文化財保存修復・歴史遺産コース

文化財保存修復基礎演習Ⅱ(2回生後期授業)

こんにちは。歴史遺産学科の副手Yです。

10月2週目まではとても秋とは思えないような暑さが続いていたのに、急激に冷え込むようになりましたね。

この調子だと、今月末には京都の紅葉も色づき始めるのではないでしょうか。

 

さて、今回は2回生の「文化財保存修復基礎演習Ⅱ」の授業の様子をご紹介いたします。

この「文化財保存修復基礎演習」は「Ⅰ」・「Ⅱ」共に、3回生以降の研究に必要なスキルを体得することを目的とした授業です。

「文化財保存修復演習Ⅱ」では、前期にご紹介したⅠの授業に引き続き、2回生を3クラスに分け、各クラスが4種類の演習を順番に受講します。

授業は3種類の演習を同時に進行して行っています。

では、授業の様子をご紹介します。

 

まずは装こう基礎技術を学ぶ演習風景です。

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班毎に分かれて作業しています。

 

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装こう技術の基礎として、紙を切ったり貼ったりする技術を実習し、

基本的な材料(和紙・糊等)や道具(刷毛や水嚢糊盆等)の扱い方について学びます。

そのため、実際に自分たちで紙を漉き、切り揃える作業などもしています。

 

 

 

こちらの演習では、絹本技法および料紙装飾技法を学びます。

絹本と料紙装飾の特徴を学びながら基本技法を知り、

どのような作業手順で制作されているのか理解することを目的としています。

 

これは絹本への墨入れや、裏彩色の色入れを行っているところです。

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この時は、先生にお手本を見せてもらっているところでした。

 

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各自、集中して作業。

雲母刷りや装飾紙を使った作業も行います。

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こちらでは装飾紙を広げて相談中。

 

 

 

 

 

続いて、民俗資料の保存に関する基礎知識を学び、民俗資料の保存や継承を理解する演習です。

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木製の民俗資料は虫に食われて傷むことがあります。

撮影時は、実際に修理作業で用いている虫食い痕の修理方法を学んでいました。

 

 

 

最後に、無機質・有機質遺物の調査法を学び、モノの素材について興味・関心を拡げ、

素材の取り扱いについて学ぶ演習です。

後期は、前期で学んだ文化財の調査・観察法の中から有機質に絞って調査方法を学びます。

 

各班毎に異なる調査対象が与えられます。

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撮影時、電子顕微鏡を用いて物質表面を観察している班がいました。

 

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実際に作業を通して、素材の扱い方や特徴について学ぶ班もあります。

 

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区切りとなる4回目の授業で、各班毎に調査対象について発表し、

情報の共有を行いました。

 

 

授業の一区切りとなる4回目の授業が終了したので、次回の授業はクラスが入れ替わります。

次回授業は、今回ご紹介した作業を、各クラスが入れ替わって行います。

1つ1つの演習期間が短いので、1回休むと休んだ分を取り戻すのが大変な授業です。

授業終了後も残って質問したり、作業している学生もいます。

毎週頑張っている学生たちを、先生と共に、なるべくフォローしながら見守っていきたいと思います。

 

 

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