文芸表現学科

プロフェッショナル特講IIー小説家・辻井南青紀先生

メイン写真の撮影は、文芸表現学科4年生の「井上ユリ」さん。

メイン写真の撮影は、文芸表現学科4年生の「井上ユリ」さん。


9月28日(金)、前期授業に引き続き、文芸表現学科の先生を知り「文芸」の仕事を学ぶ授業、
「プロフェッショナル特講」が始まりました。
 
後期授業の初回を担当してくださったのは、辻井南青紀(つじいなおき)先生
現役の小説家であり、長年、文芸表現学科でご教授いただいています。
 
小説版『蟲師』は映画版とは違ったラストが楽しめるとのこと。

小説版『蟲師』は映画版とは違ったラストが楽しめるとのこと。


辻井先生は、文芸表現学科の専任教員として主に「創作」に関する授業を担当してくださっています。
また、文芸表現の観点から映画作りについて学べる、映画学科との共同授業でも講義をしていただいています。
先生のゼミでは、創作に没頭したいという学生たちが集まっていて、
クールな外見とは裏腹に、学生たちには熱意とロジカルさを大切にアドバイスをしてくださっています。
 
 
 
授業の様子
そんな辻井先生の講義タイトルは『“世界”文学の現在地--今、何をどう書けばよいのか?』。
日本での文芸の現状に加え、異国から見た日本や、海外文学の歴史・悲劇の構造についてなど、
多角的な視点から文学についてお話しくださいました。
 
 
学生
主にこの授業を受講しているの1年生。
大学で文芸を学ぶということについて、
辻井先生は「自身が書いた文章がどういった価値を持っているのか、ということを考える段階」である、
と熱く学生たちに語られていました。
 
そのためにも、日本の作品や出版業界のことだけでなく、
異国の世界を知ることで、自身の立ち位置が見えてくるのではないか、とも仰られていました。
 
また、読者と作者との繋がりは、小説に書かれた「問題の共有」であるとのこと。
学生たちはどういった「問題」を発見し、それを文章の中で「告白」していくのか。
 
 
 
今回、辻井先生は先生というよりも、文芸表現を行う同志として、学生たちに語られていたように思います。
授業後のレポートや感想を見てみると、そうした先生の「ことば」と世界に触れた受講生たちは、
視野が広がったと感じた子や、文章を書く意義を改めて思い出した子など、
学んでいくことへの意欲が高まったようでした。
 
文芸表現学科の先生方は、
小説家、編集者、作家、研究者、詩人、歌人、脚本家などなど、様々な「世界」をお持ちです。
そんな先生たちとの関わりや、学科での学びから、学生たちには漠然としていた世界をどんどん明瞭化していって、
自分の世界だけでなく、人と共有できる世界を広げていってもらえたらなと思います。
 
 
さて次回は、京都の丸太町にある書店「誠光社」の店主である「堀部篤志」先生に、
『書店へ足を運び、本を買い、読むことの意味』というタイトルでお話しいただきます。
 
プロ特講202
プロフェッショナル特講Ⅱ
『書店へ足を運び、本を買い、読むことの意味』
日時 2018.10.5(金)16:30-17:50
場所 NA412(※本学学生は聴講可能)
講師 堀部篤史(書店「誠光社」店主)
京都市左京区出身。1996年、恵文社一乗寺店にアルバイトスタッフとして勤め始め、2002年より店長を務める。2015年同店を退社、独立し、同年11月京都市上京区河原町丸太町の路地裏にて「誠光社」をオープン。著書に『本を開いてあの頃へ』、『本屋の窓からのぞいた京都』、『街を変える小さな店』などがある他、『ケトル』、『アンドプレミアム』、『本の雑誌』を始めとする雑誌連載、執筆活動も行う。

 
 
 
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「知りたいことがあるけれど、どう調べたら良いかわからない」と学生に聞かれることがありますが、
そのことに関わる世界の渦中にいる人の「ことば」を聴くのがオススメです!
 
ということで、
10月25日(木)開催する『多和田葉子 詩のワークショップ&朗読講演』が、
文芸表現学科の学生たちにとって、とっておきの学びの場となれば良いなと思っています。
 
2部の「朗読講演」は、一般の皆様もご来場いただけますので、ぜひお越しください。
皆様のご参加、心よりお待ち申し上げます。
 
 
 
tawada
多和田葉子 詩のワークショップ&朗読と講演
開催日 2018.10.25(木)
第一部 詩のワークショップ(文芸表現学科学生のみ)
    15:00-17:00/NA207教室
第二部 朗読と公演(一般聴講可)
    18:00-19:30/NA401教室
    ※お申し込みは不要です。
共催 文芸表現学科/大学院
問い合わせ office@creativewriting.jp(担当:竹内・大賀)
      606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116
      075.791.8039(平日:09:00-17:00)
 
       
多和田葉子(小説家/詩人)
1960年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒。1982年、ドイツ・ハンブルクへ。
ハンブルク大学大学院修士課程修了。チューリッヒ大学大学院博士課程修了。
1991年「かかとを失くして」で群像新人賞、1993年「犬婿入り」で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花賞、2002年『球形時間』でドゥマゴ文学賞、2003年『容疑者の夜行列車』で谷崎潤一郎賞、伊藤整文学賞、2011年『尼僧とキューピッドの弓』で紫式部文学賞、『雪の練習生』で野間文芸賞、2013年『雲をつかむ話』で読売文学賞と芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)を受賞。近著に『献灯使』などがある。日独二ヶ国語で作品を発表しており、1996年にドイツ語での作家活動によりシャミッソー文学賞、2016年にはドイツで最も権威のある文学賞のひとつクライスト賞を受賞。2006年よりベルリン在住。
 
 
 
(スタッフ・大賀)
 
 
 
 
 

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