キャラクターデザインコース

ゼミ通ヒーローズvol.41 ゲームゼミ2年生と『キャラデコネクション』について語るの巻 Part1

「ゼミ通ヒーローズ」とは、京都芸術大学キャラクターデザイン学科ゲームゼミの学生の研究や取り組みについてピックアップし、担当教員村上との対談形式で綴る少々マニアックなブログ記事となっています。

 

村上

今回のゼミ通ヒーローズでは、ゲームゼミ2年生の前期プロジェクトとなっていたゲーム作品『キャラデコネクション』の開発秘話について、ゼミリーダーでありプランナーである松下君、シナリオ担当の野村さん、デザイナーの藤原さん、プログラマーの吉中さんと玉倉さんに参加していただき、それぞれの役職の目線からこのプロジェクトを振り返ってみようと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『キャラデコネクション』ポスター

 

松下星斗(以下松下)

はい、ゼミリーダーやってます、松下星斗です。

今回の作品での役職は、ゲーム企画をしながらチームの統括をするという内容でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

松下星斗さん

 

野村夏望(以下野村)

企画班で、ゲームシナリオの統括をすることになりました、野村夏望です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野村夏望さん

 

藤原莉子(以下藤原)

ゼミの副リーダーをしながらデザイン班のリーダーをしていました、藤原莉子です。

デザイン班内での仕事の割り振りをしたり進捗の管理をしたりしてました。

終盤はデバッグのリーダーもやってました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藤原莉子さん

 

吉中紫月(以下吉中)

吉中紫月です。メインのプログラマーをしていました。色々やりすぎてわけがわからなくなってますけど。

 

玉倉有悠希(以下玉倉)

私は、最初はデザイン班だったんですけど、途中から吉中さんのお手伝いのような感じでサブプログラマーをやってました。他には背景のドット絵と、BGMの編集とエンディングの動画編集などをしていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吉中紫月さん(左下)、玉倉有悠希さん(右上)

 

村上

という面々で話をしていきます。

そもそもこの企画の内容を聞かせてくれるかな?

 

松下

発端としては、コロナ禍でオープンキャンパスに来れない高校生にゲームの形を通して大学のことを知ってもらえたらいいな、ていうところから始まって、どんな形にしたら伝わるのかを考えて企画を進めました。

高校生はどんな情報を知りたいんだろうって考えて、授業をクイズゲーム形式にすることで体験してもらうようにしました。

一年生の最後の分岐点として、どのゼミに所属するのかを答えとして最後に提示することで入学後のビジョンを少しでも持ってもらえたらいいかなと。

 

野村

主人公は京都芸術大学の新入生で、主人公が先輩とか色んな人と話をして普通に授業を受けたりして学校生活を送って、最後に一人の先輩と仲良くなるというのが大雑把な流れです。

 

松下

元々この企画には二つの軸があって、一つは高校生向けっていう話と、もう一つは学内周知を目的にしてました。この学科には領域がたくさんあって、キャラデの学生も実はキャラデのことをよく理解できていないっていうことから。

で、他の授業も模擬的に表現できないかって話になって。でも結局一年生の授業を作るだけでスケジュール的には一杯一杯になってしまって、それなら新入生に向けたゲームということでいいんじゃないかと。

 

村上

もし4学年全部の授業を盛り込んでたら、今頃まだ完成してなかったよね。

結局何個の授業に絞り込んだんだっけ?

 

野村

5つですね。専門4教科(アニメーション、ゲーム、イラスト、CG)と、プロデュース領域のアイデアソンです。

あまり専門的になりすぎないように、アニメーションであればアニメの基礎知識と、CGも基本的な内容で、イラストは実際に藤本先生が描いた絵をお借りして、その中での表現手法をクイズにしたり。で、ゲームの授業は、プログラミング用語とかそういう難しい言葉は一切ナシで、一年生で習う基本的な考え方というか、あそびを作る上での基礎知識に絞っています。アイデアソンは、石鍋先生が息継ぎなしでずっとしゃべり続けてますけど(笑)、これもプロデュース領域の基本の授業内容になってます。

 

松下

他にも「キャラクターベーシック」とか「キャラクター形成論」「デッサン」「映像制作」の授業もできてて、担当の先生からもOKいただいてたんですけど、そこはもう作業時間の関係で止むを得ずカットしました。

 

吉中

授業が増えて大変なのは、そのシナリオを実装することそのものよりも、エンディングの分岐の作り込みが大変でしたね。5科目に絞り込んでもエンディングのバリエーションだけで100パターン以上になるので…。

 

玉倉

ゲームのプログラミングって数学に似てるじゃないですか、置き換えとか。「もし〇〇だったとき」って条件があって、それを方程式みたいにxとかyを当てはめて考えていくんですけど、最初に仕様を見て樹形図を書きながら計算したときに100通りを越えることが分かって。で、実際に組み込んで、全パターンが正しく条件を満たして表示されるのかをデバッグして、一つバグを直したら他のパターンのエンディングがバグったり…。でも全部修正して、今のところはうまくいってるみたいです。

 

村上

うまくいってるのか、それとも誰もバグに気づいてないのか。

 

一同

 

村上

分岐の種類はどんな感じ?

