2020年7月
2020年7月31日 イベント
梅雨明けをした京都からこんにちは◎
スタッフの大賀です。
8月2日(日)に開催する、1日体験授業についてお知らせします。
まずは、残念なお知らせしなくてはなりません…。
当初、受験生の方には、対面での授業を予定しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が京都府独自の「特別警戒基準」に達しため、安全を最優先し、すべてオンラインで開催することになりました。
来校を楽しみにしてくださったみなさん、ご予定くださっていた保護者の皆さん、大変申し訳ありません。
学科教職員・在校生もみなさんと会いできることを楽しみにしていたので、とても残念です…。
ですが!
オンラインでも、文芸の授業を味わっていただけるよう、準備を進めていますので、ご期待いただければ幸いです。
※詳しくは下記のページをご覧ください。
https://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/news/99
さて、8月2日(日)の授業、「ショート・ショートを書こう」。
どんな授業なのか、昨年の様子を交えてご紹介します◎
2019年度の体験授業の様子。在校生(左)と山田先生(右)。
担当してくださるのは作家の山田隆道先生。
体験授業のはじめには、物語を生み出すためのちょっとしたヒントをお伝えします◎
そして、みなさんには、レクチャーを聞いてもらった後、原稿用紙2〜3枚ほどの短い小説を自由に執筆してもらい、作品をよりよくするための意見交換をする「合評」を体験してもらいます。
昨年の体験授業後の感想では、
・授業を受けてみてワクワクした
・編集系を目指しているが、体験授業で創作をしてみたらとても楽しかった
・ここでなら夢を叶えられそう
・みんなで集中して書けたのが嬉しかった
・先生の創作の実演、在校生の作品が見れてよかった
とのこと。
Zoomを使用した体験授業でも、画面の先には参加しているみなさんが映っているので、「みんなで集中して書いている」ことを体感していただけると思います。
また、今回の体験授業には在校生も参加します◎
文芸表現学科の雰囲気・特色を感じていただく機会にもなりますので、そちらもどうぞ、お楽しみに。
時間の都合上、みなさんの作品を体験授業中にすべて読み合うことはできないのですが、希望者の方には、授業後にブレイクアウトルームという小部屋をつくって、先生方に読んでいただける場を設けますので、ぜひぜひ、ご利用ください。
8月2日は、みなさんが感じている、または視えている世界のあり様を、思いっきり書いてください!
教職員一同、どんなみなさんと作品にお会いできるのか、とても楽しみにしています◎
自信を持ってドーンと書いてくださいね!
■1日体験入学オープンキャンパス
誰でも芸大生になれる特別な1日!
文芸表現学科の授業「ショート・ショートを書こう」を体験できます。
お申し込み受付中です◎
(昨年の授業の様子はこちら)
「ショート・ショートを書こう」
担当:山田隆道(作家)
日程:8/2(日)
午前(10:30-12:00)
午後(13:30-15:00)
※オンライン(Zoom)開催いたします。
※どちらの日程も、午前・午後の時間帯をお選びいただけます。
詳細・お申し込み:https://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/oc07-05_08-02/
イベント問い合わせ:京都芸術大学 アドミッション・オフィス
電話受付時間(月曜日~土曜日 09:00~17:30)
TEL 0120-591-200(アドミッション・オフィス直通)
(スタッフ・大賀)
2020年7月10日 授業風景
こんにちは。スタッフの大賀です。
今日は、1年生必修授業「文芸表現ワークショップⅠ」のオンライン授業の様子をお伝えします◎
この授業では、文芸執筆の導入編として、小説、詩、アーティクル(記事)の3ジャンルにわたって、
読者に伝わる文章とはどんなものか、執筆を経験し、考えを深めていきます。
小説を辻井南青紀先生、詩を中村純先生、
そしてアーティクル(記事)を木村俊介先生にご担当いただき、1年生たちは3クラスに分かれ、5週ごとにそれぞれのジャンルを学んでいます。
1年生にとっては初めての演習授業なうえ、オンラインでの授業。
どのようにzoom上で学んでいるでしょうか?
