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【学生インタビュー|vol.3】美術工芸学科、写真・映像コースの4年生に聞く、就活の話。就活を経て気づく、作品の出発点。

京都芸術大学のキャリア実績を正直に公開したWEBサイトを公開しました!
それに合わせて、早期にキャリアを決めた学生にインタビュー🎉インタビュアーは、文芸表現学科の出射さんです。
高校・大学時代は何を考え、どのように過ごしていたのか。本ブログを併せて読むことで、芸大進学への不安が少しでも和らぐことを期待します🤭

≫公開されたWEBサイトはこちらから

 


文芸表現学科の出射優希です。

お話をお聞きした1月、4年生たちは卒業制作準備の佳境に入り、みなさんさまざまな気持ちを抱えながら準備をすすめられていました。そんななか、今回お話をお聞きした4年生は、どのように学校生活を過ごし、就活を進め、卒業制作に挑んだのでしょうか……?


 

 

 

部活漬けの高校時代を経て、先生の言葉から見つけた制作スタイル

 

 

今回は美術工芸学科、写真・映像コースをこの春卒業された笈田風花さんに、就活の体験談をお話ししていただきました!

 

美術工芸学科 写真・映像コース

 

笈田 風花(おいだ・ふうか)さん

京都市立塔南高等学校出身

 

内定先 映像制作会社

職 種 CM制作(プロダクションマネージャー)

 

 

今回お話をお聞きした笈田さんは、春から映像制作会社に就職し、プロダクションマネージャーとしてCM制作に関わります。
大学で習得した基礎的な映像の技術を、さらに応用できるスキルとして身につけたいという思いから、就職を考えたそうです。
インタビュー時にはハキハキと就活体験談を語ってくださった笈田さんですが、入学当初は周囲との差に悩むこともあったようです。

 

 

  “元々はお母さんがカメラを持っていたのがきっかけで写真や映像に興味を持って、高校時代は行事で写真を撮ったり、友人の誕生日を祝う簡単な映像をつくったりしていました。高校1年生で大学進学を考えたとき、何か手に職をつけて、秀でているものを身につけたくて、それで芸大っていいなぁと思ったんです。

 

   入学してみて最初に、みんな器用だなぁと感じましたね。最初の授業ではフィルムカメラの使い方から学ぶんですが、私だけフィルムをセットできなくて焦ってしまって。授業補助の技官さんに助けてもらって、やっとできたんですが、それくらい不器用で最初はどうしようかと……。しかも、こういう写真が撮りたいとか、軸になる制作のテーマが一貫してあるわけでもなく、そのこともずっと引け目に感じていました。だから毎回課題が出るたびにつまづいていて。

 

   大学2年生になったときに先生から、「テーマではなくやりたい技術から入ってもいいんだよ」ってアドバイスをもらって、授業で習った映像合成を用いた作品をつくったら、私にはそのスタイルがしっくりきて。そこから、みんな器用でいいなとか、制作どうしようっていう悩みは消えていきました。

 

 

高校時代は吹奏楽部で部活漬けの毎日を過ごし、作品をつくるという過程を身につけていくところからのスタートだったようです。

 

 

笈田さんは先生からの助言が制作の転機になったようですが、どの学科の学生と話をしていても、それぞれが先生との印象深いやりとりを持っています。

 

現役で作家として活躍する先生方との対話は、学生にとって「正解」ではなく考えるためのひとつの矢印です。
矢印を得てどうするかは私たち学生次第、という無言の信頼があるからこそ、のびのびと迷ったり失敗したりできるのかもしれません。

 

 

コース内の取り組みに集中しながら過ごした4年間

 

また、前回までお話をお聞きした濱岡さん奥村さんは、大学全体でおこなうプロジェクトで積極的に活動されている姿も印象的でした。
対して笈田さんは学科の学びに一点集中。
なかでも、展示授業のリーダーや、コース代表として文化祭などで活躍する代議員などを務めた学生生活でした。

 

 

  “特にプロジェクトはやってこなかったんですが、代議員や、3年生で行う「旅と文学」という学外展示のリーダーに先生から推薦してもらったり、オープンキャンパスに呼んでもらえることも多かったです。4年生の今も卒展のリーダーをしているし。先生からの指名だけど、やってみると苦じゃない自分がいるんです笑 振り返ってみると高校生の時の文化祭なんかもずっとリーダーだったから、そういうのを先生には見抜かれていたのかもしれません。

 

加えて大学は4年では物足りないくらい、コースごとに専門性が高く充実した環境です。
自分の興味や性格なども合わせて考えながら、あるときは冒険したり、あるときはひとつのことに集中してみたり。
選択しながら過ごすこと自体が、大事な時間だなぁと思います。

 

 

 

就活を通して振り返る、自分のこと、作品のこと

 

ここまでお話をお聞きするなかでも、自己分析をたくさんされていたことが伝わってきます。

「自己分析」と言われると就活用語という感じがしてそわそわしますが、笈田さんはどのように自分を振り返っていったのでしょうか?

 

 

  ポートフォリオ作成は、頭の整理にすごく役立ちました。2年生の頃からつくった作品を見返したり構成していくうちに、この時の自分はこんなことを考えていたんだなぁって。
想像以上におもしろいことが好きだというのも、就活をはじめてから面接を受けるなかで気づきました。あとはやっぱり、人に話さないと自分のことはわからないというか……。面接のなかで作品について聞かれて答えるうちに、作品にちいさい頃の記憶が引っかかっていることが多いなって気がついたんです。振り返ってみたら出発点になっていたのってそこだったなと思って、それは卒業制作にも反映されてるかもしれないです。

 

 

ポートフォリオでも就活でも、大学生活のなかで何をやってきたかを振り返ることで、「やって終わり」にしないのは大事なのだと思います。

 

自分を振り返ることに関連して言えば、作品をつくっていると、つくっている時間よりも振り返る時間の方が多かったりして。

作品をつくるのが自分である以上、作品を制作し向き合う時間は、自分自身に向き合う時間でもあります。

けれどそれこそが、ものをつくるために重要な過程なのかもしれません。

 

ここまで濱岡さん、奥村さん、今回の笈田さんと、3人の方のお話を通して、何かをしてみたいと思い立った自分を大切にすることって、進路を決めていくうえで重要なのだろうなぁと感じます。

いつも最後に決められるのは自分だけ。

周囲の人に悩みを話したり助けてもらったりしながら、自分の声にも耳を傾けることが大事なのかもしれません。

 

笈田さんのポートフォリオはこちらから✅

 

 

 

取材記事の執筆者

文芸表現学科4年生

出射優希(いでい・ゆうき)

兵庫県立西宮北高校出身

 

大学2年生のときから書きはじめた、この「KUA BLOG」での美術工芸学科に関する取材記事のシリーズが、学内外で人気を博してきた。
個人で記すノンフィクション作品も含めて、地に足をつけ、ゆっくり呼吸しながら取材対象を受けとめ、言葉を深く彫り込んでいくプロセスの切実さに定評がある。
「逸脱する声 京都芸術大学美術工芸学科教員展」(2022年6月に開催)では、文芸表現学科の学生たちが23人の専任教員にインタビューした声の数々も作品として発表されたが、そのうち最多の8人へのインタビューとそのまとめを担当した。

 

 

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