- 2022年12月27日
- イベント
古代遺跡研究会⑤&⑥ 山の辺の道〜大和(おおやまと)古墳群
みなさん、こんにちは。歴史遺産学科2回生の須賀映理子と末満優名です。
今回は奈良の古墳をたくさん巡ってきました!
古代遺跡研究会では、古代の都が置かれた飛鳥から京都を歩いて、自分たちの目で遺跡を見ていきます。今回は、10月30日(日)と11月27日(日)の活動のハイライトを紹介します。
この2回で私たちが歩いたのは地図で見ると、わずか2駅分、、、ですが、8基もの古墳を訪れました!(珠城山古墳群・景行天皇陵・崇神天皇陵・櫛山古墳・黒塚古墳・中山大塚古墳・西殿塚古墳・東殿塚古墳、寺社は大神神社、檜原神社、長岳寺)
この場所は古墳が本当に多い場所なのです!
上の図(黒塚古墳展示館のクリアファイルの図を加工、緑で塗られた部分が全て古墳)を見ると分かりますが、とんでもない数の古墳が密集しているのが分かります。
さて、両日とも天気に恵まれた中、歩いていきます。
晩秋の大和は紅葉と柿の季節で非常に美しいです。
直売所の柿や蜜柑も美味しいですね〜!
沢山歩いて巡った所を全部紹介したいところですが、2基だけピックアップして紹介します。
・黒塚古墳
古墳時代前期の4世紀頃の前方後円墳です。内部の石室と多くの副葬品(鏡など)が未盗掘の状態で見つかったことで有名です。
黒塚古墳の上からは箸墓古墳、三輪山が見え、奈良盆地が見渡せます。
古墳はもちろん、隣接する展示館がとても面白いんです!
一階には石室の大きく精巧なレプリカがあります。
この古墳が未盗掘だった理由に、石室構造が特殊であることが挙げられます。
多くの古墳は上部に大きな石を配置し、蓋をするように築くもの。古墳の構造を天井石の重量で支えているのです。しかし黒塚古墳は、天井石で蓋をせずに、板状の石を持ち送り状(古墳側面の頂部に一枚の板石に少しずらして次を置き、ドーム状の構造を持つ)に積み上げています。
左右から少しずつ築いて、ピタッと合わせて作った構造。これがどこかの段階で崩れた結果、石室が完全に埋没し、盗掘を免れたと考えられています。
2階には発掘された鏡が本当に沢山展示されていて美術館のようで圧巻です。未盗掘だったので沢山の鏡が見つかったんですね。
・景行天皇陵(渋谷向山古墳)
大きさはなんと約300m!Google マップなどの航空写真でもはっきり前方後円墳の形が分かる程の大きさですが、近くで見るとやはり圧倒される巨大な古墳です。
また、実際に周りを歩いてみると形の美しさもよくわかります。綺麗ですね!
珠城山古墳から景行天皇陵を臨む(画面の中央、左寄りに見える)
古墳時代前期(3世紀頃)の古いものですが、そんな昔にこんなに大きくて美しい建造物が作れたなんて不思議ですよね、
ここで注目したいのが、「古墳の右に山の尾根が見えること」。
その理由は、尾根を途中で断ち切って、最初から土を積む手間を省いて造った古墳だからです(専門的な言葉を使うと、丘尾切断によって造営されている、といわれます)。
つまり尾根を途中で正確に切断し、綺麗に形を整える…とんでもない測量技術が伺えます。歴史のロマンを感じますね!
また、上の写真は珠城山古墳の上から撮ったものですが、実は登れる古墳もいくつかあるんです。三輪山や別の古墳が見えるので、「昔の人は『三輪山やあの古墳が見えるように作ろう!』と考えて作ったのかもしれないな」などと、実際に歩いて登ってみると新たな疑問や学びにつながります。フィールドワークの醍醐味ですね!
さて、古代遺跡研究会は、毎週木曜日の放課後に活動しています。フィールドワークの計画立てだけでなく、実際の土器を使った学習等も行っています。新入部員募集中です!
☆ 2/11(土)12(日)卒業制作展 オープンキャンパス !(事前予約制)☆
卒業制作展をゆっくりご覧いただけます!
ぜひお申込みください。
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