淡路人形の代表作「賤ヶ嶽七本槍」のあらすじをご紹介。

11月 05日, 2012年
カテゴリー : 過去の公演 

皆様、こんにちは。上田でございます。
突然ですが、皆様の家の近くに変わった建物はありますか?
私の家の近所には伏見桃山城があります。
伏見桃山城は、豊臣秀吉が晩年の居城として桃山時代の粋を集めてつくった大城郭でした。
現在は、模型天守で作り物ですが、夜になるとライトアップされている日もあり、住宅密集地に浮かび上がるお城はなんとも不思議な光景です。

来年1月19日(土)に開催します「第二回 淡路人形浄瑠璃 春秋座公演」では、【賤ヶ嶽(しずがたけ)七本槍 清光尼庵室(せいこうにあんじつ)の段】を上演します。
先ほど豊臣秀吉の話題を出しましたが、そんな豊臣秀吉が羽柴の姓を名乗っていた頃の時代の話です。
全部のあらすじをご紹介すると長くなりますので、
今週は、まず「賤ヶ嶽七本槍」のこれまでのあらすじをご紹介します。

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 本能寺の変で小田春永(織田信長)が命を落とし、逆賊武智光秀(明智光秀)も滅んだ後、小田家の跡目相続をめぐって、柴田勝家真柴久吉(羽柴秀吉)が対立していた。

 安土城の評議で、柴田勝家が押し切って春永の次男春孝を跡継に定めるが、その後の大徳寺における春永の法要では、久吉が武力を用いて春永の嫡孫(死没した長男の子)三法師を一番に焼香させ、諸大名の目の前で後継を宣言する。

 一方、柴田真柴と並ぶ小田家の重臣であった足利政左衛門時氏(前田又左衛門利家)は、小田家の跡継を嫡流たる三法師に定めるべきと考えていたが、三法師が義理の娘蘭の方の子であったため、安土城評議の席では発言をひかえ、後継が春孝に決まった後、密かに三法師を連れ帰ってかくまっていた。
(その後、大徳寺で久吉が一番に焼香をさせた三法師は偽物だった)

 そうした状況のもと、政左衛門の娘深雪は、大徳寺の法要の日に柴田勝家の息子勝久と出会い恋に落ちるが、叶わぬ恋を苦に出家して尼(清光尼)となり、鏡山の庵室にこもっていた。
また深雪の姉の方もこの庵室に来ていたが、小田家転覆を謀って失敗した滝川将監の養女として小田家に嫁いでいたため、三法師跡目相続の障害として、久吉政左衛門に対し蘭の方を討つように促していた…

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いざこざの中で生まれたロマンス。しかし叶わぬ恋だと出家してしまうなんて、なんだか切ないですね…

法要で焼香させた人物が実は替え玉だったとか、義理の娘は小田家の転覆を謀って失敗した武将の養女になったとか…
様々な策略が渦巻いてなにやらとても複雑な人間関係…(-o-;)
文章を読んで既に頭が混乱しております。
登場人物が多く複雑な人間関係を判りやすく人物相関図を春秋座HP公演チラシに掲載しています。
人物相関図とあらすじを併せて読んでいただければ判りやすいかと思います(^o^)

来週は、春秋座で上演する【清光尼庵室(せいこうにあんじつ)の段】のあらすじをご紹介します。

深雪の恋の行方は、義理の娘を討てと命じられた政左衛門は一体どうするのか…

はたしてその結末はいかに!

次回、ご期待ください。

上田