キャラクターデザイン学科

ゼミ通ヒーローズVol.36 土木田彩と学科展について語るの巻 Part1

 

「ゼミ通ヒーローズ」とは、京都芸術大学キャラクターデザイン学科ゲームゼミの学生の研究や取り組みについてピックアップし、担当教員村上との対談形式で綴る少々マニアックなブログ記事となっています。

 

村上

今回のゼミ通ヒーローズは、3年生のゲームゼミリーダーである土木田彩さんのインタビューをお送りします。

9月18日と19日に開催された本学の学科展の振り返りを通して、リーダーとしてのコメントをいただいたいなと思っています。

 

土木田

はい、よろしくお願いします。

土木田彩さん(右)と入来里奈さん(左)

 

村上

そもそも学科展とは、3年生のゼミの成果物展で、位置づけとしては「プレ卒展」。卒業制作展の前に一度展示の練習をしておきましょうと。

 

土木田

ゲームゼミ以外の学科展も見て回ったんですけど、授業の成果物を展示するゼミもあれば、学科展のために制作したゼミもあったり、プロジェクトの成果物を展示してたり、色々あったじゃないですか。例年こういう感じなんですか?

 

村上

そう。ゼミの授業内容はそれぞれ異なるし、完全に足並みをそろえるのは無理だから、それぞれでやってる。で、実際にやってみてどうだった?

 

土木田

私のチームは早い段階で企画が固まって、二人のチームとして制作をしたのでまだラクでしたけど、一人で制作する人とかいたじゃないですか。企画して絵を描いてプログラミングして、最後はグラフィックデザインっていう。見てて大変そうだなって思いましたね。

 

ゲームゼミ3年生の面々

 

村上

去年までの制作と3年生での制作との違って何か感じた?

 

土木田

これまではゲームを企画することはあっても、作るところまではいかなくて。でも今年はプログラミングも含めて遊べる形で完成させるので、そんなゲーム作りの実績を得られたのが一番大きいですね。仕様書を作ったりワークフローを組み立てたりっていう。あとは展示のことも含めて現実的に設計する必要があったので、みんなこの短い期間にメチャクチャ成長したんじゃないかなって思います。

あと、オープンキャンパスの来場者を含めて色んな方に実際に遊んでいただけて、「このキャラ可愛いね」とか「これ、どうやって作ったんですか?」とか、そういうお客様からのフィードバックを自分自身が直接聞けたので、達成感がえげつなかったですね。私、ついにゲームを作ったんだ、って。

 

村上

「人様に遊んでいただいてようやくゲームは完成する」って総評でも話した通り、みんなそれを実感できたんじゃないかな。

去年ゼミで制作した脱出ゲームでは、お客さんの反応をリアルタイムで見ることができて、これも得られるものは大きかったんじゃないかと思う。

 

土木田

脱出ゲームの時は、私はキャストとして部屋の中にいたので、クライマックスでカウントダウンが始まった時の皆の焦る様子が間近で見れて最高でしたね。性格悪いかも知れないですけど、そんな苦しむ姿を見るのがとても楽しかったです♡♡♡

 

脱出ゲームでの白衣姿の土木田さん

 

村上

ゲームクリエーターってそれが楽しみでやってるわけだから、性格悪いよね(笑)

お客さんの感情を思い通りにコントロールできたら嬉しいし、その予想を超えたときはもっと嬉しい。

 

土木田

学科展のときは、初日が少し不安でしたね。私が作ったのはノベルゲームで、かなり長いストーリーだったものを展示用に短く編集したとはいえ、やっぱり長いですし、読み物ですし。最後まで遊んでいただけるのか、どんな印象を持たれるのか、とか。

題材にしたのが戦国時代で、割と好き嫌いが分かれるので感想が不安だったんですけど、オープンキャンパスに来た高校生の女の子に「私、戦国時代ものすごく好きなんです」って話しかけられて、戦国時代を題材にしたゲームに出会えると思ってなかったから嬉しかったみたいで、どの時代が好きですか、とか、どうやってゲーム作るんですか、とか、個人的な話もしたりして。そういう出来事も含めて大きな経験でしたね。

 

村上

土木田自身が嬉しかったってことは、その高校生にとってはもっと嬉しかっただろうね。オープンキャンパスでここに来てるってことは、いずれ入学を考えてるわけだし、そこの先輩と意見が合ったっていうのは、すごい思い出になると思う。

学科展って、プレ卒展の意味合いに加えてオープンキャンパスの側面もあるから、「作ったものを展示しました」だけでは済まされない責任重大なイベントだったりするわけよ。だから「完成して良かった」「遊んでいただけて良かった」「いずれ後輩になるかもしれない人の人生に大きな影響を与えた」て、人によって色んな感情が沸き起こってるんじゃないかな。

 

土木田

そうですね。高校生の中でも、先日の入試に合格した子も何人か来ていて、「入ってから何をしたらいいのか教えてほしい」って相談を受けたので、他のゼミの友達を呼んで色んな領域からのアドバイスもしましたね。あと、ゲーム作りに興味がありますっていう子もいたので、ゼミの内容を話したり。ここは自由度の高いゼミだよって。

 

村上

自由度高いのかな…!?

 

土木田

高いですよ。企画とデザインとプログラミングの領域があるし、ゲームって一言で言っても、去年は卒制で脱出ゲームを作った先輩がいたり、ノベルゲームもあるしタスク管理アプリを作ったり。そんな話をすると驚く高校生が多かったですね。自由度っていうか、選択肢が多いっていうイメージですかね。

 

村上

選択肢、かもね。でも「好きなゲーム作っていいよ」って言われたらみんなどんな気持ちになるんだろう?

