文芸表現学科

三十一文字(みそひともじ)の魅力【学生ブログライターによる執筆】

こんにちは、文芸表現学科です!

 

 

これまで学科全体のニュースや、在学生・卒業生の出版情報などを私含めたスタッフがお知らせしてきましたが、もっと「文芸表現学科の内側」を知ってもらおう!ということで、文芸表現学科で日々学ぶ学生がブログライターとして学科ブログの取材執筆を行なっていくことになりました。

 

学生ならではの視点で、よりリアルな文芸表現学科をこれからお伝えしていければと思います。どうぞよろしくお願いいたします◎

 

記念すべき第一回目は、在学生・卒業生が主体となり毎月開催されている「上終歌会」について。

1年生・工藤鈴音さん、後藤心さんが実際に歌会に参加し、その様子を執筆してくれました。

 

 

(以下、学生ブログライターによる執筆)

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突然ですが、皆さん7月6日は何の日かご存知ですか?

 

正解は……サラダ記念日です!

 

俵万智さんの第一歌集『サラダ記念日』はベストセラーにもなりました。皆さんも国語の教科書などで一度は目にしたことがあると思います。

 

 

五・七・五・七・七の三十一音からなる短歌。

今回はそんな短歌を詠み、互いに感想や評を交わす、歌会を見学させていただきました。

 

 

文芸表現学科では、卒業生と在学生が一緒に【上終歌会(かみはてかかい)】という活動をしています。

2016年8月から活動がスタートし、もう五年目。『上終歌会』という冊子も刊行されています。

 

 

 

普段は月に一度のペースで、対面のかたちで開催されているようですが、私たちが見学させていただいた6月24日の歌会はオンライン上での実施でした。

歌人である永田淳さん、そして見学のメンバーを含め、十人で行われました。

 

 

 

歌会前日までに一人二首まで短歌を提出することができ、それらをシャッフルし、作者名の伏せられたものが前もって参加者に配布されました。

一目見たときから、丁寧に並ぶ短歌と短詩ならではの余白の美しさに感動しました。

 

 

歌会当日は、まず、歌の投票からはじまりました。今回は16首3首選ということで、一人ひとりが好きな歌を三首選び、投票しました。

投票後は一首につき5分から10分ほど話し合いが行われました。

 

この日一番多くの票を集めたのはこちらの作品です。

 

 

花びらのかたち、とも見ゆひらひらと痛みをそそぐちひさな火傷  

 

 

という短歌でした。

 

読点がとても効いている、下の方に向かうイメージがあるなどと、様々な意見が飛び交いました。

また、「そそぐ」は「雪ぐ」か「注ぐ」どちらのイメージが合うのかという点について話し合う場面もありました。

こちらの作品は卒業生の山内優花さんが書かれたものです。

 

 

どのような読みをしたか、どんなところがこの歌の魅力か、一字あけ、句読点、ダブルミーニングはこの歌においてどのような効果があるかなど、一つひとつの短歌について意見を出し合うことで、歌のイメージがどんどん深まっていきました。

 

歌会の皆さんもそれぞれの読みを受けて、徐々に広がりゆく言葉の世界を楽しんでいるようでした。

 

▲6月24日オンライン開催の様子

 

 

また、

 

 

青い坂を上れば夜は拡張子.光の湯船になってしまった

 

 

という短歌も多くの票を集めました。こちらは、卒業生の井村拓哉さんの作品です。

 

「拡張子」という言葉の右に書かれた点はよく見ると句点ではなく、拡張子になっています。

こんなに小さな点でも、短歌の中では大きな意味を持つことにあらためて驚かされました。

 

 

 

短歌は別名、三十一文字(みそひともじ)とも呼ばれます。

文字の通りたった三十一音。しかし、限られた音数だからこそ生まれる繊細さ、そこから広がりゆく景色に心が共鳴する感覚をおぼえました。

 

 

 

上終歌会は、下記ツイッターアカウントから、活動予定や近況が発信されています。新入生や他大学からの参加も歓迎してくださるそうです。

 

上終歌会(@kamihate_tanka

 

皆さんもぜひ、歌会に参加して、短歌の魅力に触れてみてください。

 

 

 

 

 

(学科ブログライター 1年生・工藤鈴音)

 

 

 

 

 

 

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