文芸表現学科

小説家・仙田学先生の授業から学ぶ。【学生ブログライターによる執筆】

こんにちは、文芸表現学科です!

 

 

学科ブログライターの4年生・山田美羽です。

今回は、文芸表現学科の講師である仙田学(せんだ・まなぶ)先生についてご紹介します!

 

仙田学

 

仙田先生は現役の小説家であり、これまでWEBライティングや専門学校の講師もされてきました。

学科の授業では主に、「小説」の書き方について教えて頂いています。

 

1年生向けの入門編「文芸創作ワークショップ(旧・文芸表現ワークショップ)や、既存の小説を批判的に分析して読むことでの発見から、何を書きたいのかを探究する「文芸メソッド1(旧・創作メソッドI)など、様々な授業を担当されています。

 

同じ名前の授業であっても、教える先生によって内容が異なるところが文芸表現学科の特徴であると私は思っています。そこで、仙田ゼミ生である私が、仙田先生の「教え方」について、担当されている授業ごとにインタビューして来ました!

 


 

○百讀

 

 

──先生が指定した本を精読し、学生同士で語り合う授業です。

仙田先生は、なるべく学生が自分では読まないような本やバラエティに富んだ本を選んでいるそうです。

 

例えば、ライトノベルが好きで書きたい人が、色んなジャンルのラノベを読む、ではダメなんですね。

 

仙田先生 : そうですね。書きたいジャンルの本をたくさん読むのは前提ですが、同じジャンルばっかりだと思考が固まってしまう。

ジャンル横断的に読むことで頭を柔らかくすると、書きたいジャンルに戻ってきたときに色んな角度から見ることができ、その独自性が見えてきます。

 

──授業であまり知らないジャンルの本を読むと、意外とこの系統も好きかも、書きたいかも、と思えてくることもありますもんね。

 

仙田先生あとね、書く前に「ジャンルを決める」ということが大切です。例えば音楽だったら、楽器を持っていきなり曲を弾き始めないでしょう? まずジャンルを選びますよね。

 

小説もそうです。何となく書き始めるのではなく、ジャンルを選んでから、そのジャンルの作品にはどのようなものがあるのかという歴史も調べます。その上で書き始めたほうが、自分のやりたいことの輪郭がはっきりしますよ。

 


 

○文芸メソッド1(旧・創作メソッドI)

スウェーデンの教科書

 

──物語を作るための技術・技法の総体を、基礎から体系的に身につけていき、何を書くべきかを考えていく授業です。

私が授業を受けた際は理論や技法の講義が多かったですが、仙田先生はまず理論よりも、世界観をつくるということに重点を置いているそうです。

 

世界観をつくるために、授業でどんなことをしているんですか?

 

仙田先生スウェーデンの社会の教科書を取り上げました。社会の教科書は国によって全然違って面白いんですよ。倫理や道徳に近いことも書いてあります。

 

たとえば「犯罪」という項目があって、そこでは自分が主人公になって、このシチュエーションでこうふるまうとこのような罪を犯すことになりますというような具体例がたくさん書かれています。とても当事者的なんですね。

 

また、スウェーデンでは自然が大切にされていて、自然は誰のものでもないという考え方があります。私有地であっても。しかし、そこで作物を盗ったり動物を殺したりすると罪になる。……日本人の目から見ると、全く知らない世界の設定のように見えますよね。

 

──なるほど、シチュエーションと設定に応じて考えることが世界観の構築に繋がるんですね。

 

仙田先生スウェーデンの方から見たら、きっと日本の法律も設定みたいに見えるでしょうね。一種の世界観です。そういうことを通して、現実を相対化して、現実ではない社会の設定をつくることに繋げていきます。

 


 

○文芸総合演習(仙田ゼミ)

 

──ゼミでは学生各自がテーマを決めて、合評を行いながら創作をしていきます。私も所属している仙田ゼミには、ジャンルを問わず、小説を書きたい人が集まっています。

 

ところが、仙田ゼミでは創作とは直接関わりのないような議論やプレゼン、コミュニケーションの場が多く設けられます。どのような意図があるのか、この機会にお聞きしました。