今回はCクラス、アーティクルの授業回の様子を届けします◎
インタビューをして記事を書こう!-文芸表現ワークショップⅠ
アーティクルは、新聞や雑誌、WEBなど様々な媒体で掲載されている、日常に溶け込んだ文芸表現といえます。
事実に基づいた、現象・状況・存在を伝えるために書かれており、「取材」が核となってくるジャンルです。
そんな取材を、学生たちはオンライン上でどのように実践しているのか。
アーティクルを担当してくださっている、木村先生に伺いました◎
ブレイクアウトルームを活用した学生同士のインタビュー。木村先生からのレクチャーがあったのでしょうか。学生たちの表情は真剣です。
■先生にとっても1年生にとっても、初の授業がオンラインとなりましたが、
オンラインでの取材で、気をつけていらっしゃることはありますか?
新入生に向けた、少人数制(約十六人)の「文芸表現ワークショップ」で、取材記事を書くための授業をしています。
入学以来、オンライン授業が続く皆さんにとって、人と会い、話を聞く意義は、特によく考えていることのはず。
そう思い、インタビューの実践を少しでも深めてもらおうとしています。時には、ノートを取らなくていいから、人の話にすっぽり入り込んでみる「傾聴」に重きを置くなど、集中して向き合うことが得意なオンライン授業を活かした試みをしているのです。
それらの試みを通して、良い意味で緊張感のある「その時だから聞けた声」を受けとめられている気もします。
ある学生の方からは、次のようなご感想をいただきました。
「クラスにて、リレー形式でインタビューをしたのが、とても心に残っています。たった一つや二つの質問で、こんなにも人の心を覗いた気分になったのは初めてでした。心の距離が短くなるのを感じ、嬉しかったのです。質問を一対一で投げて返してでなく、全員でパスするというのに、とても魅力を感じました。点と点が繋がり線になるだけでなく、それが輪になったので」
直に会えないからこそ、授業中のインタビューにも夢中になって入り込んでくれるという学生の皆さんのきらめきを、眩しく感じているところです。
木村先生、ありがとうございました◎
授業で使用しているZoomは、何十人が参加していたとしても、声の大きな人がいれば、その人の声だけが通信されてしまいます。
対面のとき以上に、何かの音や声で、音がかき消えてしまうオンラインの授業では、より静かにその声を受け止めることが先生にも、学生にも求められています。
そんな場での「傾聴」。
まず落ち着いて、相手の発することに心を傾けてみる。
そうした実践を通して、学生たちは、受け取った分だけ、考えや感受性が深まっているのだろうと、授業の様子をお聴きして感じました。
「傾聴」はインタビューのみならず、文章を読み解くことにも大切なことです。
語り手は何を語ろうとしているのか。語り手に何が起きたのか。語り手はどうしたいのか。
物語の中だけでなく、日常にはより、他者のことばや声、表情を受け止める機会が溢れています。
学生たちはインタビューの授業で、傾聴の面白さを得られているようです。
深い「傾聴」を体験した学生たちが書く記事は、どんなものになるのでしょうか。
楽しみです◎
イベント情報−−−−−−−−−−−−−−−
■1日体験入学オープンキャンパス
誰でも芸大生になれる特別な1日!
文芸表現学科の授業「ショート・ショートを書こう」を体験できます。
毎回すぐに満席になってしまうので、お申し込みはお早めに◎
(昨年の授業の様子はこちら)
「ショート・ショートを書こう」
担当:山田隆道(作家)
日程:8/2(日)
午前(10:30-12:00)
午後(13:30-15:00)
※オンライン(Zoom)と対面型授業(受験生限定)で実施予定です。
※どちらの日程も、午前・午後の時間帯をお選びいただけます。
詳細・お申し込み:https://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/oc07-05_08-02/
イベント問い合わせ:京都芸術大学 アドミッション・オフィス
電話受付時間(月曜日~土曜日 09:00~17:30)
TEL 0120-591-200(アドミッション・オフィス直通)
(スタッフ・大賀)
2020年7月8日 ニュース
タイトルから、どきっとさせられる『そして、みんなバカになった』。
2019年に亡くなられた作家・橋本治さんの、2000年以降のインタビューが収録された本作には、
インタビュアー・木村俊介先生のインタビューも収録されています。
今年4月に発売されて、現在は第4刷まで重版されています。
その第4刷の帯には、木村先生がインタビューされた
「「アタマ」を失くした日本のゆくえ」で語られた、橋本さんのことばが記載されています。
「わかろうと背伸びして、わからないことを咀嚼する中でしか物事はわからないところがある。そういう背伸びを拒絶するようになったら、人間はもうおしまいなんです」
どんな問いかけにも自身のことばで応える橋本さん。
けれど、インタビュアーや問いかけの違いによって、話の内容だけでなく、発せられる声も異なっている。
ある問いかけには、幼少の記憶が。
別の問いかけには、日本の教育や企業についての私見が。
「問い」によって、いろんな橋本さんが立ち現れてくる。
小説・戯曲・評論・エッセイ・古典の現代語訳・浄瑠璃などの古典芸能の新作など、
多彩な執筆活動のなかで培われた、マクロにもミクロにもなる橋本さんの視点を知れる本作は、
インタビュー(聞き書き)の奥深さも感じ取れる一冊となっています。
小説と純文学の違いなど、文芸表現についても言及されていますので、
ことばで物事・人を描く、文芸表現に興味をお持ちのみなさんにも、ぜひ読んでいただきたいと思っています。
気持ちが落ち着いた暇に、お手にとっていただければ幸いです。
著 橋本治
聞き手 木村俊介 他
定価 924円(本体840円+税)
発行 河出書房新社
発売日 2020.04.27
判型 新書 240ページ
ISBN 978-4-309-63119-6
イベント情報−−−−−−−−−−−−−−−
■1日体験入学オープンキャンパス
誰でも芸大生になれる特別な1日!
