとは海外のサーバーに繋げることができて、そこで何でも出来てしまうんですけど、アスレチックみたいなものだったり、鬼ごっことか。

マイクラという世界の中で色んなゲームができてしまうところが魅力で、そのお陰で一番やり込んだと思います。

 

村上

世界がそのまま存在するから、「今日はそこで何をしよう」みたいな感じで遊ぶことを考える楽しみがあるんだね。

 

西村

キャラクターが登場する類のものであれば、がっつりやり込んだものとしては「オーバーウォッチ」がありますね。

あとはVRの「バイオハザード」とか。

 

村上

なるほど、結構幅広く色々やってるね。

 

西村

どのジャンルにも色んな魅力があって好きなんですよ。

 

村上

何となく西村の印象としては、普段は課題を真面目にコツコツやってて、

作業の合間にちょっと「ツムツム」やって時間潰すみたいな、そういうライトユーザー的なタイプかと思ってた。

 

西村

私の場合、生活のメインがゲームで、まずはやりたい事をやって満足したら、

本来やらなければいけない大学の課題をやるんです。

やっぱり最初にモチベーションを上げておかないと何もできないので。

 

村上

逆だと思ってたな。最初にやるべき事をやって、残り時間でどう遊ぶかっていう。

 

西村

やりたいことを先にやってしまわないと、多分やる時間を失ってしまうので、

課題とかはその後の時間でやりますね。それが自分としても理想なので。

 

村上

そう考えるとゲームゼミに入った理由も割と自然な流れだったのね。

でも、そもそも何を目指してゲームゼミに入ったの?

絵を描いたりプログラミングをしたりプランニングをしたり、色々幅はあるけど。

 

西村

ゲームプランナーですね。元々はコンセプトアーティストを目指してたんですけど、両方ともやる事が似てるかなと思って。

ゲームプランナーは文章でイメージを伝えて、コンセプトアーティストは絵で伝えますけど、

そこに「伝える」っていう共通点を感じてゲームプランナーも面白いなって思い始めて、それでゲームゼミに来ました。

 

村上

多くの人はキャラクターを描きたがるけど、取っ掛かりがコンセプトアートだったんだ。

じゃあこの大学を目指した理由って何?

 

西村

ただ単にゲームを作りたいっていうだけだったら専門学校が良いと思うんですよ。確実に作れるようになるし。

でも自分に足りてないものは何なんだろうって考えた時に、やっぱりコミュニケーション力かなって思って、

そのコミュニケーション力を一番強化できそうな所はどこかと考えた時に京都造形大だと思ってここに来ました。

 

村上

オープンキャンパスとか体験授業でそれを感じたと?

確かに、技術だけだったら、極端なことを言えばネットで調べたり独学でもできるしね。

 

西村

最初高校の時はグループワークをするタイプじゃなくて、

先生からも「向いてないんじゃないか?」とか「雰囲気が合ってないんじゃないか?」って言われたんです。

でも大学に入ったら、やりたくなくてもやらなきゃいけない環境が作られるじゃないですか。

最初はグループワークが嫌だったんですけど段々慣れてきて、今では楽しめるようになってきました。

 

村上

どういう風に楽しくなってきた?

 

西村

プロジェクトで何人かで集まって意見を出し合ってるときとか一番楽しいです。

 

村上

そこに慣れることが出来たんならこれからも大丈夫だと思うよ。

さてそれとは別に、西村は常に何か色んな表現とか実験を繰り返してるみたいだけど、

早速作品の方を見せていただこうかな。

 

西村

分かりました。まずはこちらですね。

高校の時に作ったポートフォリオで、今も新しい作品ができれば更新をしてます。

 

1011_2

 

村上

すごいな、高校の時からポートフォリオ作ってたんだ!?大学3年になって初めて作るって人がほとんどなのに。

当時は油絵を中心にやってたみたいだけど、今はもう全部デジタル?

 

西村

この間水彩画を少し描いたんですけど、基本的にはほとんどデジタルですね。

デジタルの方が効率も良いし、今なら油絵のタッチとか色鉛筆のタッチとか自由に表現できるようになりましたし。

 

村上

CGの作品もあるけど、CGにも興味がある?

