- 2021年2月26日
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ゼミ通ヒーローズ Vol .32 石倉凛太郎・井沼田稜とゲームゼミを振り返るの巻 Part 1
※「ゼミ通ヒーローズ」とは、京都芸術大学キャラクターデザイン学科ゲームゼミの学生の研究や取り組みについてピックアップし、担当教員村上との対談形式で綴る少々マニアックなブログ記事となっています。
今回のゼミ通ヒーローズは、ゲームゼミ十二期生で現4年生の石倉凛太郎さんと井沼田稜さんと、卒業制作作品「TASQUEST(タスクエスト)」の制作を通して、ゲームゼミでの学びそのものを振り返ってみようと思います。
「TASQUEST」の展示風景
村上
石倉はもうゼミ通ヒーローズには3回目の登場…かな?で、井沼田は初めてだね。
石倉凛太郎(以下石倉)
3回目ですけど、また自己紹介からやりましょうか?
村上
いや、昔のリンク貼っとくわ。石倉についてはこれを読めと。
https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=99718
ゼミ通ヒーローズvol.04「石倉凛太郎と脱出ゲームについて語る」の巻。
石倉凛太郎さん
井沼田稜(以下井沼田)
で、僕がゲームゼミ4回生の井沼田です。宜しくお願いします。
井沼田稜さん
村上
…?それだけ?なんかアピールとかないの?
井沼田
ゲームゼミ内の珍しい苗字ランキング一位の井沼田です(笑)。
石倉
追加情報それだけ?(苦笑)
村上
もう少し実のある話が聞けると思ったのにな。しかも軽くスベり気味だし(失笑)。
さて今日は卒業制作の話とかそれにまつわるゲームゼミの過去を振り返るような総括的な話にしようと思ってるので、まずはこの二人が共同で制作した作品から話を聞かせて下さい。
石倉・井沼田
はい、宜しくお願い致します。
村上
卒制のキックオフミーティングでこの二人がチームを組むと聞いたときに、すんなりと納得できたんよね。二人とも一年の頃からプレゼンが上手かったし、割と安心して見ていられる安定の学生という印象だったから。
で、いつもは「なんでこの大学に来たのか」という所から話をスタートしてるんだけど、
石倉
じゃあ僕から話しましょうか?
村上
いや、もう以前ガッツリと聞いてるから石倉はもういいわ。リンクで(笑)。
https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=99718
ゼミ通ヒーローズvol.04「石倉凛太郎と脱出ゲームについて語る」の巻。
石倉
そんな…(笑)
井沼田
じゃ僕いきます。自分は元々普通科の高校で、大学の受験も一般大学を受けようと思ってたんですけど、やっぱり好きなことをやろうと思って。ゲームについて学べるところがないかと思って調べてたらここが見つかったって感じですね。
村上
元々はプランナー志望?
井沼田
よく分からなかったんですけど、どうせ芸術大学に行くなら絵も描けた方がいいのかなーくらいの感じでした。
村上
そういえば井沼田の絵ってほとんど見た覚えがない…。
井沼田
そうですね。入試の時と、一年生のときの課題でしか描いてないですね。
村上
じゃあ、今こんなことをやってるとは想像もつかなかった?