文芸表現学科の授業「ショート・ショートを書こう」を体験できます。
毎回すぐに満席になってしまうので、お申し込みはお早めに◎
(昨年の授業の様子はこちら)
「ショート・ショートを書こう」
担当:山田隆道(作家)
日程:8/2(日)
午前(10:30-12:00)
午後(13:30-15:00)
※オンライン(Zoom)と対面型授業(受験生限定)で実施予定です。
※どちらの日程も、午前・午後の時間帯をお選びいただけます。
詳細・お申し込み:https://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/oc07-05_08-02/
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(スタッフ・大賀)
2020年7月6日 イベント
7月5日(日)の「エッセイを書こう」にご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました!
体験授業史上、初めてのオンライン開催。
「どれくらいの人が参加してくださるのかな…」とドキドキしていましたが、
当日は午前・午後ともに、たくさんの方にご参加いただきました◎
オンラインでの体験授業は、PCやスマホなど、接続機器の準備や使用の練習など、
皆さんや保護者の方々のご協力を、いつも以上にいただいたからこそ開催できました。
そういった条件にも関わらずご参加いただけたこと、学科一同、有難いことと感じています。
本当にありがとうございました。
今回の授業では、日常の機微を描く<エッセイ>の執筆と合評を体験してもらいました。
また、参加してくださった方の、それぞれの日常が流れている、それぞれの場所から、それぞれの日常をみんなで読む、という空間を超えた交流も体験していただけたのかな、とも思っています。
それこそ、切実な想いが込められた本を読んだときのように。
友人と観た夕日、持て余した暇な時間、6月を想起させる雨についてなどなど。
当たり前だけど気づきにくい、皆さんにとっての大切な日常を、みんなで受け止めた温かな時間だったと思います。
授業を担当してくださった小説家の辻井南青紀先生は、皆さんの様子をこう受け止めておられました。
-授業内で語られた辻井先生から皆さんへのコメント
「作品をお書きになって、それをちゃんと受け止めて、ただ褒めるってだけじゃなくてね、どう聞き手として、受け手として聞いたのか、受け止めたのかということもちゃんとコメントされていた。とってもこういうことが大事だと、我々の学科は思っています。書きっぱなしとか、読みっぱなしではないんですね。こうやってお互いの書いたことをキャッチしながら、高めていく。よりいい方向に進めていこうとする。よりいいっていうのは、どうやったらもっとよくなるんだろう、もっといい作品になるんだろうか、ということを根本的に考えていく。こういった営みをずうーっと続けていくことが、この学科の学びだろうと思います」
また、他者へ自分のことばを贈る、そんなことを考えながら書く時間は、とても大事な時間になったのでは、とも。
執筆時間、画面には皆さんが執筆されている様子が流れていたと思います。
書き手になっているときに、読み手が目の前にいる。
日記とは違い、読まれるということを意識したとき、いつもと違ったことばが思い浮かんだのではないでしょうか。
この授業での実感を、皆さんの日常のなかでも活かしてもらえたら嬉しいです。
※8月2日(日)は受験生対象で対面型授業も予定しています。
体験授業を8月2日(日)にも開催します◎
次回の授業は、作家の山田隆道先生がお送りする「ショート・ショートを書こう」です。
原稿用紙2〜3枚ほどの短い小説を自由に執筆してもらいつつ、物語を生み出すためのちょっとしたヒントを学びます。
在校生も参加しますので、文芸表現学科の雰囲気・特色を感じていただく機会にも。
時間の都合上、体験授業中にすべての作品を読む合うことはできないのですが、次回も希望者の方には、授業後にブレイクアウトルームという小部屋をつくって、先生方に読んでいただける場を設けますので、ぜひ活用してくださいね。
それでは8月も皆さんにお会いできることを願って。
皆さんのご参加を学科一同、心よりお待ちしております◎
(もちろん、8月からのご参加もお待ちしています◎)
■1日体験入学オープンキャンパス
誰でも芸大生になれる特別な1日!