 

1011_3

 

西村

そうですね、特にモデリングに興味があります。モーション付けよりはモデリングですね。

 

村上

元々コンセプトアートをやりたいところから始まってるから、動きじゃなくて静止画で見せたいって気持ちがあるのかな。

 

西村

それもあるんですけど、「VRチャット」っていうゲームがあって、それをやってみたくて人物のモデリングもできたら良いなって。

 

村上

そのアバターとなる3Dモデルを自分の手で作りたいって事ね。

 

西村

どのみちCGのスキルがあったらゲーム会社に入った後でも色々役立つと思うので。

 

村上

この学科だとデザイナーとしてゲーム会社への就職を希望する人が結構多いんだけど、3DCGができる人は重宝されるよ。

もしできなければ、イラスト以外の付加価値を求められるしね。UIデザインとかエフェクトデザインとか幅広く。

西村は去年はドット絵もやってたよね。

 

西村

ドット絵は1年の時に独学で始めて、先輩の作品のお手伝いをさせていただいて、今も自分でやってます。

 

村上

去年の学科展用の作品で山中(山中楓/4年生ゲームゼミリーダー)の作品のドット絵を西村が作成したよね。

 

西村

山中さんとはTwitterで元々知り合いで、私が0年生の時に山中さんと同じ大学だって知る機会があって、そこからTwitterDMでご挨拶させていただきました。

私も何度かTwitterでドット絵作品をアップしてたので、それを見て作品制作のお手伝いの声がかかったんだと思います。

 

1011_4

 

西村

あとはやっぱりゲームを作りたいなと思っていて、UNITYを使って自主制作をやってます。

授業で習った断片的な技術を組み合わせていくと色々な表現ができそうだったので。

これはまだ作り始めたばかりなので全然ゲームの形にはなってないんですけど、とりあえず動かしてみて何か面白い表現ができないかと探ってるところです。

 

村上

なんか柔らかい動きで、見てるだけで楽しいね。

 

西村

これは一応シューティングゲームなんですけど、主人公が吐き出した雲が気持ち良く流れる描写をやってみたいなと思って。

 

村上

なるほど。このゲームもそうだし、以前のゲームジャムのときもそうだったんだけど、

ゲームの仕組みを考えてから作るというよりも、感覚的に「こんな動きだったら面白いな」っていう面白さの着地点を決めて、そこから徐々に仕様を詰めてゲームの形にしていくやり方が得意なのかな。

 

西村

そうですね。色んな方面からアイデアを出すのが好きで、今回だと動きからの発想ですね。

ビジュアルから考える時もありますし、システムから考える時もあればストーリーから考える時もあって、本当に色々ですね。ゲームって色んな考え方があって良いと思うので。

 

村上

授業ではいつも宮本茂さん(任天堂のゲームプロデューサー)やら(故)横井軍平さん(元株式会社コトの代表取締役)の例を出しながら企画の進め方を教えてるけど、

あれが全てというわけではないし、もちろんコンセプトを詰めるやり方は理想的ではあるけども

企画内容によっては全てが彼らの方程式に当てはまるわけではないんでね。

 

西村

プログラマーさんが考える面白いゲームと、イラストレーターさんが考える面白いゲームって

やっぱり違うと思うんですよね。それぞれ特徴があって面白いですよね。

 

村上

自分はゲームの企画を考えるときは大抵「音」から考えてたな。

映画のサントラを聞きながら外を眺めたり散歩をしたりして、その時の情景や色んなものの動きと音を合わせて、

ここでこういう曲が流れたらこんな鳥肌が立つような演出になるな、とかね。

音楽を聴きながら町を練り歩いて得た体験をシステムに落とし込むっていう考え方が多い。

といっても別にリズムゲームを作るわけではなくて、何かのストーリーだったりアクションの構想を膨らませるために役立てるっていうね。

 

西村

私は、ゲームを企画する上でシステムは二番目でいいと思ってます。

創作の切っ掛けとして、まずは自分が興味がある事とか、面白いなって思った事とかを重視したらいいと思います。

 

村上

システムに落とし込むときにはそのこじつけ方として違和感がないように融合できたら全然問題ないわけからね。

他に最近作ったものって何かある?

