キャラクターデザイン学科

2019年12月

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2019年12月12日  ニュース

北村龍平監督の特別講義が行われました!

11月29日(金)、「映像技法」の授業にて、映画監督である北村龍平先生の特別講義が行われました。

実写映画「ルパン三世」「あずみ」等、数々のヒット作を生み出してこられた北村監督には、
毎年キャラクターデザイン学科にお越しいただいています。
今回は司会進行に村上先生、そして映像技法の授業をご担当いただいている山岡先生と
北村監督との対談形式で講義が進められました。

 

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最初に北村監督のこれまでのご活躍を振り返る軌跡をプロモーションビデオを拝見。

そして「あずみ」や「ダウンレンジ」の制作の振り返りから始まり、制作者として常に大切にしておられる事を、
学生にも分かりやすい形でたくさん語っていただけました!

 

「失敗してもいい。ストーリー、キャラクターを描けと言われたら描く。」

 

「モノを作る上で、ネガティブとか覇気がないのはダメ。

ただしネガティブになるなら徹底的に。追求したら結果的に良いものができる。」

 

「僕が言うコミュニケーション能力=社交性ではない。

助けてくれる人と、がっちりモノを作れるか。人間は自分一人だけでできる事は何一つない。

僕は今まで沢山の人間に助けてもらってきたけど、なぜ助けてもらえたかというと、

周りに極めて明確に『僕はこうしたい』と伝えてきたからです。」

 

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↑これまで積み重ねてきたご自身の経験から、熱い想いを語られる北村監督。

 

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↑山岡先生も北村監督のお話に熱く耳を傾けられ、ポイントとなるワードをホワイトボードに書き出していきます。

 

授業後半は、監督にとっての「人間力」についてお聞きしました。

「人を巻き込む力。上辺じゃなくて本気なんだとアイデアを出し、真実性を見せること。
簡単に言うと『可愛げ』。」

 

まず「作りたい」という意思を見せ、そして「何を作りたいか」を明確に伝えることによって、

周りの人間もついてきてくれると話される監督。

学生へのメッセージとして
「皆さんも人間力を磨いてください。いつか一緒に仕事をしましょう。」
という温かいお言葉もいただけました。

 

そして授業の最後には、北村監督の新作映像の一部をいち早く発表。
映像を見た先生や学生の席からは思わず感嘆の声も漏れました。

今後のご活躍にますます期待が高まります!

 

 

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「人間力」を養うことがコミュニケーションを広げ、結果的によい作品づくりに繋がる。

今回の講義は学生にとっても大きな勉強になったのではないかと思います。

北村監督、この度はご多忙の最中のご来学、本当にありがとうございました!

 

 

○●北村龍平監督 主な作品プロフィール●○

2001年、ウルトラバイオレンスアクション「VERSUS -ヴァーサス-」でデビュー。

その後

「スカイハイ 劇場版(2003年)

「あずみ(2003年)」

「ゴジラ FINAL WARS(2004年、東宝)」

「ルパン三世(2014年)」

「ダウンレンジ (2017年)」

等、数多のヒット作を手掛けている。

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

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2019年12月10日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズVol.16「北園胡々里とアナログゲームについて語るの巻」 Part2

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村上

で、今年は学生作品展でも張り切ってアナログゲームを二つも作ったわけだけど、

ここからはそのゲーム作品の話を聞いていこうかな。

 

北園

今回は「TOTTEN」と「魔女のお茶会」という二つのゲームを作ったんですけど、

TOTTEN」の方は、正直悔しいんですよ。やりたいことが出来なかったんで。

どうしてもプレイ時間が想定よりも長くなってしまって、

そこの調整がうまくいかなかったっていうのと、

見た目のクォリティもそうだし、

とにかく自分の理想の形には程遠くてとにかく悔しいんです。

 

村上

なるほど、ルールを紹介してくれる?