 

土木田

最初は確かに少し悩みましたね。デジタルゲームにするかアナログゲームにするか、って選択肢もあり、デジタルゲームなら2Dか3Dかっていう選択肢があり、さらにその中でゲームジャンルを考え始めたら組み合わせは何万通りもあるわけで。

 

村上

そこにVRだのARだのなんとかRだのが入ってくる年もあったから、大変かもしれないね。

今の3年生って、割と消極的な人が多くて、最初は話し合いもなかなか進まなかったりするけど、夏休みに入って、展示が近づくに連れてどんどん結束が高まっていったね。

 

土木田

それはこの代の特徴ですね。私たちは背水の陣で強くなるタイプなんです。

 

村上

それでは困るんだよ(笑)追い込まれる前に計画を立てろっつーの。

ま、でも実際のところ底力はあると思うよ。あとは歴代ゲームゼミはチームワークの良さが売りのところもあるから、代議員、ゼミリーダー、副リーダーの役割分担と連携の仕方とか。

 

土木田

リーダー陣だけではなくて、みんなそれぞれの立ち位置を自覚してるというか、絵に関する話になるとデザインチームが積極的に動くし、話が行き詰まるとプログラマーの仁禮祐介が切り込んできて具体的に解決していくし。

 

村上

彼はプログラマーとしてゲームを設計するから、何か起きた時のしわ寄せを全部受けることになるので、企画のグレーゾーンをなくして白黒ハッキリさせたくなるよね。

 

土木田

ああいうロジカルな人がいてくれるとすごく助かりますね。

 

村上

あとは、学科展が近づくにつれて土木田自身も変わってきたと思うよ。

 

土木田

え?そうですか?私、何かやらかしました!?

 

村上

去年の脱出ゲームも学科展準備の初期段階でも、割と一歩引いて全体を見るポジションだったけど、引きすぎて誰がリーダーなのか分からない状態になってた。でも夏休みに入ってからは積極的に前に出て、実際にリーダーとしてしっかり声を上げるようになってきたよね。「リーダーは声を発するべき」って、今年はよくニュースにもなってたけど(笑)

土木田はリーダーとしてキャラが立ってきたよね。

 

土木田

やったー(笑)

 

村上

みんなの尻叩きや情報共有もちゃんと出来るようになってきてる。土木田がしっかり発言したときの周りの学生の動き方が全然違ってきてるしね。展示作業のときも、指示待ちでボケーっと見てるだけの人っていなかったでしょ。

 

土木田

それは嬉しいですね。脱出ゲームの時は私が二歩くらい引いて現場作業に徹して、副リーダーの飯田遥歩に全部の負担がいってたので。

 

村上

もう3年の後期ともなると、こちらとしては学生をセミプロとして見ていくので、ワークフローは徹底していきたいね。

 

土木田

てことは先生厳しくなるんですか?

 

村上

多少は。

 

土木田

よしよししてくれないんですか?

 

村上

するよ。ちゃんと結果を出した人だけ。

ていうか普通にやっていれば何も問題ないよ。「締め切りを守る」「報告をする」とか、そういうレベルの話だから。で、出来なかったら出来なかったでそれは仕方がない。出来ないことは責めない。出来ないと分かった時点で「このままだとヤバいです」と正直に言ってほしいわけ。

できれば「この期間でこの物量をこなすのは無理なのでもう一人入れて下さい」とか、「この期間で実現するためにこういう仕様に変更したい」というように代替え案を考える力を身に着けてほしい。ヤバい状態を放置して最悪の状況に陥ったらそのときは「こらーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」って言う(笑)

 

土木田

そ、そうですね。

 

村上

何も特別なことは言ってないでしょ。その姿勢を貫いておけば卒制も就活もラクになると思うよ。

今の4年生が卒制を始めるときに「あたりまえを徹底しよう」って言ってスタートさせたんだけど、ゲームゼミにとっての当たり前とは何かって考えると、「ゲームである以上、面白いものにする」となるよね。でも面白さの前に「理解できるかどうか」が重要になってくる。理解させようとするとUIデザインをちゃんと考えないといけない。そんな感じで連鎖的にやるべきことが見えてくるはず。今回展示チェックのときに他の先生から「何をしたらいいゲームなのかが全く分かりません」って突っ込まれたけど、まさにそういうこと。締め切りに間に合わせて仕様を詰め込んだだけであって、レベルデザインはできてないしUXも考えられてない。ゲームっぽいけどゲームの根本が抜け落ちている。これは今回の学科展の大きな反省点だと思ってる。

 

土木田

確かに、お給料もらえるようになったら、それができて当たり前ですもんね。

後期からはそこを追求していくんですか?

 

村上

もちろん。

だって、レストランでカレーライスを注文してラーメンが出てきたら怒るでしょ?お客様からしたらそんなことは当たり前であって、作り手の都合は関係ない。

 

土木田

はい、じゃあ頑張っておいしいカレーを作れるように頑張ります(笑)

 

村上

リーダーとしては、カレーを注文された瞬間に、具材を考えて仕込む時間を考えてスーパーに買い出しに行く時間を考えて、お客さんが怒り出す前に何とかする方法を考えるわけ。

 

土木田

が、が、頑張ります。

 

村上

やんわり言ってるけど、あたりまえが一番難しいっていう。それがゲームゼミなのですよ。

 

 

Part2につづく

 

 

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