- 2022年2月8日
- ニュース
卒業論文の受賞作をご紹介!!
こんにちは!
アートプロデュース学科です!
2月5日(土)6日(日)に卒業論文発表会をオンラインで開催いたしました!
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございます!
発表会後に記念撮影
発表会の最後には、学科長の伊達先生から受賞者の発表がありました。
受賞された皆さん、本当におめでとうございます!
学科長 伊達隆洋先生
学長賞 毛利風香
裂かれた経路内奥で生じる“詩”
――詩作品《破帖》(1937年)の翻訳と読みとき――
教員コメント
1937年に発表された詩人・李箱の遺作《破帖》。本論はこの晦渋な詩を愚直に読解することで、詩の内部に蠢く差延的な運動を語り起こしていく。その読解は必ずしもこなれているわけではない。しかし感覚を研ぎ澄まして作品と向き合い、感受した蠢きを根気強く語り起こしていく本論の姿勢は実直かつ清廉である。読者としての責務を全うしようとするかのようなその姿勢は、鑑賞という行為を通じて確かに新たな価値を創出している。
林田新
優秀賞・オーディエンス賞 城戸愛莉
異郷の地で生きられた建物
――カトリック宮津教会の成立と変遷――
教員コメント
筆者の故郷、宮津には宣教師、ルイ・ルラーブ神父が1896年に建てた木造の教会が建つ。この木造の教会について本論は、旧来のように「和洋折衷」という言葉で包括するのではなく、そこに潜むヴァナキュラリティ(土着性)を丹念な資料調査に基づき詳らかにしていく。建築を即物的な構造物ではなく「生きられた空間」として論じようとする明確な問題意識と、根気強い堅実な資料調査が本論の学術的価値を確かなのものにしている。
林田新
奨励賞 島田貴弘
宙吊りにされた人々
――新型コロナウイルスが明らかにした日本のいきぐるしさ――
教員コメント
私たちは自らの〈生〉をこの掌に掴んでいるのだろうか。筆者は、コロナ禍を機に私たちの〈生〉が資本主義のロープで宙吊りにされ、常にそれが切られる恐怖に晒されていることに気づく。自らの実体験と、哲学、法学、社会学、経済学、身体論を縦走しながら〈生〉の在り方を捜し求めた筆者は、自身の身体と時間の一部を他者のために使う「共立」の概念を創りだす。現代社会が要求する「果てしない自立」から〈生〉を取り戻す冒険の書。
山下里加
奨励賞 蔡雨坤
近代日中芸術交流
――日本で「美術」を学んだ李叔同(1880-1942)とその《自画像》――
教員コメント
清朝中国から明治期の日本に留学した李叔同は東京美術学校で洋画を学んだ。中国における芸術教育の近代化に貢献した李は日本で何を学んだのか。本論は彼の卒業制作である《自画像》の分析を通じてその一端を明らかにする。その大仰な題目に反して本論が明らかにするのは些細なことかもしれない。しかし、その細部に目を向ける慎重な作品分析の手付きは、李と同様に日本の芸術大学へと留学した筆者が旅先で学んだことに他ならない。
林田新
奨励賞 田中愛
「ことば」を、味わう
――ソムリエが提供するコンヴィヴィアルな喜び――
教員コメント
高度に制度化した社会のなかで分断や孤独が問題となる現代、人間が自律的かつ共生的に生きるにはどうすべきかという問いに取り組んだ本作。筆者は宴会、酒興などを意味する語「コンヴィヴィアリティ(語源は接頭辞con=共に+ラテン語vivere=生きる)」を鍵概念として援用し、ワインとソムリエの表現を味わうという行為に、人が共に食し言葉を交わすという根源的な共生の可能性を見出す。ソムリエ修行中の筆者ならではの滋味に富む意欲作。
伊達隆洋
同窓会特別賞 瀬戸山友紀
「第三者」が継承することに付加される価値
――東日本大震災を事例に――
教員コメント
東日本大震災を事例に、非当事者が当事者の経験を次へと語り継ぐ、二次的な継承の意義を考察した本作だが、筆者は継承の是非を超え、出来事とは何か、当事者とは誰か、我々は他者性を損なうことなく他者を理解し、代弁することなどできるのか、そもそも経験を他者と共有することなど可能なのかといったラディカルな問いと対峙する。不可能性によって駆動される、終わりなき対話の営為に身を投じる決意を記した筆者の宣誓書ともいうべき一作。
伊達隆洋
また後日、卒業展会場では受賞者から学長、副学長に論文の説明がありました。
卒展会場に展示された盾
卒業展では学生の論文全文を読んでいただける他、ご自宅等でゆっくり論文を読まれたい方にはWEBで閲覧いただけるQRコードも配布しております。
お気軽に受付スタッフにお声がけください。
発表会お疲れさまでした!!
お知らせ
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