- 2013年9月10日
- 日常風景
気づきを発表しました
前期授業こども芸術研究IV「ファンタジーをつくる−物語が生まれる」は京都造形芸術大学の附置機関であるこども芸術大学とこども芸術学科の連携授業です。こども芸術大学という実践の場を借りて造形活動をとおして保育することを学びます。保育の教科書には載っていないことが現場では日常的に起こっています。ここでは子どもと共に造形活動を行いながら子どもを知り、子どもの育ちを考えました。
こども芸術大学には「創作の時間」という大学の専任教員による特別な時間としての創作プログラムがあります。
それに対して、この授業では日常の中にどのように造形活動を組み込むことができるかを課題に設定しました。
学生とともに「想像すること」「表現すること」「工夫すること」の豊かさや大切さを育むためのプログラムを考え、
造形活動が子どもたちにとって、どのような役割を果たすのか、大切なのかを考えました。
初回の活動では学生たちは子どもたち以上に緊張しているように見えました。
しかし、回を重ねるごとに子どもたちが学生の緊張を和らげてくれているようにも見えました。
活動中はうまく行かなかったことも、子どもからねらい通りの反応が返ってきたときなどは単純に嬉しかったことも、子どもたちから素敵な言葉を聞けたことも、準備を十分にしていても、臨機応変な判断が必要なことも、個と全体との関わりに苦戦したこともたくさんありました。それらの経験が学生を保育者として大きく成長させた気がします。
活動の中での気づきや学びをこども芸術大学のお母さん、お父さんの前で発表しました。
また、こども芸術大学の活動ルームの壁面に、
活動中の生き生きとした子どもたちの姿を収めた活動記録写真を展示しました。
写真には子どもの生き生きした姿と共に学生の気づきや子どもたちの素敵な言葉が記されています。
お母さん、お父さんも学生たちの報告に真剣に耳を傾けてくださいました。
そして、会の終わりにお母さんから、
「子どもたちは学生さんと関わることを毎回とても楽しみにしていました。」
「お母さんから離れても不安感なく楽しんでいるようだった。」
「今まで造形活動をあまり進んでやらなかった娘が、学生さんと関わることをキッカケに進んで行うようになった。」
など、学生にとっては嬉しい言葉をいただきました。
前期授業で行った活動は以下のようなプログラムです。活動の様子は過去のブログをご覧ください。
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【年長児の造形活動】/テーマ【お山のお友だち】 *こども芸術大学の年長児と
お話を作るのが楽しい年長児です。さまざまな造形材料に出会い、子どもたちの日常生活へ繋ぎ、
展開していきます。想像して描き、組み立てる楽しさをサポートします。
【年中児の造形活動】/テーマ【お山であそぶ】 *こども芸術大学の年中児と
新しい色々な材料や表現方法で遊びます。一つの材料から新たな表現が生まれます。
表現することの楽しさを育みます。
子どもそれぞれの「わたし」の思いから「みんな」で協力しながら思いを広げていきます。
【年少児の造形活動】/テーマ「雨や光をイメージしてあそぶ」 *こども芸術大学の年少児と
素材の触り心地は子どもの遊びにとってとても大切な役割を果たします。親しみやすい素材を楽しむ
ことで感触の心地よさを味わったり形を変えたりしながらイメージを広げます。
【こども芸術大学「創作の時間」】/創作活動に保育者の立場でかかわる
こども芸術大学の「創作の時間」は親子で行う創作活動です。創作活動中にみられる親子のかかわり方や
子どもの育ちを観察します。また、創作活動における保育の役割やサポートの方法など探ります。
【気づきと振り返り】
こども芸術大学での子どもたちとの活動をドキュメンテーションし、活動ファイルを制作します。
また、活動のまとめと報告会を行います。
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(梅田美代子:教員/イラストレーション・グラフィックデザイン)