 

西村

これはCGを一切使わずにAfter Effectsだけで本物の海に見えるような表現に挑戦してみました。

 

1011_5 1011_6

 

村上

おお、すごいリアルだ。After Effectsを触り出したら、何でもできるからつい夢中になるよね。

ていうか、ゲームに限らずなんか色々やってるんだな。

 

西村

今は自分の経験値になるなら何でもやってみたいです。自分を成長させるのが楽しいので。

インターネット上でいくらでも情報が入るので、参考になりそうな画像や動画を見て、色々なツールとか手法を試してみてます。

 

村上

触ってて一番楽しいツールって何?

 

西村

今はUNITYが楽しいです。表現に不可能がないので。

プランナーとして、色んな表現が出来た方が将来的に得じゃないですか。イメージも伝えやすくなるし。

その手段として色々いじってみてます。

 

村上

今年のゼミ生はその考え方で動く人が多いね。

技術習得はもちろん大事なんだけど、「技術を習得した先に何があるのか」というのを最重要視して動いてる人が多い。

ちなみに西村の将来の夢は?

 

西村

私の好きな「UNDERTALE」を作った人ってほとんどの作業を一人でやってるんですけど、

そんな感じで何でもできちゃう人に憧れてて、一人で自分の技術を全て詰め込んだオリジナルのゲームを作りたいと思ってます。

 

村上

組織で動くよりは単独で動きたい?

 

西村

仕事は仕事で別にして、単独の創作は趣味でやります。

 

村上

UNITYが浸透してから、そういうことが実現可能になってきたよね。

自分の作家性って何だと思う?

 

西村

まだ良く分からないです。

今はまだ経験が浅いので、それを探るために色々なツールや表現方法に触れてみてるって感じですね。

 

村上

好きなものは?

 

西村

錆…ですね(笑)

 

村上

錆!?

 

西村

はい。なんかそういう自然に紛れてるちょっとした神秘的な物。

 

村上

朽ち果てたものが好きということ?例えば人間が死んでゾンビになった時に美しさを感じるとか。

ゲームジャムの企画案もゾンビだったし。

 

西村

ゾンビという発想の前に、死体ですね。魂を吹き込むことで暴れ出す。

死体は死後硬直するものですけど、それが動いたら面白いですね、っていう。

 

村上

鉄より錆の方が好きっていうのも何か共通してるのかな。醜さの中にある美しさとか。

 

西村

そうですね。さっき紹介したポートフォリオにあるダンゴムシの絵を描いたときも凄くビックリされたんですよ。

普通の人だったらもっと遠目から見た自然の風景を描くと思うんですけど、

私はなんかこのダンゴムシとジャリと落ち葉に魅力を感じて、こんな絵になりました。

 

村上

ダンゴムシのどこに魅力を感じる?

 

西村

カッコよさですね。

 

村上

カッコいい…よね(笑)。

王道でいうとカブトムシとかクワガタとかスズメバチって、いかにもカッコいいシルエットになって

見栄えもするしパワーも感じるんだけど、ダンゴムシって…。

 

西村

でもなんか良いんですよね。

 

村上

あと最後にこれも聞いてみたかったんだけど、西村のモノづくりのモチベーションってどこから来てる?

 

西村

やっぱり自分を成長させる事が好きなので、それが全てのモチベーションの基礎になってますね。

最終的に一人で全部やれるクリエーターになりたいっていう目標があるから

モチベーションが維持できるのかも知れないです。

 

村上

将来のビジョンが明確だからこそあとは突っ走るだけっていう理想形だね。

ではこれからもまだまだ色んな手法を試すことになると思うけど、ぜひ頑張って下さい。

では今日はありがとうございました。

 

 

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2019年10月7日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズ Vol.11~伊藤舞と「Japan Expo」について語るの巻 Part 2~

ゼミ通ヒーローズ11伊藤舞2_ページ_1_画像_0002
ゲームジャムの会場でゲームを試遊する伊藤さん(左)

 

