- 2024年6月7日
- イベント
6/2(日)「体験授業オープンキャンパス」へのご参加ありがとうございました!▶︎▶︎▶︎Next ☞ 6/15(土)
こんにちは、文芸表現学科です!
6/1(土)2(日)に体験授業オープンキャンパスが開催されました。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!
体験授業オープンキャンパスとは、その名の通り、実際に授業を受けることで学科やコースの特色を知ることができる特別なオープンキャンパス。10学科24コースから選べる体験授業は、2日間で最大4コースの授業を受講できます。
授業を受けることで芸大生になった自分をイメージしやすくなったり、9月・10月に実施される「体験授業型入試」の模擬体験になったりと、いいことづくし!
今回、文芸表現学科では、「日常をテーマに、読者に届くおもしろい文章を書こう!」と称し、インタビュアー・ノンフィクション作家の木村俊介先生と、詩人・編集者の中村純先生による、エッセイの授業が開講されました。
残念ながら今回は参加が叶わなかった……という方のためにも、6/2(日)に実施された授業の様子をお届けします!
★6/1(土)のイベントレポートはこちら▶︎▶︎https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=178459
みなさんのなかには「エッセイ」という言葉が聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。
エッセイの語源はフランス語の「エッセ=試み」からきており、日本では一般的に「随筆」という意味で用いられています。
筆者の体験や意見・感想などを、形式にとらわれず書き記したもののことを指し、みなさんもご存知であろう清少納言の『枕草子』が世界初のエッセイだといわれています。
なんと、平安中期・1,000年以上も前から、人々は心に浮かぶ物事を思うがままに綴る手法を持っていたということです。
エッセイというものについてわかったところで、近年のエッセイを読んでみます。
参考資料は装丁家・矢萩多聞さんの『美しいってなんだろう?』という著書から「ことば」について書かれたエッセイを一部抜粋したもの。在学生に朗読をしてもらいながら、なにがどのように書かれているのか、この文章のおもしろさを考えていきます。
著者:矢萩多聞、つた
出版社:世界思想社
発売日:2022年5月30日
価格:1,800円+税
ここで描かれているのは、矢萩多聞さんが祖母と作文のやりとりをしていたお話や、そのことによって自分の書く文章に変化が起きたお話、そしてとある支援学校で出会った中学二年生の女の子が書いた作文のお話でした。
この文章のおもしろさは、自分のエピソードをもとに内省していることにあります。
内省とは「なぜそう思ったのか」「なぜその行動を取ったのか」など、自分自身に問いかけ、考えや気持ちを深めることを意味します。
起きたエピソードをただつらつらと述べているのではなく、内省しているからこそ、矢萩多聞さんの文章はおもしろく、魅力的であることがわかりました。
さて、いよいよ今度は、高校生・受験生のみなさんに書いてもらう番です。
みなさんならどんなものを書くか、まずは頭のなかに浮かんだものを挙げていきます。
当日は少しお天気が悪かったこともあり「雨」というワードを挙げてくれた人、本学が山の斜面に沿うように建てられていることから「山」、京都の街中で感じた「にぎわい」、京都にあるユニクロの看板が茶色かった!という発見から「街の色」、今朝家を出るときに触れあった「犬」など、たくさんのワードが挙がりました。
これらのワードを手がかりに、まずは、とりあえず書いてみることに。
中村純先生の「いけるところまで旅をしよう」という掛け声とともに、執筆時間が始まりました。
書き上がったら、全体を小さなグループに分け、在学生スタッフとともに作品を読みあいます。
あるグループでは全員が「雨」という共通のテーマで書いていたことが発覚!
ですが、「今朝の雨」「普段の雨」など、誰一人として同じ切り口で話が展開されることなく、エッセイのおもしろさが顕著に現れた瞬間でした。
──つれづれなるままに、日暮らし硯に向かひて心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそもの狂ほしけれ。
『枕草子』と並び、日本三大随筆のひとつである『徒然草』の序文です。
手持ち無沙汰なのにまかせて一日中硯(すずり)に向かい、心に浮かぶさまざまなことを取りとめもなく書きつければ、妙に……という現代語訳になりますが、最後の「もの狂ほしけれ」については、いまだ現代語訳は定まっていないとされています。
「狂ったような」「馬鹿馬鹿しいような」という意味があり、「書いているうちに正気を失った」と捉えるか、「取りとめもなく書いたら馬鹿馬鹿しいものになった」という謙遜と捉えるかは、読者に委ねられる点ではありますが、忘れてはならないのが、これが日本三大随筆であるということ。
取りとめもなく書いたものが、なぜ数百年経っても読み続けられているのか。おもしろいのか。
矢萩多聞さんは著書のなかでこのように記しています。
──もしも、多少ことばがうまくいっていなかったとしても気にしない。それもふくめて読んでくれる人にゆだねられる余裕がいつのまにか身についていた。(本文より抜粋)
何気ない一日のなかに存在するトピックスを拾いあげ、筆のおもむくままに書き留める。そこから自分自身に問いかけ、文章を深めていく。
オープンキャンパスに向かうまでの道中になにがありましたか? ふだんの暮らしのなかで感じることはありますか?
におい、佇まい、気配、声、時間、空気、湿度、天候、印象、手触りなど、実はヒントは至るところにあります。
「いけるところまで旅をしよう」という中村先生の言葉には、「心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書く」ことを楽しもう! という意味が込められていました。
数百年前から、もうすでに、おもしろい文章を書く秘訣は伝えられてきたのかもしれません。
(スタッフ・牧野)
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●開催日時
6月15日(土)
13:00〜15:00
※事前予約制
●実施形式
オンライン(ZOOM)にて開催
※参加方法などの詳細は、お申込みいただいた方に学科よりご連絡します。
●参加登録&詳細はこちら!
https://hs-lp.kyoto-art.ac.jp/online/form/cource_bungei_2023
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●開催日時
6月29日(土)
午前授業…11:00〜12:40
午後授業…14:30〜16:10
※事前予約制
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京都芸術大学 瓜生山キャンパスにて対面実施
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