- 2016年12月3日
- 日常風景
子どもであり続ける為に 特別講義ワークショップ/池宮中夫先生
11月30日(水)に、造形基礎Ⅰの授業の中で、特別講義・ワークショップとして、世界を舞台に活躍するアーティストの池宮中夫先生に来ていただき、1回生と一部3回生(Aゼミ)が参加しました。
池宮先生は、今年の1月にも来ていただき、今回のワークショップテーマと同じ「子どもであり続ける為に 芸術の価値と働きかける力を問う」芸術の役割、意義、必然を体験し学生自身の秘めた、眠っているポテンシャルを引き出 すことを狙いにしたものでした。この際は、こども芸術学科教員の村山修二郎の作品と、池宮先生のパフォーマンスによるコラボレーションを、人間館1階のピロティで行いました。
まずは、今年も大学内のカフェBREATH KUADに池宮先生が現れ、カフェでくつろぐ人々の中を縫うように、静かに華麗にパフォーマンスが行われました。
学生達との初対面の挨拶も兼ねて、パフォーマンスを行っていただきました。
今まで生でパフォーマンスを見たことない学生達は、ドキドキ驚きと共に見ていたことと思います。さらに日常の人工的なカフェでのパフォーマンスにより、カフェを異空間に変えつつも、紛れ込むように風のように人と人の間を舞っているように見えましたね。
池宮先生のパフォーマンスを生で見られ、ラッキーでしたね。しかし、カフェにいる学生達の反応が結構鈍いのには少し驚きました。日常の中でも、常に電波をはっていて欲しいと思います。
さて、さっそくパフォーマンスが行われた人間館から歩いて至誠館の横の階段を上がり、人工と自然の間を探すワークショップの開始です。
池宮先生は、午前中に瓜生山を中心にワークショップの場をリサーチしていただきました。かなり山の深部にも行き、ここが丁度瓜生山の自然が多い場所の一歩手前の広場です。
そして、こちらが大学の一番高い位置にある建物の千秋堂です。周りは木々に囲まれて素晴らしい環境です。まず、室内のここから身体の可能性や在り方などを、身体を動かしながら体感していきました。
全体での動き、個人での動きなどをいろいろ行い、グループになってのパフォーマンスがはじまりました。はじめは、照れくさそうにしていた皆さんも身体がほぐれて行くうちに、心もほぐれて行き、自己の身体で表現を自然にはじめていました。
いいですね、すでにかっこいいです。素晴らしい。
次は、外に出て楽心荘のデッキなどでパフォーマンスが展開されました。
素晴らしい、かたちになってきました。自然と共にいる感じです。
次は、瓜生山の自然部に入って行きますが、このロープは、教員の村山の作品です。体験型のもので、秋田や香川でのアートプロジェクトでも展示発表したものでもあります。タイトルは、「森の音」、「山の音」などで、目を閉じて手でロープを頼りに歩いて行き、いろんな感度を研ぎ澄ませて、自己の存在や様々な音や気配を感じ得て、数分後に目をあけて見る景色はきっと新たな世界が見えると言うものです。
大体この辺りが瓜生山の一番高い位置になります。1月のコラボレーションパフォーマンスではありませんが、今回も学生のために作品を展開しました。ここだけの一瞬の展示でしたね。
ここからほど歩くと、景色の良い場所に出て、ここで池宮先生のお題で目を閉じるパフォーマンスを行いました。
いいですね、空気や風を感じて立っているたたずまいが。
学内の瓜生山は細い歩ける道が沢山あるので、その中を進んで行き、ワークショップが続いて行きます。ここは坂をパフォーマンスしながら降りています。自然と笑顔になりますね。
こちらは、大学の学生教員含めてほとんど知られていない、素晴らしい紅葉の場所です。午前のリサーチ時に発見して、ここでワークショップ。楓の下で好きなように見ると言うお題で、それぞれが見ると言う行為を意識しながら堪能しました。
ここは、シダの群生地で他の場所にはない雰囲気が良かったですね。植物と会話をするように。
そして、瓜生山の寒い中から、千秋堂に戻ってきました。身体を動かしたのと寒かったのもありますが、戻ってみると皆寝転がって、寝パフォーマンスをしているようで、開放された身体のようにも見えました。池宮先生も素晴らしいと言ってくれました。
4人一組で寝ながらの中心に集りつつパフォーマンスです。形が様になって、だいぶ脱力した身体の可能性を感じているようです。
最後は、先ほどの4人一組で、夕日からの光に向かってそれぞれがパフォーマンスをしていきました。ここまで来ると、照れはなくなり、自在に動く様が、純粋に、いろんなものを忘れて、殻を破り何かの生命が動き出しているようにも見えました。
皆よかったです。
そして、
池宮先生の最後のお話を聞いて、質問を受けここで終了です。
お疲れ様でした。
先生の話は、とても物事の芯と心をついている言葉ばかりでしたね。大学生活のことや生きること、身体のこと、未来のことなど、皆さんにとってどれだけ理解が出来たかわかりませんが、きっと理解ではなく心と身体で感じているものですから、それがいつ理解するかはまた各自異なるのだと思います。現実として実践して体感した事実は、いつまでも残ると言うことですね。それが今の若い皆さんにはとても重要です。
今回のように、こども芸術学科では、テクニカルな芸術を学ぶだけの授業ではなく、本物のアーティストに会える機会、社会と関わり、自然に触れ、子どもから学ぶ機会などもより多く提供して行きます。これは、何と言っても他科や他大学にはない学びが確実にあります。これらは即効的に、目に見えて成長がわかることではまだないかと思いますが、確実に身体の中に学びが浸透して自己を形成していくことになっています。絵、デザイン、などのわかりやすい分類ではないことが、逆にオリジナルの個の表現を見出すチャンスが、こども芸術学科には溢れているのだと思います。
来年1回生として入学する皆さん、現在高校2年生の皆さん、そして現在学生の皆さん、是非こども芸術学科で共に新たな分類の表現や活動をつくって行きましょう!
それでは池宮先生、お忙しい中、京都までお越しいただき、丁寧かつ熱意をもって学生に接し多くの学びを置いて行っていただき感謝いたします。
ありがとうございました!
(村山/教員)