井沼田
いや、これもあり得るかな、とは思ってましたよ。最初から絵がメインとは考えてなかったので。
村上
よかった。じゃあ村上に人生狂わされた的なことではないのね。
井沼田
はい、それは大丈夫です(笑)。むしろやりたかったのはゲームプランニングなので。
石倉
逆に僕は影響受けましたけどね。元々はゲームゼミがあるからという理由でここに来たわけではなくて、絵を描きたいなと思って来たらゲームの授業が面白かったので、そこから今に至りますね。
村上
二人ともゲームゼミに入ってから、アナログゲーム、デジタルゲーム、脱出ゲーム、その他にも立命館大学との連携プロジェクトやら色々やってたね。
で、今日は卒業制作の話をしていこう。
石倉
はい、自分たちは「タスクエスト」というタイトルのタスク管理アプリを作りました。ゲーム性やビジュアルデザインだけではなくて、大学4年間で学んできたゲーミフィケーションの考え方をもとに何か面白いことができないかと考えてから「タスクで遊べたら面白いじゃん」って思って。
コロナ禍のご時世、ずっと家にいるなら身の回りのものを面白くできないかと思って、日々のタスクそのものを遊びにしようと思ったんですね。自分が今までやってきたライフハックをアプリとして提供できたらと考えたところから企画が始まりました。そして井沼田に声をかけて共同で作ることになりました。
TASQUESTの画面
石倉
タスクにクエストを足して「タスクエスト」っていう語呂が気に入って、それが企画の発端になりましたね。これを形にしたら面白いなーみたいな軽い気持ちでしたけど、構想の段階である程度の面白さは担保できているなという確信もあったので、制作に踏み切りました。
井沼田
従来のタスク管理アプリというと、自分のやるべきことが視覚化できて、何をどれだけやればいいのかが分かるからやる気に繋がる、というものが多いと思うんですけど、この「タスクエスト」は、タスクをこなすモチベーションを遊びに置き換えられないかと考えたところがあって、タスクをこなすとご褒美がもらえて、そのご褒美によってアプリ自体をカスタマイズしていけるというシステムになっています。
アンドロイド版のみですけど、リリースするところまで持っていくことが出来ました。
「TASQUEST」はGoogle Playのサイトからダウンロードできます。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.Inumakura.TasQuest
村上
中間合評で出してきた企画と最終合評で出したもので少し内容が変わってる部分があるんだけど、その違いについて触れてみようか。ターゲットも変えたよね。
石倉
そうですね、まず中間合評のときまでは、「普段から無意識にタスクを行なえる人」をターゲットにしていました。極論を言ってしまえば、タスクアプリを使う人って、タスクを行なう人じゃないですか。でも自分たちがやりたいのは、タスクをこなせない人のやる気を促すゲーミフィケーションだったんです。つまりタスクを実行する人をターゲットにするんじゃなくて、そもそもタスクを行なわない人に向けたタスク管理アプリにしたいという点に変わりました。
社会人ならタスクがあるのは当たり前ですけど、タスクの義務が薄い大学生をターゲットにした方が面白いんじゃないかと考えて企画を練り直しました。
村上
企画当初は、リアルでのタスクをこなすとミニゲームが手に入って、そのゲームのスコアによっても色んな特典があって…というような構成になってたよね。ミニゲームを集めて遊ぶっていうのが、任天堂の『wii Fit』の感覚に近いのかな。タスクをこなしながら健康になって家族のコミュニケーションも深まり、更に遊べば遊ぶほどにポイントがたまってミニゲームが解放されていって、そのミニゲームで遊べば更にカロリーを消費するからダイエットにつながるという。
井沼田
任天堂らしい、良いこと尽くしのプレイサイクルですよね。
石倉
元々の企画はそんな感じだったんですけど、要素が散漫になって中途半端な形になるんじゃないかと思って。またコンセプトの着地点もボヤけてきそうだったので、単なるミニゲーム集になるくらいなら根本的に考え直そうって先生に指導されましたね。
村上
余計なものを削除して企画の本質を見直そうと伝えたね。あと、コロナの影響でやらなきゃいけないことがなかなか進まないってことで、そんな制作中の自分たちの姿を反映させて考えたらもっとリアルな企画になるんじゃないかって話もしてたよね。
井沼田
家に籠ってると全然仕事が進まないので、それを反映させたら企画がスムーズに進み始めましたね。
石倉
要するに自分たちが欲しいものを作ったってことです(笑)。
村上
卒業研究の動機としては全然それでOK。
で、実際に完成してみて、どうだった?
Part2に続く