映画学科

高原の日常6 ~演技っていうのは~

こんにちは。映画学科研究室です。

 

映画学科は、俳優が稽古をする「稽古場」と呼ぶ教室をもっています。

特に、高原校舎から少し離れたところにある「稽古場A」は、室内の一辺が鏡張りの明るい空間。

学生達は、自分たちの姿がどう映るのか確認しながら稽古ができます。

 

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3密を回避して行うことがとても難しい「演技」。

映画学科の俳優の授業時間割も、後期に移動したものもありますが、2年生向けの俳優演技は、オンラインであることを武器に展開しています。

 

俳優・水上竜士(みずかみ りゅうし)先生の授業です!

 

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1年次の授業では理学療法士の先生をお招きして俳優としての身体の使い方を教える時間を取り入れ、

オーディションで勝つために某有名な事務所でスカウトなどのお仕事をされているゲストを招いた模擬オーディション授業を考案した、俳優コースの参謀です。

昔、海外ロケ先で誘拐され、生還した猛者でもあるとかないとか。

 

そんな先生のZoom授業に潜入。

 

「はい、ではまず首のストレッチからやってみましょうね。ぐるぐるぐると・・・」

 

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授業はまず、オンライン受講で凝り固まった首の筋肉をほぐし、滑舌をよくする準備運動から始まります。

滑舌をよくするために口をはっきり開けることを意識すると、余計に疲れて滑舌が悪くなるという悪循環に陥るそう。

ポイントは、下唇を動かすことです!

 

 

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演技っていうのは、’’普段’’の君らを要求されていくのだよ

 

俳優は「自分の芝居」を確立していかねばなりません。水上先生はスタニスラフスキー理論を独学で勉強され、脚本の「読解」がとても大事であると説きます。

人生経験の少ない若い俳優が、普段の自分で「物語」に負けないようにするには、台詞ひとつひとつの「読解」で1枚も2枚も加わった芝居を展開する必要があります。

理屈や理論は自分の体や心の日常。その日常を知らないで、「演技」はできません。

演技は自分を究極にみつめた形なのかもしれませんね。

 

 

どちらでもとれるような観客の感性にゆだねる演技をしたら、次のチャンスはやってこない!

 

脚本に書かれた「!」「?」「…」は行動。

頭をフル回転して、自分が何を要求されているのか、前後の行動を考察し、想像力を働かせて。

どんな「!」が話の連動の中でしっくりくるのか見つけねばなりません。

「読解」を深め、自分の中で確信をもって芝居できるよう、いかに自分の道具(心と身体)を使っていくのか。

 

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映画に耐えうる俳優をめざすならば、臆病にならずにやれるだけのことをやってみよう!爪痕を残すんだ!と叱咤激励を受け、実際にテキストを読んで演技する学生達。

 

演技後、「Zoomになって、君たちひとりひとりの表情や目線がいつもよりよくわからるから、ついついコメントが長くなっちゃうよ~」と水上先生。

 

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一見和やかな雰囲気ですが、冷静に考えると、まつげの先まで細かく演技を見られているわけです。

レッスンを受ける学生達は、対面以上に全く気が抜けないのですね。

きっと画面の向こうで、自分の番が回ってくるのをものすごくドキドキしながら待っているんだろうなと思い浮かべつつ、そんな過酷な演技トレーニングを経て、合評のスクリーンに登場する2年生を楽しみにしています。

 

さて、次回もお楽しみに!

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