キャラクターデザインコース

卒展ゲーム作品紹介Part3

卒業制作展でのゲーム作品紹介最後は以下の三作品です。

 

『アバンダンダドン』(村上侑希)

 

 

Unityとキネクトを組み合わせた迷路脱出ゲームです。キネクトとは、Microsoftが開発したジェスチャーデバイスで、コントローラーを用いずカメラがプレイヤーの全身の動きを読み取って判定する仕組みになっています。

 

迷路の中にいる4人のキャラクターをそれぞれ指差し、キャラクターを指定すると、上下左右の手の位置を検知し、手を叩くとその方向へ一歩移動します。つまり、Aのキャラクターを右に動かしたければ、Aを指さして行動可能にし、右に向かって一回手を叩くとAが右に一歩移動します。二人プレイなので、協力し合いながら4体のキャラクター全員をゴールへと導いていきます。

 

なかなか言うことを聞かなかったり手間がかかる相手ほど愛着がわくもので、遊んでいるうちについつい夢中になって大声を出したり全身を激しく動かしているプレイヤーの姿が印象的でした。スクリーンに向かって両手を大きく動かしたり手を動かしたりしているシュールな様子に導かれるように、大勢のプレイヤーが挑戦していました。

 

 

『Tina』(冨田紗楽)

 

母を亡くした悲しみから心の殻に閉じこもってしまった少女ティナを操作し、事の真相を暴き成長していく謎解きアドベンチャーゲームです。

ゲームの進行自体は『ミステリーハウス』に代表されるような昔ながらのオーソドックスな展開になっていますが、主人公のティナは、様々な衣装に着替えることで、その職業の目線になって様々な技能を使うことが可能になります。

例えばメイド服を見つけて着替えると、これまで使うことができなかった「裁ちばさみ」を使うことができるようになる、といった感じで、衣装の分だけ能力が拡張され、謎解きを有利に進めることができるようになります。

 

 

 

『BORDER』(入来里菜、仁禮裕介)

 

クリストファー・ノーラン監督の『TENET』のように、時間が逆行する世界でアクションが楽しめるゲームです。

ストーリーのパートは漫画の形態で表示され、エンディングから順にコマを読み進めてオープニングへと向かっていくという、これまたノーラン監督の『メメント』のような仕掛けになっています。

敵キャラクターとの戦闘シーンはアクションゲームに切り替わるのですが、なんとこのアクションが「動作が逆」になっています。敵が放つ光弾は、主人公の背後から飛んできて敵の手元に戻っていきます。キャラクターの予備動作から次の行動を判断するのがアクションゲームの醍醐味であるところを、予備動作が見えない状態で行動を予測するという実験的な動作を実装しています。

 

以上の9作品が今年のゲームゼミの作品となります。

ゲームの枠を飛び越えて新しいデバイスを駆使し、ストーリーやキャラクターよりも、手触りやプレイヤー同士の対話という体験の部分に重きを置いた作品が増えつつあります。

ゲームと一言で言っても、娯楽ゲームだけではなく、ゲーミフィケーションやシリアスゲーム、リアルゲームなど多種多様で、昨今では社会性や時代性を、地域性を盛り込んだ作品や商品の登場によってゲームの社会的有用性が認められ始めています。

 

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