- 2020年7月21日
- 日常風景
HappyElements様との合同授業(7/8 ゲーム特殊演習)
今回はHappy Elements(株)さんとの合同授業である「ゲーム制作特殊演習」の授業についてお送りします。
この授業では、架空のゲームプロットを元にコンセプトアートを作成する課題を出しています。
コンセプトアートというのは、これから開発を行なう新規ゲームタイトルのイメージを開発スタッフの間で共有するために作成されるイメージ画を指します。
ゲームは大勢のスタッフによる共同開発になるので、こういうイメージの共有はとても大事なんです。
ゲームの方向性を決める役割も果たすため、当然ながら単に好きなイラストを描くのではなく、企画コンセプトを吟味した上で、その面白さやゲーム性をどのように伝えるかが重要になってきます。
今回の課題となるプロットは、「現代の京都を舞台に、小野篁の子孫と小野小町の子孫が夜な夜な町へ繰り出して妖怪退治をする」というスマホ向けゲームを想定したものです。ゲームシステム等の細かい設定はあるんですが、書き出すと切りがないのでザックリとこの辺で。
…と、文章で書いても面白くもなんともないので、イラストレーションゼミ2年生の石戸智恵美さんの作品を紹介したいと思います。
まずこちらはレイアウトですね。プロットをよく読んだ上で、カメラアングルやキャラクターの立ち位置を決めていきます。ザクザクと描き込んでいますが雰囲気は伝わります。
レイアウトが決まったら、今度はキャラクターの表情も伝わるように細部まで描き込んでいきます。
そして着彩し、光やエフェクトを加えて仕上げ。満月も神秘的でありながら不気味さが出ていてとても綺麗にできています。
そしてアートディレクターさんからの講評です。
「綺麗に描けてるけど、妖怪と闘う要素が含まれていない為、コンセプトアートとしては弱い」とバッサリ!
そうなのです。ついキャラクターを描くことに一生懸命になりがちなのですが、要は「何をして遊ぶゲームなのか」が加味されていないと、ゲーム開発におけるコミュニケーションツールとしては弱くなってしまうのです。例えば奥の鳥居に妖怪が巻き付いてたりすると、ゲームの遊びとしての要素が少し見えてきたかも知れません、とのアドバイスもいただきました。
また、これが開発内部に向けたコンセプトアートではなく一般ユーザーに向けた宣伝素材なのだとしたら、キャラクター紹介の一つとしてこういう絵があっても問題はないとのこと。目的によって描くべき内容が異なるのですね。
今年の課題はなかなかハード。いや、ものすごくハード(笑)
当初は授業内容を考えるときにぶっちゃけ迷ったんです。
クォリティを求めるなら会社に入ればいくらでも描けます。でも今は大学生として自由な発想で自身の描き方を模索するとき。いやいやしかし、発想力を鍛える授業は既にたくさんあるので、ならば技術面をとことん伸ばす専門授業でありプロの現場のシミュレーションともいえるような内容にしてしまおうではないか!ということで、一周回って表現力を追求する授業構成になりました。
次回からはキャラクターデザインの実習作業に入ります。こちらも完成をお楽しみに。
Happy Elements公式サイト
https://www.happyelements.co.jp/