映画学科

鈴木 歓先生が逝去されました。学科長・北小路隆志

 

すでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、2011年から21年にかけて本学科の専任教員として後進の指導に当たられ、黒沢 清監督の『cure』などで知られる「映画編集」の鈴木 歓先生が、1月28日に逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表します。(以降、あえて「歓さん」と呼ばせていただきます)

 

大学構内やその周辺で、スチールカメラを首から下げ、ぶらぶらと散策される(ように見えた)歓さんの姿がくっきりと思い出されます。歓さんは、学生に対してだけでなく、ついつい「お仕事」ばかりに翻弄され、時間を費やしがちな私たち教員に向けても、もっと大胆に「実験」や「挑戦」を続けなければダメでしょう、そのまま「成長」をやめていいのか、と挑発していただけるような存在でした。

 

そんな歓さんの「精神」を支えるのが、狭い世界に閉じこもることを拒絶する「飽くなき好奇心」であったのではないでしょうか。そして、その「教え」の射程は、「映画編集」という領域にとどまらず、逆にいえば、「映画編集」を狭い「専門領域」に閉じ込めてしまってはならない、という姿勢を体現されるものであったといえるでしょう。

 

歓さんの深い影響のもとで社会に巣立った卒業生たちのショックは想像に余りありますが、それぞれに受けた「学び」やともに時を過ごした「思い出」を大切にしながら、前述の「精神」を今後も密かに(あるいは堂々と)受け継いでいってもらえればと思います。

 

歓さん、たくさんの素晴らしい映画と、かけがえのない「学び」や「思い出」を私たちに残していただき、本当にありがとうございました。

 

 

映画学科学科長 北小路隆志

 

 

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