- 2022年7月21日
- ニュース
優秀学生賞受賞者インタビュー vol.2 藤永大晴さん
こんにちは、プロダクトデザイン学科です。
京都は3年ぶりに祇園祭が行われ、街がとても賑やかです。
でも、梅雨はあけたものの、雨が続いていて、すっきり晴れません…
日本各地で大雨の被害が出ているようですので、皆さん、お気をつけください。
さて、そんなジメジメした天気を吹き飛ばす明るく爽やかな話題を。
先日の記事でも紹介しましたが、今年度、優秀学生賞としてプロダクトデザイン学科から、以下の3名が受賞しました。
圓山 結華 さん [広島新庄高校出身(広島県)]
藤永 大晴 さん [大阪市立高校出身(大阪府)]
辻山 紬木 さん [向陽高校出身(京都府)]
前回の圓山さんに続き、今回は、藤永さんにお話をおききしました。
藤永さん、優秀学生賞もらってのお気持ちは?
嬉しいですね。やはり、こういった学校から賞をいただけるのは励みになります。
賞金は何に使うんですか?
これからのデザインの学びに活かせるものに使いたいですね。まだ、ちゃんと決めているわけではないんですけど、いいカメラとか買いたいなぁと思っています。
やっぱり、いいものを買おうと思うとなかなか手が出せないので、この賞金は背中を押してくれますね。
そうですよね、この賞金は大きいですよね。いい買い物してくださいね。
藤永さんのポートフォリオサイトを見せてもらいながら、デザインに関するお話を伺いました。
ポートフォリオサイトはこちら!
ポートフォリオサービスを展開しているViViViTで新人賞も獲得したという圧巻のポートフォリオ。
洗練された作品がずらりと並びます!
作品はどれもシンプルな造形で、すごく洗練されていますね。
京都芸術大学のプロダクトデザイン学科を選んだきっかけを教えてください。
小学生くらいの時から漠然とデザイナーになりたいなぁという気持ちがあって、美術とか工作とかは好きでした。
そんな中で具体的にプロダクトデザインがいいなと思ったのは高校生になってからで、人が使うものをデザインするっていうのがいいなぁと。家族が北欧デザインのプロダクトが好きで、食器とか家具とか、そういうモノのデザインが話題になることもあって、自然とプロダクトデザインに触れる機会があったというのもあるんじゃないかなと思います。オープンキャンパスなんかに参加する中で、ここの大学のプロダクトデザインを選びました。
デザインする際には、どんなことを大切にしているんですか?
見た目の美しさとかももちろん大事だとは思うのですが、人とモノとの関係を意識するようにしています。単なる物質としてのモノではなくて、モノと人との間にあるストーリーを大切にしたいなと。
これまで課題で作品でも、人とモノとのつながりを意識したものが多いように思います。
人とモノとのつながり、大切なことですね。物質的な豊かさから精神的な豊かさの比重が大きくなった現在では、モノに対してつながりを感じられるかというのは、これからのプロダクトデザインにおいて、大切なキーワードな気がしますね。
・
・
・
そんな人とモノとのつながりを意識して作られた作品を紹介していただきました。
papad | 胎児の胎動を父親が感じられるパッド
母親の妊娠期から、子供の存在を父親も感じられるようにしたもの。母親のパッドに振動センサーを内蔵し、父親側のパッドに微弱な電流で筋肉に刺激を伝えることで胎動を共有。男性が父親になるはじめの一歩を支えるデバイス。
これは、父親になる人の人生変えてしまいそうですね。子供の存在を母親の妊娠期から、自分のこととして体で実感することができますね。子育てをより自分事としてとらえることができて、よく言われる男性の育児参加の問題も解決されそうですね。
refre | お風呂でその日の自分を見つめなおせるデバイス
テキストマイニングというテキストデータから様々な言葉の情報を抽出する技術を用い、その日に発したデジタル上の会話からポジティブな言葉を抽出。その量に応じて光量を変化させることで、自分を客観的に見つめることができる。入浴時という一糸まとわぬ、生まれたままの状態で、自分と向き合うことで、自分自身をより理解し、リラックスする時間を生み出すプロダクト。
これも、誰かの人生をより豊かなものにしそうなプロダクトですね。最近よく聞く、マインドフルネスにもつながりそうです。
・
・
・
藤永さんがおっしゃるとおり、作品は単なるモノでなく、誰かの人生に寄り添う「人生の伴侶」「生活の中の相棒」というようなものが多いですね。シンプルで洗練された造形ながら、誰かの繊細な感覚や感情に寄り添い、ぬくもりが感じられるとても有機的な質感をともなっています。
将来はどういった分野を目指しているんですか?