 

松下

授業を受ける回数に応じて得られるポイントが変わってきて、そのポイントで進めるゼミが変わってくるんですけど、僕はプログラムのことがあまりよく分かっていなくて、どんどん仕様が増えていくという…

 

村上

お前のせいか

 

一同(松下以外)

爆笑

 

松下

そうです。簡単に言えば僕のせいです(苦笑)。分岐の仕組みを理解してなくて…

 

村上

まあ最初はそんなもんだわな。

 

松下

一つの授業を、例えばアニメーションの授業を3回以上受けてたら自動的にアニメーションのゼミに進むことができるし、アニメとゲームで2回ずつ受けてたら、それぞれのゼミの先輩との好感度が高い方に進むとか。そんな風に考えてたんですけど、結果的にものすごい数になってしまってましたね。

 

玉倉

5つの授業があって、これに対応する5つのゼミがあります。一つの授業は最高で3回受けることができて、3回受けた時点でフラグが立ちます。でも状況によってはこのフラグが立つ科目が複数出来る可能性もあるんです。逆に全部のフラグが立っていないパターンなんてのもあって、更にこの分岐に先輩との好感度の違いによる分岐が重なるので、これらを掛け算してパターンを割り出していきました。

先輩の好感度もどうするかっていう問題があって。好感度が同じ数値だった場合とかですね。

 

村上

プレイヤーの目に見えない裏の処理がとにかく大変だったってことね。シナリオの物量もすごかったけど、それよりも、一つ科目が増えるごとに仕事量が膨大なものになっていくってことね。

 

松下

ゲームとしては、ゼミに所属することをゴールとして最初の1年間を描くのか、それとも卒業までの4年間を描くのかっていうところで、ボリューム的に1年間が限界だろうということになって。じゃあその場合の最終目的として、先生の好感度を高めて希望のゼミに所属するっていう展開にしてたんです。でもそれをすると、先生に媚びたらゼミに入れるみたいな印象を受けるのでNGとなりまして…。で、先輩を出してそこで仲良くなって色んなアドバイスがもらえるようにしたら良いんじゃないかと。交流するなら乙女ゲームの形式の方が良いんじゃないかとなりました。

 

村上

なるほど。じゃ今度はデザインの作業について聞いていこうかな。

 

藤原

デザイン作業としては、まず最初にドット絵の素体を作って、その次にキャラクターデザインの案を出してブラッシュアップしていきましたね。3週間くらいで全部のダミーデータを作って仮に実装してもらいました。

当初実装する予定だった5科目以外の全ゼミ分の立ち絵もスチルも完成させてたんですけど、如何せんシナリオの量が多くてスケジュールが破綻しかけて、結局シナリオがボツになったことに伴って大半の絵がお蔵入りになるという。

 

一同

(苦笑)

 

藤原

立ち絵については、デザイン班の各々が描いていて、ラフが一通り完成した後で、「ゼミにそれぞれのイメージカラーがあるからそれに合わせろ」って言われて、全部作り直しやんけ!ってデザイン班はめちゃくちゃ怒ってました(笑)

 

村上

へー、そんなひどい話があったんだ。

 

藤原

いや、それ先生に言われました(笑)

 

村上

俺か(笑)

 

藤原

何回かダメ出しをされるうちに、ノベルゲームの立ち絵を描くときに注意しなきゃいけないこととして、下半身はメッセージウィンドウで隠れるから、上半身にそのキャラクター特有のアイテムを持たせるとか、目立つようにするとかの工夫が必要だって事を意識できるようにはなりましたね。

 

村上

なるほどね。キャラデの受験を考えてる高校生と話すことが多いんだけど、将来の希望を聞いたら大半が「ゲームのキャラクターデザインをやりたい」って口をそろえて言うわけよ。

キャラデの学生も推しキャラの模写をしたりして絵はうまくなっていくんだけど、実際にゲーム画面に実装したら、今の話みたいにゲーム画面で必要とされてる要素っていうのが抜け落ちてるから、画面に映らない下半身の装飾を一生懸命描き込んでたりするんだよね。

 

藤原

めっちゃやってました。

 

村上

ゲームのキャラクターデザインって、単に絵がうまきゃいいってわけじゃないっていうのは理解してもらえたんじゃないかな。ドット絵になるとまた全然違う考え方になるしね。

 

藤原

ドット絵は大変でしたね…。

元々ある高い頭身のキャラクターをデフォルメするわけじゃないですか。二頭身のキャラに縮めて、しかもそのキャラクターの特徴をしっかりと押さえて。で、やっと一枚できたと思ったら今度はアニメーションさせて、しかも上下左右4方向分のデータを作るっていう。

主役系のキャラの他にもモブキャラが何人かいるんですけど、最初のバージョンでは色味が濃くてリテイク受けましたね。モブのくせに主張が激しいって。

 

村上

ゲームのキャラクターはUIデザインの役割も果たすことになるから、パッと画面を見た時に誰がメインキャラで誰がモブなのかを一目で判別できなきゃいけない。初めて遊ぶ人からすると、まずそのマップに入ったときに誰に話しかければゲームが進行するのかが分からない。立ち絵とドット絵のキャラにギャップがあるっていうのは、ぶっちゃけ割り切るしかないんだけどね。

 

 

つづく

 

 

 

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