アートプロデュース学科

高槻芸術時間『インタールード』orangcosongアーティストプレトーク

 8月4日、orangcosngの二人(住吉山実里+藤原ちから)のアーティスト・トークが高槻市現代劇場文化ホールで行われた。

会場となったレセプションルームは結婚式場を思わせるほど華やかであった。イベントの直前まで約2ヶ月半にわたってアフリカにて滞在制作を行っていた二人は、会場にもアフリカを思わせる模様の衣装を身に纏いやって来た。二人の代表作でもある「演劇クエスト」のオンライン・バージョン《Stay Home Labyrinth》の実演からイベントは始まった。

 

高槻市現代劇場文化ホール レセプションルーム

 

 第一部では、アーティスト本人から4つの代表作が紹介された。住吉山さんが中心となって行われる「筆談会」(2017年〜)、テーブルに来た客に多国籍のアーティストが作ったカクテルを振るまい対話を行う「IsLand Bar」、コロナ禍において海外のアーティストとオンラインで制作した映像作品「in-」、『冒険の書』という手順書を渡された参加者がそれを手がかりに街を歩く参加型ツアープロジェクト「演劇クエスト」(2014年〜)である。

 

 ここでは「筆談会」と「演劇クエスト」について詳しく紹介しよう。「筆談会」が行われる部屋の中にはペンと大きな紙、参加者は部屋に入ると筆談でしか話すことができない。二時間程度で行われることもあれば、一日八時間の筆談会を五日間、通して行われることもある。言葉の力に頼っている日常では決して味わうことができない体験を「筆談会」では出来るだろう。

 

orangcosong

 

 「演劇クエスト」は、今回高槻市で行われる「高槻芸術時間 インタールード」でも高槻版が発表される。『冒険の書』を手にした冒険者たちは、テクストに導かれながら虚構と現実の間で高槻の町を歩くことになる。自身も想像していなかったようなあなただけの物語が生まれることは間違いない。「演劇クエスト」には原則1人でプレイするという面白いルールがある。誰かと話しながらプレイするのではなく、1人で冒険の書と向き合い、街をみて知るためである。同じ『冒険の書』を手にして町を歩いたとしても、ひとりひとりそこで体験することは違う。そこに「演劇クエスト」の面白さがある。

 

 続く第二部では、京都芸術大学アートプロデュース学科准教授である林田新との対談が「演劇クエスト」を中心に進められた。その中で「演劇クエスト」の面白さについて住吉山さんは次のように語っていた。携帯でなんでも調べられる時代に道に迷うことなどほとんどない。けれども『冒険の書』を読みながら町を歩いていると、迷子になることもある。「演劇クエスト」には、自分で選択をするという主体性がある一方で行く道が決められているという強制力もある。初めて「演劇クエスト」をプレイしていたとき、すっかり迷子になってしまったことにひどい苛立ちを覚えたという。しかし、その時、自分の中に不思議なエネルギーが溢れ出てきた。そうした自身の経験を交えながら「演劇クエスト」を体験することの魅力について話してくれた。

 

林田新 (京都芸術大学アートプロデュース学科准教授)

 

 対談の中で藤原さんは、「演劇クエスト」の参加者はあくまで「冒険者」であり「観光客」ではないと強く主張していた。消費者モードで町を訪れた観光客としてではなく、旅人としてその街を訪れた冒険者になるということ、それが「演劇クエスト」のプレイヤーには求められている。他方、その町と冒険者の関係性を大切にしているという藤原さんの話からは、その町の面白いところや明るいところだけではなく、その街の隠されている部分、見えなくなってしまっている部分も含めてその町を知ることを大切にしている様子が伺えた。プレイヤーは冒険者として深く入り込み、その町との関係性を創っていくのである。冒険者たちは普段とは違う時間と場所の中で、現実と非現実、主体性と強制力の間で日常の見え方が変化する経験をすることになるだろう。

 

 

 筆者は、今回「高槻芸術時間 インタールード 」にorangcosngの学生サポート・メンバーのひとりとして携わっている。彼らの帰国後、二人とともに町のリサーチを行う機会があった。二人は細い道や地元の小さな店にも積極的に入っていき、道行く人や店の人と自然に交流する。すれ違った町の人には挨拶をする。かと言って、町にずかずかと無遠慮に入り込んでいくのではなくあくまでも控えめである。そうした姿勢は私達に対しても同様であった。当初は、作家という肩書きに対して私たち学生メンバーは緊張していた。しかし、二人は常に学生の立場に立って話しかけてくれるなど、常にフラットに接してくださり、和やかな雰囲気でリサーチを行うことができた。リサーチをする二人はまさに冒険者のように、まだ知らない場所にワクワクし、その町に入り込んでいく様子が印象的であった。

 

 そのような2人が制作する「演劇クエスト 高槻版」は9月17日から高槻市民劇場で行われる「高槻芸術時間 インタールード」で配布される。ぜひ、「演劇クエスト」を通して高槻の町を知るとともに、自分の価値観や身体感覚が変わる体験を味わってみてはどうだろうか。

 

(アートプロデュース学科 3年 花島果椰)

 

 

 

orangcosong アーティストトーク|高槻芸術時間「インタールード」

 

 

お知らせ

 

高槻城公園芸術文化劇場 開館記念 プレイベント
高槻芸術時間『インタールード』

 

  • 会期:2022年9月17日(土)~9月25日(日)[8日間] ※9月20日(火)は休館
  • 会場:高槻現代劇場 市民会館(2022年7月末閉館)及び高槻市内
  • 料金:参加無料
  • 参加作家:梅田哲也(うめだてつや)、orangcosong(オランコソン)
  • 主催:高槻市、公益財団法人高槻市文化スポーツ振興事業団
  • 共催:京都芸術大学
  • 企画:京都芸術大学アートプロデュース学科
  • アーティスティックディレクター:山城大督(京都芸術大学)

 

参加方法や詳細など、詳しくはインタールードのウェブサイトをご確認ください。

 

また、インタールードのTwitterInstagramFacebookでは、アートプロデュース学科の学生たちが、イベントの実施に向けた準備の様子や、高槻のまちのこと、参加アーティストについてなど発信しています。ぜひチェックしてくださいね。

 

 

 

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