 

北園

うーん、ちょっと説明が長くなるんですよね。

 

村上

ルールの説明を短くまとめられないってことは、そこにシステムの欠陥があるんだよ。

 

北園

はい、仰る通りです(笑)。

まずこれは、ジャンケンの要素と人狼の要素を合わせて新しい面白さを追求してみたかった、

ていうところから企画が始まったんです。

ジャンケンゲームで「1対複数人」っていう要素に面白さを見出せないかと思って。

最初のジャンケンバトルの時に複数人側の人たちはチームとして戦うわけですけど、

次のバトルでは敵同士になってしまうので、

一度手の内を見せ合った状況でどんな駆け引きを展開するのかっていう点が見どころでした。

でもそこに力を入れすぎて周りが見えなかったっていう、

私の詰めの甘さが出てしまいました…。

 

村上

狙いは良かったんだけどなぁ。

この企画に対してこちらからGOサインを出したのは、

ルールの面白さというよりも、テストプレイをしてるときのゼミ生たちの盛り上がり方が凄かったから。

ここまで感情を揺さぶる仕組みなら面白いだろうと判断したんだけど、やっぱり難しかったね…。

じゃあ、もう一つのゲーム「魔女のお茶会」の方を聞かせてくれる?

 

北園

「魔女のお茶会」は、まず、★が1から5まで書かれたカードがあって、

それぞれに毒々しい魔女のスイーツのイラストが描かれています。

この★は毒の危険度を指すんです。

このカードを相手に受け渡して、最終的に★が一番少なかった人の勝ちという単純なルールです。

 

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学科展に出品していたアナログゲーム「魔女のお茶会」

 

北園

まず相手にカードを伏せた状態で一枚差し出して、

「これは危険度が3です。いりますか?」というように聞いて、相手は「いる」か「いらない」を返答するんです。

このとき提示された数字が本当かどうかは相手には分かりません。

★が5の危険なカードを受け取ってほしいから「1です」と嘘を言って受け取らせるでもいいですし、

信頼させるために中途半端に「3です」と言って迷わせるのもアリです。

「いる」を選んだらそれは相手のカードになるんですけど、

まだ伏せたまま相手の所にストックされます。

なので★がいくつのカードを受け取ったのかは分からないままなんです。

「いらない」を選んだら、こっそりカードを見ることができます。

そしてそのカードをまた別の人に★の数と一緒に提示します。

…ということを繰り返していって、最終的に一番★の数が少ない人が勝ち、多い人の負け、

というルールになっています。

で、もし全員が「いらない」と言った場合は、そのカードは自分の所に戻ってきます。

言葉だけで説明すると難しく聞こえるんですけど、

実際に一周遊んでみると簡単なルールだって分かってもらえるので普通に遊んでもらえます。

 

村上

ルールはシンプルでいいね。

これを初めての人に一言で説明するとしたら何て言う?

 

北園

「少ない情報でいかに人を騙すか」を楽しむゲームですね。

 

村上

なるほど。これって、例えば今自分の手元に★が12のカードしかない場合、

これを誰かに受け渡すと★の数の大きいカードが自分の所に回ってくる可能性があるから、

何もせずにパスしたいんだけど、パスはできないのね。

 

北園

パスはできません。なので、★1のカードを相手に渡して、

全員が拒否してまた自分の所に戻ってくるように、いかに騙すかが重要になってくるんです。

 

村上

たらい回しにされることを想定してゲームを進めると。

でも「1です」と言ったら相手は当然欲しがるよね。

 

北園

いや、嘘かも知れないのでそうとも限りません。

「これは1です」って言われたら、大抵は5なんじゃないかと疑うはずなんです。

 

村上

確かに。悪いカードを相手に渡すゲームだしね。

 

北園

そうなんです。なので、相手の表情とか、

相手が今までに提示してきた数から推理していくんです。

 

村上

これを初めてプレイさせてもらったときに、ゲームの仕組みは単純で面白いと感じたんだけど、

同時に勘の要素が強すぎるのかなって思ったのね。

「こいつ1って言ってるけど、本当は23のどちらかに違いない」っていう絞り込みがある程度できて、

その想定範囲内でのランダム要素という形にとどめられるとゲームとしての駆け引きが熱くなると思う。

ところが1から5の中のランダムなので、振り幅が大きすぎるんじゃないかと感じた。

 

北園

それもあったので、カードの背面に色をつけて奇数と偶数で分けるとか、

ある程度絞り込めないかと工夫したこともありましたね。

 

村上

そうだね。何かもう一つビジュアル面も含めての工夫があればもっと面白くなったかな。

でもこのゲームで気になったのは本当のその部分だけで、基本的にはすごく良くできてると思う。

 

