本文へ移動

和の伝統文化コース 小野 祐子【学科賞】

 日本のいけばなの系譜の中に「文人花」というものがある。それは中国由来の抛入花(なげいればな)である。
 日本で数回隆盛を極めたが、現在では数える程しか流派は残っていない。まず、中国文人の花の精神と姿をおさえ、日本でどのように享受されたかを通史的に追った。そして、衰退の原因と今後を考察した。その結果、煎茶の世界では、ほぼ原型を留めながら残っていくものの、いけばなの世界では「自然と人間との一体」という精神をベースに「文人花」の特徴のいくつかを踏襲しながら、様々な形で残っていくのではないかと結論付けた。

 長年、いけばなに携わってきたが、大学入学当初は「文人花」で卒業論文を書くとは思っていなかった。瓜生山の図書館で出逢った一冊の本に導かれ「文人花」の世界に入っていった。「文人花」は中国由来の花であったため、「和の伝統文化コース」に在籍しているにもかかわらず、中国の思想や文化を学ぶことになり戸惑いもあった。しかし、卒論を書き進める過程において、「文人花」という世界だけではなく、その奥に広がる深い世界に触れることができ、何ものにも変え難いものとなった。これらを携え、これからも学び歩み続けていこうと思う。


「文人花」の今後に関する一考察 ―精神と花の姿に着目して―
神奈川県

小野 祐子【学科賞】

和の伝統文化コース

このコースのその他作品