村上
似顔絵と言いながら、ただ単に似せるんじゃなくて「キャラクター化する」ていう考え方が人気の要因だったのかも知れないね。

フランス人からしたら、せっかく日本からアーティストが来てるんだし、似てる絵を描いてもらうよりはジャパニーズ萌えキャラ風にアレンジしてもらったり、日本人であることの価値を求めて来てる印象はあったね。

 

伊藤
確かに、可愛くとか格好良くとか、そういうディフォルメがあったから人気があった気がします。ステージのイベントでも似顔絵やりましたしね。

 

村上
フランスで、25 万人が来る会場のステージを使って、

セーラー服を着て似顔絵描くんだから、そりゃ大勢見に来るよね。

 

伊藤
セーラー服はともかく本当に貴重な経験をさせてもらいました。その時はもう必死でしたけど、後から写真を見返してみて「あ、こんなことやってたんだ」てなりました。

 

村上
あとはエヴァンゲリオンの新作のプロモーションも重なって、日本のキャラクターコンテンツの力を見せつけられたね。

 

伊藤
ゆるキャラとかアイドルとか。

あとはゲームのエリアだけでも凄い密度が高かくて全然先に進めないっていう。

任天堂のブースがとにかく大きくて豪華で、試遊の行列も長くて、
任天堂ブースだけでビットサミット一個分丸ごと入るくらいの規模で圧倒的でしたね。

 

村上
なんかゴリラみたいな体型で黒服サングラスのボディガードが大勢並んでて…あんな光景ギャング映画でしか見たことない(笑)

 

伊藤
ゴリラて(笑)。

ポケモンとかゼルダとか新作の試遊で並ぼうかなと思ったんですけど、

人が多すぎて諦めましたね。

 

村上
我々が最初にJapan Expo に参加したときは、

「スプラトゥーン」が目玉商品で、会場はとんでもないことになってたよ。

あの時の様子を思い出すだけでも鳥肌立つもん。

 

伊藤
「スプラトゥーン」ですか!?それはかなりヤバいですね。

どんな騒ぎになったか想像つかないです。

 

村上
でも実際どうだった?任天堂の主力商品としては

「マリオメーカー2」と「ルイージマンション3」と「ゼルダの伝説夢をみる島」

ってことで、日本で見たら「ああ、新作ですな」で終わるんだろうけど。

 

伊藤
異国の地で日本のコンテンツにあれだけの人が群がるところを見ると、

改めて「日本って凄いんだな」て思いましたね。

 

村上
外に出て初めて知るってことあるよね。

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村上
さて、今度は伊藤の作品について触れていこうかな。

 

伊藤
まだ2年生だし勉強中なので何とも言えないんですけど、

とにかく丁寧に仕上げることを意識してますね。

まだまだ構図だったりキャラクターのデザインだったり、

そういうところはまだ勉強中なんですけど、

最終的に仕上げる段階で雑なところって直せるじゃないですか。

そういう自分で直せるところはできるだけ面倒臭がらずに

全部直そうとは意識してます。

「高解像度」ってよく言われますね。絵の雰囲気が。

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ゼミ通ヒーローズ11伊藤舞2_ページ_4_画像_0001

 

株式会社Happy Elements との合同授業「ゲーム制作特殊演習」での課題作品

 

村上
伊藤の作品はとにかく繊細で丁寧な印象を受けるね。メインのツールは何?

 

伊藤
Clip Studio です。

中学生の頃からずっとClip Studio を使ってたので、

将来のことを考えてというよりは、昔から使ってたからその流れで今も使ってるっていうだけですね。

今はClip Studio が主流になってきてラッキーって感じです。

 

村上
最近だとスマホアプリのibisPaint が流行ってるね。

以前学生が授業中にスマホをいじって凄いスピードで両手の親指を動かしてるから、てっきりゲームで遊んでるのかと思ったら実は絵を描いてて驚いた。

しかも割とクォリティの高い絵をサクサク描いていくんだよね。
あれを見たとき時代の変わり目を感じたね。

 