北園

あ、でもですね、ゲームバランスの面については

何度かイラストゼミのAさんとSさんを巻き込んでテストプレイをしたんですけど、

Sさんが★5しか取らないっていう現象が起きまして。

ていうのもSさんは純粋すぎて、「これ1だよ」って言ったら全部真に受けて取っちゃうんですよ。

で、回数を重ねるとその人の性格が分かってきて、遊び方が見えてくるんですね。

逆に言うと、回数を重ねないと成立しないゲームになってるっていう(笑)

 

村上

俺は一回しか遊ばなかったから「ランダム要素が強すぎる」って言ったけど、それじゃ分からなかったわけか。

 

北園

そうなんです。10戦中9戦はSさんの負けだったので(笑)、

単にランダムなのではなくて性格や戦術が反映されるゲームになってるってことなんです。

一度Sさんの後ろに立ってテストプレイの様子を見てたことがあるんですよ。

そしたら、Sさんの持ってる1は全部他の人に取られていって、Sさんのところに45だけがどんどん溜まっていくんです。

Aさんは物凄くうまいんですよ。あいつポーカーフェイスが得意で「人狼」もうまいんで。

 

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村上

このゲーム、対戦相手の表情だけで状況の判断はできる?

 

北園

意外とできましたね。

 

村上

あ、そうか。

1と言われて「いらない」って言った後でそれが本当に1だった時とか、あからさまに表情に出るもんね。

「いるって言っときゃ良かったー!!」って。

じゃあ「5ですよ」って言って渡される場合はどうなる?

 

北園

そのときは本当に5の場合が多いですね。「5です」と宣言したときは5とか4とか結構上の数字なんですよ。

もしくは意表を突いて1ですね。3とか2という言い方をするプレイヤーはほとんどいなかったです。

 

村上

5とか4と言われると、当然それを受け取るのは嫌だし、逆に1ですと言われると「こいつ嘘ついてるな」ってなる。

となると、「いらない」と言った方が得だと。で、最終的にたらい回しにされて良いカードが自分の所に返ってくる。

 

北園

そうです。繰り返し遊ぶと徐々にそのパターンになっていきます。

あと「いらない」って言い続けると情報が収集できるんですよ。

カードが自分のところを素通りしていくんで。その繰り返しで勝率も上がっていきます。

その他には、カードを手渡すときに二度見する人がいるんですけど、

二度見というのは確認行為なので大抵嘘ですね、とか。

 

村上

と考えると、全て北園の狙い通りのゲームデザインになってたってことになるね。

 

北園

ですよ。全て狙い通り(笑)。

 

村上

このゲームはどこから企画を始めた?

 

北園

私いつもトランプを持ち歩いてるんですよ。トランプって大体何にでも活用できるんで。

で、トランプって1から13まであるじゃないですか。

これが制限されたらどうなるんだろうって思って、そこから考え始めたんですよ。

「数少ない情報から何かを読み取る遊び」というコンセプトを立てて、

まずカードを並べて眺めながら「15だけ並べて何か出来ないかな」って思ったのが切っ掛けでしたね。

 

村上

最もプリミティブな遊びの発想から始まって、仕組みが固まったら徐々に味付けをしていくっていうことね。

 

北園

最初は一人で考えるから余計にそう思うんですけど、制限を大きくしすぎるとつまらないんですよね。

でも一人でカードをめくってるうちに段々楽しくなってくるんです。

2!」とか言ってカードをめくって「なんだ5か」とか独り言を言いながら。

そのランダムの振り幅が大きいとただの運ゲーになるし、小さいとつまらない。

どの段階が面白いかを理解するまで独り言を言いながらひたすらカードめくりをしてましたね。

 

村上

相手がいないから読み合いも何もないね。

 

北園

単なるギャンブルですよね。いや、ギャンブルにすらなってないですね(笑)。

でもゲームの形になりかけてきてからは、

まだ設定も何もないまま絵も一切描かずにトランプだけを使ってAさんたちとテストプレイをしてました。

遊びの面白さだけを追求したかったんで余計な情報を一切入れたくなかったんです。

 

