- 2018年12月11日
- ニュース
地球の中を見ました
キャラクターデザイン学科の村上です。
今日は本学の学長である尾池和夫先生による地震学の講義「地球の中を見る–日本列島の地下」が行われました。
目に見えない地面の中の構造や地震の成り立ちを知るという講義です。
なぜキャラクターデザイン学科なのに地震学の講義!?と思われるかも知れません。
しかししかし、よく考えてみて下さい。
見えないものを見える形にするために対象を観察し理解するということは
「地震学」でありながらこれこそ「芸術」の本質ともいえるわけです。
地震には発生しやすい季節があるという意外な話や、2038年に起こるといわれている
南海トラフ地震のメカニズムについて解説していただきました。
2038年に地震が起こるとされる根拠については、尾池先生の著書「2038年南海トラフの巨大地震」を参照されたし。
2011年に東日本大震災が発生したときの、過去数日間に渡る地震分布図を1日を
1秒にまとめてアニメーションのようにして見ると、太平洋プレートに強い圧力がかかって
小さな地震が勃発し始め、やがて耐え切れなくなった岩盤が破壊されて巨大地震が発生…!
という様子をリアルに感じることができ、学生たちの間でも歓声が沸き起こっていました。
これこそ見える化による効果ですね。
続いてジオパークの紹介をいただきました。
ジオパークとは、「大地(Geo)」と「公園(Park)」の組み合わせによる造語で、
楽しみながら地球のことを学ぶことができる場所を指します。
ジオパークには場所によって異なる特徴があります。
その多様性を理解し認めることで地球を理解することができる。
つまり地球を理解することによって自然災害にも対応できるようになるということです。
学ぶ上で何より大切なのは、写真や映像だけでものを見るのではなく、実際に現地へ赴いて「観る」ということ。
これは作品作りでも同じことが言えますね。
自然災害について尾池先生がよく使う言葉で「正しく怖がる」というものがありますが、
これこそ科学と芸術を融合させた名言だと思います。
2001年から2018年までの地震分布図。色が濃すぎて日本列島が隠れてしまいました…。
最後には地震だけではなく水不足の問題や人口減少の問題についても触れ、
これからの社会でどう生きるのかを提起する有意義な授業になっていました。
漫画やアニメーション、VRやゲームというエンタテインメントの力を用いて火山や地震の構造を理解し、
安全を訴えるために見えないものを見える形にする。これも本学ならではの取り組みだと思います。