文化財保存修復・歴史遺産コース

歴史遺産学演習Ⅰ Aクラス~授業5回目~

こんにちは。歴史遺産学演習1のAクラスの5回目の授業概要を報告します。

Aクラスではこれまで漆を使った伎楽面の模造の過程を中心に報告してきましたが、そのほかに、舞鶴布敷地区に伝わる江戸時代の仏像を昨年からお預かりしており、その調査と修復も併行して継続しています。

今回は如来像について、納入物があるかどうかを確認するためにX線撮影と、X線画像をもとに図面作成を行いました。

この如来像には底板が貼ってあるため、内部の様子が分かりませんでした。

そこで今回、X線で透視撮影をすることになりました。

その結果を簡単にご紹介します。

 

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J15の実験室にあるX線撮影室に仏像を搬入し、撮影準備完了です。

 

 

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お顔の部分のX線像をモニターで観察しているところです。

画面全体に網目のように映っているのは螺髪です。

そして中央やや上に、黒くて丸い点があるのは白毫です。

その下の両側にうっすらと黒く、細い長円形にのびているのは目になります。

 

 

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これは右肩付近のX線像です。右肩部分に木と木をつないだカスガイが黒く写っています。脇の下付近にもう一つ、肩のカスガイと直交する方向にカスガイが打たれていました。この仏像が寄木造りであることがわかります。

 

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左肩にも、右肩とほぼ同じ位置にカスガイが打たれていました。

 

 

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左足の付け根付近、左膝付近、底板にもカスガイが打たれていました。

 

 

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観察したX線画像をプリントして画像を重ねあわせ、3班に分かれてカスガイの位置を図面に落とすことにしました。

 

 

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調査結果を修理報告書に載せる予定です。

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