 

仙田先生書くことの他に、「話す」「聞く」力を鍛えて欲しいと思ったから。職業として作家をしていると、打ち合わせや交渉、内容のすり合わせなど、コミュニケーション能力が必要になってきます。

小説がうまくても人と関わらないと発表できないからね。自分から作品や企画を売り込みに行くような、営業に近いこともしますよ。

 

 

──仙田先生は、小説の書き方の指導をする上での方針として、「編集者の立場に立つこと」を大事にしているそうです。つまり学生と一緒に、作品を二人三脚でより良くしていく。

そのように寄り添って、こちらをよく知ろうとしてくれる編集者は信頼ができるそうです。

 

人として関わって、互いの人となりを知っていれば伝えたいことが正確にわかる。言葉でやり取りをする前提として、まずはお互いをよく知り合うことが大切だと言います。

ただ書くばかりが文芸表現学科の学びではない! ということですね。

 

ちなみに、先生は書くことが大変だったことはありますか?

 

仙田先生書くことは常に大変。純文学はその人にしか書けないものを書かないといけない。他人のやり方も、過去の自分の成功経験も真似することはできません。縮小再生産になってしまうからですね。

 

──仙田先生は作家として活動する中で、ご自身の体験から得た、技術や知識以外のものも、私たち学生に教えてくれます。また、ゼミ生が仙田先生と一対一で話すゼミ面談では、アニメ談義から人生相談まで、話題が柔軟と評判です!

 

 

 

──最後に、今後仙田先生の授業を受けるかもしれない人へ向けてひとことを頂きました。

 

仙田先生学科の中での僕の役割は、実作者であるということですよね。現役で作品を発表して、常に書いている。教室の中では教員だけど、教室の外に出れば、みんなと同じ作品を書いてる人。だから、同じ景色をみながら小説について考えたり、話したりしているつもりです。

 

──最近文芸表現学科のX(旧・Twitter)が活発ですね!

 

仙田先生頑張って書いてます。今後も文章がうまくなる方法や小説の読み方、書き方、文芸表現学科にはどんな学生がいるかなどをお伝えしていきます。授業の内容についても発信していきますね。

 

──学科の情報だけでなく小説のメソッドや文芸お役立ち情報など、まるで授業を受けているような気持ちになれるタイムラインです。ぜひチェックしてみてください!

 

 

 

文芸表現学科公式X

 

 

(学生ブログライター/4年生・山田美羽)

 

 


 

\仙田学先生の新刊情報/

『トイレ野ようこさん』

学校怪談「トイレの花子さん」を換骨奪胎! 関西弁でにぎやかにテンポよく展開する、抱腹絶倒の痛快コメディー。

 

有名な学校怪談「トイレの花子さん」を、純文学/ライトノベルの名手・仙田学が編みなおした児童文学作品。著者自身がシングルファーザーとして子育てしながら、子どもたちを寝かしつける際に練り上げていった創作物語をベースにしている。

主人公は小学4年生のちょっとおバカなサブロー。ある夜、学校にリコーダーを忘れたことを思い出したサブローは、親に見つからないようトイレの小窓から脱出して学校へと向かう。途中で遭遇してしまったクラスメイトのみんとちゃんもなぜかついてきて、一緒に夜の小学校に侵入! 暗い廊下をおそるおそる歩いていたふたりの耳に、女子トイレから「……タスケロ」の声が。「よし、ぼくが助けたるで!」意気揚々とサブローが向かうも、トイレからは〈はなこさん〉と〈ようこさん〉2体の怪物が現れ、てんやわんやの大騒動に! 「三枚のお札」などの昔話を礎に、関西弁でにぎやかにテンポよく展開する抱腹絶倒の痛快コメディー。(静山社ホームページ内、作品紹介より抜粋)

 

著者:仙田学

イラスト:田中六大

出版社:静山社

定価:1,320円(税込)

発売日:2024年2月22日(木)

 

静山社ホームページ:https://www.sayzansha.com/book/b640746.html

 


 

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●ご予約

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イベントホームページ

 

 

 

 

 

 

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