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2013年3月17日  ニュース

卒業式 ① – 君たちのバックグラウンド|こども芸術学科ニュース


例年よりも暖かな、素晴らしいお天気となった卒業式。とても印象深く、いい卒業式でしたので長いです、ご容赦を。



冒頭、京都造形芸術大学の理念である「京都文芸復興」の朗読から。元NHKエグゼクティブアナウンサーをされていた松平定知先生は「その時、歴史が動いた」でもお馴染みの、心に深くしみ通るお声の持ち主です。

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艶やかな羽織袴や、晴れやかな衣装で美しい姿をした卒業生・修了生が、春秋座に集いました。映画学科や舞台芸術学科の学生さんは、恒例となったユニークな仮装がまた目立っています。

そして、博士、修士の修了証書授与の後、各学科の卒業証書授与。今年も、舞台芸術学科の番には、卒業生バニーガールとタキシード姿の男のコンビで、ショートコント?が披露されました。いつも思うのは、ああ、ここは芸大で、常識を覆しつつ、外しすぎないその加減がポイントなんだな、ということと、予想外の事態にも、千住博学長はいつも臨機応変に、ユーモアを持って対応されるフトコロの広さです。

いよいよこども芸術学科の番では、代表として、原衛典子さんが舞台に上がりました。
原衛さんは2年生の時、HAPii+2010、ホスピタル・アート・プロジェクトのリーダーでした。1年目も関わってくれましたが、その出来栄えに京都府立医科大学付属病院からの期待も高く、2年目をリーダーとして担当した原衛さんには相当なプレッシャーがあったかと思います。その期待に忍耐強く答え、さらにグレードアップした展開を引っ張ってくれました。
そんな原衛さんも、いろいろ悩んだ時期がありましたが、卒業制作では様々な種類の木製多面体と五角形の椅子、テーブルを作りました。作品の完成度、美しさもさることながら、遊びをとおして自然に人と人をつなぐ仕掛けになっていることに評価が集まり、見事、学長賞となりました。加えて、芸術教養科目と、こども芸術学科での4年間の保育の理論、実習、芸術の実技など、履修した全ての成績から評価される、学科GPA成績最優秀者となりました。おめでとうございます!

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千住博学長は、卒業制作展を振り返りながら「わたし」でなく「わたしたち」の視点が大切だという、暖かなメッセージをいただきました。浅田彰大学院長は、100年前に初演されたストラヴィンスキー「春の祭典」の時代背景のお話しから、過去、現在、そしてこれからの時代を俯瞰しながら、これから私たちはどうあるべきなのかを、明晰な口調でお話しになりました。

そして、今年は東北芸術工科大学の副学長に就任された宮島達男先生からも祝辞をいただきました。
宮島先生には僕がまだ大学生の頃、油画専攻の先輩として、若手作家のホープとして、出身大学で特別講義をされたときにお目にかかっているのでした。講義を聴き終えて、何か質問をしたとき、宮島さんから、「きみ、すみません、といちいち詫びなくてもいいよ」と言われたことだけよく覚えています(笑)。何か質問するときにクセになっていたのですね.. 

現代美術の第一線で活躍される学長のお話で印象的だったのは、あの2年前の東日本大震災のとき、震災から9日後に、おばあさんと高校生が奇跡的にがれきの中から救出され、その高校生の男の子が、将来は芸術家になりたいと言ったこと。そして、その高校生は、この4月から姉妹校である東北芸術工科大学の学生として入学し、初心を一つ実現させたという報告がありました。このニュース、よく覚えていますが、宮島先生の報告は改めて、こちらが勇気づけられるものでした。

和太鼓チーム「真」の演奏は、いつもながら身体の奥に眠っている鼓動を呼び覚ます迫力でした。

卒業生の辞は、洋画コースの卒業生で今西真也君。
HAPii+2009、ホスピタル・アートを初めて学内プロジェクトにしたときのスタッフで、壁画制作ではデッサン力を発揮しました。そして今年度も、HAPii+2012のフレスコ画制作では、先輩として見事なしっくいのコテさばきで制作班をサポートしてくれたのでした。そんな彼も、卒業制作は、今年唯一だった千住賞を授与されました。もちろん、スピーチも4年間の充実ぶりが窺い知れる、立派なものでした。

德山詳直理事長の、
「困ったときはいつでもこの大学に帰ってきてくれ、この大学は君たちのためにあり、君たちがいなければ、大学は存在しない。」というメッセージには、毎年聞いているのに(笑)こちらも目頭が熱くなりました。会場は、ひときわ大きな拍手でした。

締めは本学副学長、秋元康先生作詞、AKB48が歌った学園歌「59段の架け橋」を、歌部の学生さんと一緒に全員で合唱です。
歌いながら、壇上のスクリーンには4年間の学生達が取り組んだ思い出、ねぶた、マンデープロジェクト、ウルトラファクトリー、各学科での授業、教授陣からの熱いメッセージ、卒業生の抱負などの映像が流れ、参加者それぞれに感慨深いものとなったはずです。
卒業式というと、なんだか形式的なものと思われがちですが、京都造形芸術大学のそれは、ひと味違います。
卒業・修了生にとっては祝辞は最終講義の様なものですし、教職員にとっても、大学の目指す理念や、卒業生をとおして色んなことを振り返る機会でもあります。

こ学1期生で、大学院修了の中西さん、松永さんからいただいた花。感謝。

入学したときの顔と卒業するときの顔を比べると、誰も印象が違っています。学生達も随分成長しました。
「ここを卒業することは、人生の単なる一里塚ではない、この大学は、ずっと君たちのバックグラウンドだ。」
と理事長がおっしゃったとおり、これからも、卒業生と連携しながら、大学の理念をかたちにしてゆきたいと思った卒業式でした。


(森本玄/絵画)

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