伊藤
先日のオープンキャンパスでもそれは思いました。

高校生のほとんどがibisPaint で絵を描いてるんですよね。

「絵見せて」て言ったらみんなibisPaint を起動させるんです。

私が対応した高校生たちがたまたまそうだったのかも知れないんですけど。

 

村上
この間うちの小4 の娘からも「ibisPaint 入れて」ってお願いされて、

何でそんなの知ってるの?って聞いたらYouTube で見たって。

普通に発光レイヤーとかクリッピングマスクを使いこなしてて、

なんだか凄い時代になったなぁって思ったね。

 

伊藤
あれ結構本格的に描けるんですよね。

学生もiPad で絵を描くのが主流になってきてますしね。

もうパソコンすら使わないっていう。

 

村上
伊藤が描く絵ってキャラクターがメイン?

 

伊藤
そうですね。将来的にもキャラクターのイラストでやっていけたらとは思ってますけど、まだ具体的にどの企業でどんなことをして、というビジョンはなくて、作風も含めてまだ模索中ですね。

企業のこともよく分からないので、いくつかの会社のインターンシップに応募している段階です。

村上
2 年生からインターンか。偉いね。

 

伊藤
先生が応募しろって言ったじゃないですか(笑)

 

村上
ゲームのデザインって言っても、キャラクターだけで構成されてるわけじゃないしね。背景がありUI がありエフェクトがあり。

また演出のことも理解しないといけないし。

だからキャラクターだけ描けてもねぇ、というのを理解してほしくて早い段階でのインターン参加を勧めてるんだよね。

 

伊藤
世界観の表現みたいなものも勉強していかないと、とか、表現手法の幅を広げたくて焦ってます。

 

村上
なるほど。伊藤の拘りのポイントって何?さっき「丁寧さ」て言ってたけど、プロの世界ではそんなことは当たり前なので…。

 

伊藤
見本になる好きなイラストレーターさんの絵とか、好きなゲームのキャラクターの絵とか、そういうのを参考にしてずっと描いてきたんですけど、

本当にありそうな感じっていうんですかね、商品化されてるゲームの中に本当にいそうなキャラクターっていうのを意識してますね。

でもまだ自分らしさがどこにあるかは見つけられてないです。
ちゃんとデッサンを始めたのは美術系の高校に入った頃からで、授業以外にも居残りして描いてたりとか。

大学に入ってから他の課題に追われてあまりデッサンが出来てないですけど…。

 

村上
人生哲学ってある?

 

伊藤
高校の時に、クラスにものすごく絵の上手い人がいて、ずっと徹夜をしてクォリティを追い求めてるんです。

とにかくすごい頑張り屋さんだったので、その様子を見ながら、自分ももっと頑張らなきゃって思って色々なプロジェクトの参加やコンペの応募をしたりしましたね。

やらない理由がなければとにかく全部やろうかなって思ってます。

 

村上
それはポジティブな理由でいいね。やる理由がなければやらない、ていう言い訳ははよく聞くけど。

 

伊藤
生きざまとか人生哲学ってほどではないですけど、そういう自分の中にある行動指針みたいなものは持ってます。

 

村上
自分も、残り人生の時間を考えると、とにかく色々首を突っ込んでみようとは思うね。

とりあえずやってみたら何らかのネタにはなるだろうし。

ネタ探しのための人生って感じもするね。

他の人にはない経験をたくさんしたくて。

 

伊藤
色々ネタ持ってますよね。海外旅行で銃を向けられたりとか(笑)

 

村上
あれは単にテロリストに間違えられたからだな。

「あそこの人怪しいですよ」って誰かが通報したんだと思う。

 

伊藤
人相悪いですもんね。

 

村上
ハッキリ言うね。

でもそういう経験から、実際に銃を向けられたらどんな風に目線が泳ぐかとか、ネットで調べても分からない情報が蓄積するわけでしょ。

絵を描くにしても企画をするにしても、役に立たない情報はないからね。
ゲームゼミにはアグレッシブな感じの学生が多いし、皆で色んな経験をして色んなことを吸収していってくれたらいいんじゃないかな。
ではそろそろ時間なのでこの辺でお開きにしましょう。

今日はありがとうございました。

 

伊藤
ありがとうございました。

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