文芸表現学科の授業「ショート・ショートを書こう」を体験できます。
毎回すぐに満席になってしまうので、お申し込みはお早めに◎
(昨年の授業の様子はこちら)
「ショート・ショートを書こう」担当:山田隆道(作家)
日程:8/2(日)
午前(10:30-12:00)
午後(13:30-15:00)
※オンライン(Zoom)と対面型授業(受験生限定)で実施予定です。
※どちらの日程も、午前・午後の時間帯をお選びいただけます。
詳細・お申し込み:https://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/oc07-05_08-02/
イベント問い合わせ:京都芸術大学 アドミッション・オフィス
電話受付時間(月曜日~土曜日 09:00~17:30)
TEL 0120-591-200(アドミッション・オフィス直通)
(スタッフ・大賀)
2020年7月3日 インタビュー
こんにちは、スタッフの大賀です
今日は久々となりました「先生紹介」をお届けします◎
今回ご紹介するのは、7月5日(日)に開催する「1日体験授業(オンライン)」を担当してくださる、
小説家の辻井南青紀(つじい・なおき)先生です。
【先生紹介05】小説家・辻井南青紀先生
文芸表現学科の授業のなかで、辻井先生には<小説>についてお教えいただいています。
そもそも小説とは、どんな表現なのか、どんなコトやモノが表現されてきたのか、どうのように表現するのか。
「百讀」という授業では、古今東西の名作読み深め、
「表現メソッド」では小説の構造を理解し論理的に物語を構築していく術をお教えいただき、
映画学科との協同授業「映画と文芸」では、映像表現と文章表現それぞれの表現を捉え直し、
表現の本質を自身で考察していく場を設けていただいています。
今回の体験授業で辻井先生には、思ったことや見聞きした物事を書いて、
自由に「気持ち」や「心情」を表現する<エッセイ>についてお教えいただきます。
ことばでフィクションの世界を描きだす小説家の先生にとって、現実の日常を描く<エッセイ>の魅力とは。
まずは、先生の専門領域である<小説>とその魅力についてお訊きしました。
■先生の専門領域である<小説>とその魅力について教えてください。
たとえば映画や演劇など他の表現領域だと、誰か他のひとと力を合わせて何かを作るということが必要になってくるし、そのことがうまくできないと、そこから先へ進めない、ということに陥りやすいですが、小説の場合はほとんどすべて「自分」が頼りです。
もちろん助言を得たりする機会は重要ですが、最終的には、どこまでいっても「自分」次第です。ここがしんどくもあり、究極の自由を感じるところでもあります。
この「自分」というものが、なんとも厄介です。他者に認めてもらいたいという「承認欲求」にまみれていて、ちょっと甘やかすとどこまでもつけあがるし、すぐ「自分」自身に酔いしれる。
だからこそ、有史以来書かれてきたすべての小説=物語が、最終的には「自分」のものではなく、これを読むだろう、「今」「ここにいない」=「いつか」「どこか」にいる「他者」、に向かう何かだということが、とても重要だと感じます。
では、いったい、何を、どのように書けばいいのか? どうすれば、少しでも価値ある何かになって「いつか」「どこかにいる」「誰か」にとって意味のあるものになるのか?
