本文へ移動

(大学院)文芸領域 増本 有加里

詩的な⼩説をつくるということー実践と私⾒ー
~掌編集と創作のためのガイドライン~

<作品名>
掌編集「オーバーフロウ」・「詩的な小説を書くにあたっての指針―萩原朔太郎『詩の原理』、『詩の作り方』をもとにして―」

本研究の制作物・研究成果物として、掌編集「オーバーフロウ」・「詩的な小説を書くにあたっての指針―萩原朔太郎『詩の原理』、『詩の作り方』をもとにして―」を提出する。

梗概は以下のとおりである。

① 「詩的な小説を書くにあたっての指針―萩原朔太郎『詩の原理』、『詩の作り方』をもとにして―」
本研究は詩的な表現を用いた小説をつくるために、制作にあたっての指針・ガイドラインを制定しようと試みたものである。
はじめに「詩的」であるとはどういうことなのかという問いを立て、それについて考察した。考察するにあたって主要文献としたのは、萩原朔太郎による詩論『詩の原理』、『詩の作り方』である。これらの文献をもとに、文法や作品の⾧短といった形式的な面から詩とはなにかを検討した。
つぎに、小説と詩の違いについて、芥川龍之介の小説『羅生門』と萩原朔太郎の詩「竹」を比較することで明らかにした。
以上の考察の結果をもとに、次に「詩」と「小説」の違いを両者の内容から検討した。そこから、その「詩」の要素をもったものを「詩的」なものであると定義した。この定義をもとに、自分が詩的な小説を書くにあたっての指針として、「詩的な小説」を形作る要素を次のように示した。
1 作品の⾧さについてはこれを自由に設定できる。
2 文章や描写の整合性に必要以上にこだわらない。
3 その効力が認められる場合に限り、意識的に文法規範より逸脱した文を書 いてよい。
4 主観的な内容を、客観的に叙述するよう心がける。
5 一つの言葉の意味、イメージを多角的にとらえた上で使用する言葉を決 定する。
6 時間の経過に伴う登場人物の感情の変化ではなく、登場人物のなかに生じたひとつの感情に着目する。
7 一作品の中では紙幅を多く割いて⾧い時間軸を扱わない。 
以上の 7 項目を作品制作の指針として制定した。

② 掌編集「オーバーフロウ」
以上のガイドラインをもとにして、表題作「オーバーフロウ」を含む全 14 作品を収録した掌編集である。

増本 有加里

(大学院)文芸領域

このコースのその他作品