こども芸術学科

子どもであり続ける為に/池宮中夫先生による特別講義

こども芸術学科1回生の造形基礎Ⅰの授業に特別講義講師として、舞踊家でありアーティストの池宮中夫先生に来ていただきました。

 

1月13日(水)に、大学内の一番高い場所にある千秋堂にて3、4講時の授業を様子をご紹介いたします。

■授業テーマは、

「子どもであり続ける為に 芸術の価値と働きかける力を問う」です。

芸術の役割、意義、必然を体験し学生自身の秘めた、眠っているポテンシャルを引き出すことを狙いにしています。

 

−呼吸で身体を動かし、既成概念や観念に囚われた自身を解き放つ−

演習1:意識した呼吸で動きの効果を実感、応用、表現へ繋げる。

演習2:場所やモノ、ひとにより呼吸が変わることを体験 発想や魅力を個別やグループで掘り下げる。

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こちらが、大学の一番高い場所にある千秋堂です。木つくりで、周りは木々に囲まれて素晴らしい環境です。

 

まず、先生からお話を聞いて、身体をつかうダンス、舞踊、パフォーマンスなど様々な手法により実践的に演じ発表をしてきているので、呼吸や体の機能に関する知識は、私たちにはとても新鮮でためになるお話ばかりです。

最初は、固くなった現代人の私たちの体をほぐしながら体や精神を解き放って行きます。布団の片付けイメージで、下から放り投げるように体と腰、手を大きく動かします。先生は、はやく布団を片付けなさーいと言葉で発しながら大きく体を使う行為は、まさに遊びを入れながらのストレッチで楽しく授業がはじまりました。

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こちらも、2人一組になって、足を脱力し立っている人が足を縦横に揺すり足の力を抜くことをします。寝ている人の体の力が脱力したら、足を持って引っ張って動かします。寝ている人がいかに体の力を抜けるかが大切な要素で目をつむり、ゆだねる行為は究極なリラックスを体感出来るようでした。常勤の教員2人も体験しまして、とても心地のよい宙に浮いているような感覚はとても新たな発見でした。

その他、数名での動き、グループでのスナップショットでポーズを取るなど子どものような楽しげでそれでいて、身体を豊かに使う授業が続いて行きます。

 

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さて、室内の授業のあとは、千秋堂から歩いて30秒に位置する楽心荘で授業が行われました。ここも京都市内が一望出来る素晴らしい環境です。デッキがあり、このデッキで数名での鬼ごっこがスタートしました。とても俊敏に動きまわり、子どもにほんとかえっている感じでした。普段忘れている体の動き、感性、歓声を呼び覚まされていくようです。

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こちら楽心荘と隣合わせる山の斜面にて、一人一人ポーズを決めて全員でパフォーマンスをしました。決まってますね。

最後は、千秋堂に戻り、4名で背景に音楽を流し短時間のパフォーマンスをして発表をしました。

 

 

「子どもであり続ける為に 芸術の価値と働きかける力を問う」として、授業を行っていただきまして大変有意義で体に眠っていっるポテンシャルや感情などを発見出来たのではないでしょうか。とにかく、授業の間笑い声と真剣な瞬間、ゆっくり動くこと瞬発的に動くことなど、規則正しい大学生活の在り方に一石を投じるような授業の在り方であり、こども芸術学科の学生達には特に貴重な授業を受けられた感じます。

 

池宮先生は、授業の冒頭で、芸術とは何だろうと考える前に、また教わるとか、資格を取るとか決められたことを消化していくカリキュラムはとっととやってしまい、勉強する時間の「それ以外のものがあり大切で」、今まさに直面しているはずだと。自分の時間であり、自分の環境を大事にして欲しいと。頭、体、感覚を資源として持ち歩いていって、大学と言う場と瓜生山と言う環境の資源を出会わせて、仲間と意見を語らい、潜在しているものを引き出し合うことが出来るのであれば、生きていること、生活していること、大学で活動している中でこれって「芸術」じゃないかと言う気づきを見出せるのではないかと。

「子どもであり続ける為に」は、混沌とした現代社会の中で頭と体が凝り固まったものをほぐして行き、子どもの頃に持ち得ていた純度のある感受性や身体の柔軟性などをあらためて見つめ受け取り直し、その中でも進化して行くべき未来と社会にいかしつなげていくことなのかなと思います。

 

 

今回の授業前に、池宮先生にこども芸術学科教員の村山の作品とのコラボレーションパフォーマンスをしていただきましたので、その時の様子も少し紹介いたします。

 

テーマは、「デバイスー身体技法」として、

京都造形芸術大学・瓜生山キャンパス、人間館1階ピロティsyoDSC_9476にて20分間パフォーマンスが行われました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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寒風の中、ゴミのように台車に乗せられて来て、そこから落とされてパフォーマンスがはじまりました。白と黒のマントに身を包み、風を受けながら縦横無尽に村山の作品と観者の前に躍動しました。総ての動きと静止した時の動きも絵になる美しさであり、身体の可能性と人間に潜むうずまいている感情をダイナミックに感じることが出来素晴らしいものでした。

 

今回は、東京から京都までお越しいただきました池宮先生本当に有り難うございました。京都造形のため、こども芸術学科のため、大きな学びの時間をいただきました。

 

(教員・村山修二郎)

 

 

 

 

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