文化財保存修復・歴史遺産コース

仏像保存修復体験講座が行われました

あけましておめでとうございます。歴史遺産学科副手のYです。

昨年は普段の授業風景や研修旅行、ゼミ研究の様子など、歴史遺産学科の特徴や学科での学生の様子をご覧の皆様にご紹介してきました。

2014年も、引き続き歴史遺産学科の授業風景や学生の様子をご紹介してゆきたいと思いますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、昨年にお知らせしていた特別講義「仏像保存修復体験講座-舞鶴市の如来仏を例としてー」が、12月7日(土)に行われました。

今回はその講義での様子をご紹介したいと思います。

 

まずは仲先生の挨拶と、何故仏像の保存修復を行うことになったのかというお話です。

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保存修復技術だけではなく、仏像をお祀りしている背景を知ることで、より修復することの大切さを知ることができました。

 

続いて1部(13:00-14:00)、「舞鶴市布敷如来仏像修復報告」です。

実際にどのような技術を用いて保存修復したのかを報告しました。

 

報告1:「仏像の素材と技法の文化財科学的調査」

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仏像をどのように大学へ運んできたのか、どのような授業で、どのような保存修復を行っていたのか、などを岡田先生から報告。
報告2:「漆と金箔の修理について」
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仏像の保存と修復の方法について、震災などで損傷した仏像等を例に山崎先生が解説。
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そして、参加者にも仏像がもっとよく見えるように、仏像を囲むようにしながら現在の修復の状況を報告しました。
報告3:「欠損部位の修理について」
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水谷くん(本学歴史遺産学科4年生)は、実物の仏像を前にし、修復前の写真と比較しながらどの部位をどのように保存修復したのか、作業を行う際に注意していたポイント等を報告しました。
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李さん(本学大学院博士課程1年生)は、どの部位にどのように漆を用いたのかを詳しく報告しました。
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実際に使用した道具も見せながらの説明に、参加者は興味深げに覗き込み、耳を傾けていました。

 

 

2部 14:00-15:00「仏像保存修復体験」

 

続いては仏像修復体験です。

実際に仏像へ手を加えていただくわけにはいかないので、

今回は仏像修復に用いたのと同じ手法を体験していただきました。

手順を簡単に説明すると、

1.木の板に鉛筆で下絵を描く。

2.下絵を生漆でなぞる。

3.生漆が乾く前に箔(金箔)を貼る。

4.やわらかい刷毛で余分な箔を払う。

という工程です。

実際の修復では、下地を塗る作業などがありますが、今回は時間の都合上簡略化させていただきました。

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一通りの手順説明の後、山崎先生が黒板にお手本を描いてくれました。

お手本のような模様が難しい場合は、自分の名前でも、家紋でも、

好きなものを描いて大丈夫!と、いうわけで早速挑戦です。

 

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みなさん真剣に、黙々と取り組んでいました。

 

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先生や李さんから刷毛の扱いや箔の貼り方を教えてもらい、

箔を張ったら完成です。

下書きから箔貼りまで、約1時間程の体験でした。

 

 

 

3部 15:00-16:00「歴史遺産学科入学相談会」

 

相談会では、学科長の仲先生が各相談内容にじっくりと答えてくれました。

気になっていた疑問、聞いてみたかった質問などは解決されたのではないでしょうか。

 

 

 

こうして、講義あり、体験あり、相談会ありと盛りだくさんな特別講座は終了しました。

参加者のみなさん、お疲れ様でした。

今回は参加しなかったけれど興味のあった方や、ブログを見て興味が湧いた方は、

またこのような講座があった際には是非ご参加下さい。

 

 

 

 

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