これまでは、家電とか照明のデザインを中心に学びを深めてきましたけど、特に分野にはこだわってはないですね。幅広くいろんなモノのデザインができたらいいなと思っていて、いろんな分野に挑戦することで、自分の引き出しを増やしていきたいと思っています。
藤永さんなら、モノのデザインを通じて、私たちの生活をより高い次元に引き上げてくれそうな気がします。
では、プロダクトデザイン学科でよかったこととか大変だったことってありますか?
そうですね、正解のない問いに対していろんな意見を出せるということがありがたかったですね。
高校までの学びって、正解を求められることが多くて、それを外してしまう怖さみたいなのがあったんですけど、ここでの学びは正解を求めるのではなく、問いに対してあらゆる可能性を見出していくものが多くて、それが良かったですね。そして、問いに対するそれぞれの意見を認め合って、そこから議論を深めることで、自身の考えも深めることができました。
大変だったことは、うーん…あまり思い浮かばないですね。
よく、課題が多くて大変ということも聞きますけど、僕は課題に取り組むことで、新しいことができるようになることが楽しかったです。
もちろん提出期限が近くなると、焦ったりはしましたけど、一つ一つこなしていくことで、表現できる幅が増えていくことに充実感を感じました。学年があがるにつれて、いろんなことができるようになっていくのが本当に楽しかったですし、今もその喜びは感じていますね。
すばらしいですね。本来、学ぶことってそうやって、見えている世界やできることが増えて楽しいものであるはずですものね。
では、最後に高校生や後輩たちにメッセージをお願いします。
そうですね。
先ほども言いましたが、課題とか制作に取り組むとき、新たにできるようになるということに楽しみを見出して、気楽にやってほしいですね。学生の間はある程度の失敗も許されるし、あとで修正することもできますから、あまり完璧を求めすぎず、できなかったとしても、次にできるようになろうという気楽な気持ちでデザインを楽しんでもらいたいですね。
その先に、自分が頭の中でイメージしたことを実際に作れる喜びが待っていると思います。
・
・
・
お話をきき、藤永さんのデザインに対するあくなき探究心にとても刺激をもらいました。
そして、作品たちからは、誰かの繊細な感情や感覚に寄り添ってくれるやさしさを感じ、なんだか暖かい気持ちになりました。
これからさらに、デザインの力で、私たちに新しい世界を見せてくれるはず。
これからもモノと人との間で生まれるストーリーを丁寧に紡いでいってくださいね!
藤永さん、ありがとうございました!
\ プロダクトデザイン学科からのお知らせ /
誰かの気持ちに寄り添う…そんな素敵なプロダクトデザインのことを知れるイベントのお知らせです。
プロダクトデザインコース×クロステックデザインコース
合同イベント
7/25(月)にクロステックデザインコースと合同でイベントをやります!
「プロダクトデザイン」のことをもっと知ってみたい…という方、必見です。
そのほか、夏休みの期間中、全17コースの体験イベントが開催されますので、ぜひ、参加してみてくださいね。
オープンキャンパス!
12学科22コースのブースがずらりと並びます。興味のある学科のブースをのぞき見したり、ワークショップを体験したり、先生や先輩たちからお話を聞くことができますよ。
プロダクトデザイン学科では、名作椅子のミニチュアづくりのワークショップや学科の専用工房「FAB」の見学ツアーを行います!
そして、8月は「体験授業型オープンキャンパス」!8/27(土)と28(日)と2日間にわたって体験授業を実施。いろんなコースの授業を受けてみて、自分にあった学びを探してみてください。
プロダクトデザイン学科では、「発想から考えるデザイン」をテーマに、身近な道具のデザインを考えてみます。
新たなデザインを生み出す楽しさを、一緒に感じましょう!
\たくさんのご予約お待ちしています!/