村上

慣れない人がゲームを作ろうとすると、どうしても最初はストーリーを作るところから入るよね。

でも北園はトランプだけを使ってゲームデザインを組み立てていったから、

そこで生じるたらい回しとかの体験がデザインできて、

そこから徐々に「もらって嬉しくないもの」という設定が転じて「魔女のスイーツ」の絵に繋がっていったんだね。

遊びが確定してからいつの間にかストーリーがまとまっていったっていう、企画の流れとしてはとても理想的。

 

北園

一時期「ゴキブリポーカー」にハマってたんで、ぶっちゃけ影響されてます(笑)

 

村上

「ゴキブリポーカー」のファンはうちの学生でも多いね。

で、学科展に出展したときのお客様の反応はどうだった?

 

北園

かなり幅広い年齢層の人に遊んでいただいたんですけど、

全員5を受け取らせたときのしてやったりな表情とか、

逆に受け取った時の絶望的な表情を見るのが楽しかったですね(笑)

 

村上

感情の振り幅が大きいゲームだったね。

読み合いっていうキーワードも出て来てたけど、北園にとって読み合いの面白さって何だと思う?

 

北園

「嘘をどれだけ隠せるか」って感じですかね。

話せば話すほどボロが出るんですけど、上手い人は綺麗に隠し通せるんです。

 

村上

俺「ワードウルフ」で一度も勝てた事ないんだけど。

 

北園

先生「人狼」でも勝てた事ないじゃないですか。

 

村上

そう、ああいうの苦手なんだわ。

 

北園

私はそういう系統のゲームが凄く得意だったので、やっぱり作るゲームにも影響しちゃうんですね。

 

村上

なるほどね。ところで「魔女のお茶会」は思考する類のゲームとはまた違うのかな。

 

北園

違います。思考ではないですね。「観て、得る」が基本です。

私はあんまり考えて遊んでほしくないって思ってるんです。

観ることで得た情報をもとにいかに想像を膨らませて遊ぶかが重要だと思ってるので。

 

村上

なるほど。しっかり観て、情報を取得して、そこから情報を加工するというのは、

学習する上での当たり前の行為だよね。

特にクリエイティブの領域だと、観察を通して情報の編集をしてテーマを掘り下げて、そして作品を作っていく。

そういうクリエイティブとかアクティブラーニングの基本形がこのゲームの中に濃縮されてるような気がする。

知育玩具としてすごく有用なゲームになるんじゃないかな。

思考だけだと段々パターン化されてきてゲームの面白さにつながらないんじゃないかと思うけど、

このゲームは対戦相手が変わることで戦略も変わってくるので。

 

北園

だからだと思うんですけど、テストプレイしてるときに、Sさんが連敗してたのに、最後の一回だけ勝ったんですよ。

学んだのかどうか分からないんですけど、綺麗に12だけを揃えて勝利してたんです。

 

村上

偶然なのか、学んだのか…!?

 

北園

何回も遊んでるうちに、Sさんが周囲を見始めたんですよ。それまでは自分の手元のカードだけを見てました。

 

村上

つまり全体を観察する人が勝てる?

 

北園

はい。私とAさんは、常にそこにいる全員の表情と、

その人たちのカードと、自分の手元のカードを見比べながら全体を見渡す癖がありました。

 

村上

自分のことだけを見てる人はロクでもない結果を生むけど、

一歩引いて全体を客観視できてる人は幸せになれるっていう、

人生の縮図みたいなゲームともいえるね。

 

北園

壮大な話ですけど、でも確かにそうかも知れないですね。

あとテストプレイの時にもう一人別の学生もいたんですけど、その子は「場を見る」という癖がありました。

遊ぶ人によって視点が違うっていう点に気付いて、これを含めて面白いと思いました。

観察すると情報がたくさん入ってくるので、

制作を通して視点が変わったことで私自身がたくさん学ばせてもらいましたね。

 

村上

視野のコントロールって教育上すごく重要だったりするけど、

そのトレーニング用の教材としても活用できそうだね。

なんか今回のインタビューではゲーム性とアクティブラーニングの共通点を見つける上での重要なキーワードが出てきたね。

ここは今後ももう少し掘り下げて研究を進めていこうと思います。

では今回はありがとうございました。

 

北園

はい、ありがとうございました。

 

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