ほんとうはまったくわからない、というのが本音で、その答えを探し続けています。
小説家としてデビューされた後も「書くこと」について真摯に向き合う辻井先生。
自身を頼りにし、けれどときに突き放し、律することが要求される「書く」ということ。
そんな書き手である先生が、読み手となったときに、どんな視点で作品をご覧になられているのか。
オススメの小説をお訊きしました◎
■辻井先生のおすすめ小説を教えてください
『悪霊』(フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー/江川卓訳/新潮文庫)
日本では明治維新の時期(明治六年)に書かれたロシアの長編小説で、当時の革命をめぐる若者たちの群像劇です。21世紀の今読んでもまったく古さを感じさせないのは驚異的なことですが、優れた小説とはみなそうなのかもしれません。読んでいて、“ここに人間の世界そのものがある”と感じさせる、凄みと普遍性を備えた傑作です。
『城』(フランツ・カフカ/原田義人訳/青空文庫)
測量技師の主人公Kは、「城」と呼ばれている場所へ行かなければならないのですが、ほんとうにいろんなことがあって、どうしてもたどりつけない、という不思議な小説です。主人公の、前へ進むのでも後退するのでも横へ逸脱するのでもない、なんとも不思議な道行きを、様々な人物が邪魔したり味方したり、あるときはなにも寄与しなかったりする。筋立てを追うだけだと退屈するかもしれませんが、この作品の中に「映り込んでいる」ともいうべき、われわれが生きているこの世界のありようの不可思議さ、奇妙さ、驚嘆すべき何か、それらそのものが醍醐味であるような小説です。
フィクションである小説のなかでも、現実と共通する真実や世界に触れられる。
フィクションとノンフィクションは隔たれたものではなく、地続きであるということが実感できる作品をお教えいただきました。
最後に、体験授業でお教えいただく<エッセイ>について。
文芸表現学科では小説をはじめ「創作」について学びたいという学生が多くいます。
「創作」を学びたいという人にとって、日常を描く「エッセイを書く」ということは、
どう「創作」に活きてくるのか、先生のお考えをお訊きしました。
昨年の「エッセイを書こう」の様子。
■小説家である辻井先生だからこそ感じる、エッセイの魅力を教えてください
実は、エッセイとか随筆といったもののエッセンスは、物語を創作する営みの根本にある何かと、同一だと思います。
そこには、「思うことを思うままに」「今」「ここで」「自由に」「語る」という、何かを言葉で表現しようとするときに必要な諸条件が、すべて揃っています。
物語創作の作業に慣れてくると、忘れてしまいがちな感覚があります。たった今申し上げた、「思うことを思うままに」「今」「ここで」「自由に」「語る」、という、表現することの直感的な歓びの感覚です。この息吹を忘れないためにも、自由にエッセイを書くという経験は、ぜひとも必要だと感じます。
また、エッセイというのは、読者の共感を呼び覚ますために書かれるものです。この点において、エッセイは読者という「他者」に限りなく近づいて、価値ある何かになることができると思います。
今回の体験授業では、同じ一つの教室に、何かを言葉で表現したいという志のあるひとたちが集まります。言い換えれば、集まったひとの数だけ真摯な読者がいる、という状況です。エッセイというジャンルを通して、自由に何かを語り、読者に向かって近づいていく、という経験を、一緒に深めてゆきましょう。
辻井先生、ありがとうございました◎
「何かを言葉で表現しようとするときに必要な諸条件が、すべて揃ってい」るという、<エッセイ>。
7月5日(日)の体験授業『エッセイを書こう』では、実際にみなさんにエッセイを書いていただきます。
体験授業では、辻井先生だけでなく、これまでご紹介した文芸表現学科の先生方、学科長で文学研究者の河田先生、そして参加してくださるみなさんと、みなさんのエッセイ作品を読む時間も設けていますので、お申し込みいただいている方は、どうぞお楽しみに。
お申し込みがまだの方も、定員を増やして、7/4(土)24時まで受け付けていますので、まだまだ応募をお待ちしております◎
「オンライン(Zoom)で不安だ…」という方もご安心くださいね。
授業までにZoom練習の機会を設けているので、授業までにZoomを使いこなしちゃいましょう。
それでは、皆さんにお会いできるのを学科一同、心よりお待ちしております〜!
■1日体験入学オープンキャンパス(オンライン)
誰でも芸大生になれる特別な2日間!
文芸表現学科の授業、「エッセイを書こう」「ショート・ショートを書こう」を体験できます。
毎回すぐに満席になってしまうので、お申し込みはお早めに◎
日程:7/5(日)「エッセイを書こう」担当:辻井南青紀(小説家)
8/2(日)「ショート・ショートを書こう」担当:山田隆道(作家)
※オンライン(Zoom)で実施します。
※どちらの日程も、午前・午後の時間帯をお選びいただけます。
詳細・お申し込み:https://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/oc07-05_08-02/
イベントへの問い合わせ:京都芸術大学 アドミッション・オフィス
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