プロダクトデザインコース

1年生 UD演習 | 誰一人取り残さないデザインのために

 

こんにちは!プロダクトデザインコースです。

10月はハロウィンやホームカミングデーで少しお祭り気分の学内でした。11月になり、一気に秋が深まってきましたね!

 

 

\今日は1年生の授業紹介です/

1年生は後期に「UD演習」という授業内でユニバーサルデザインについて学んでいます。

 

 

ユニバーサルデザインとは

 

年齢、性別、文化、身体の状況など、人々が持つさまざまな個性や違いにかかわらず、できるだけ多くの人が利用しやすく、暮らしやすい社会となるよう、まちや建物、もの、しくみ、サービスなどを提供していこうとする考え方のことです。「UD」は「ユニバーサルデザイン(Universal Design)」の頭文字をとって表現されています。

 

 

近年、多様性を認め誰もが暮らしやすい世界を目指す動きが加速しています。どのようなデザインが、より広い人々にとって使いやすいデザインとなるのでしょうか。

 

それを知るために、この授業では高齢者や妊婦さん、車椅子利用者の体験をするワークショップをおこなっていました!

 

※ユニバーサルデザインとよく似た言葉に、「バリアフリー」という言葉がありますが、これは高齢者や障がい者が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去する、という意味があり、「できるだけ多くの人が利用しやすく」という意味のあるユニバーサルデザインとは区別されています。

 

 

ワークショップ内容

ワークショップでは小人数のグループで車いすや高齢者・妊婦の体験をしながら大学構内をまわり、どこで、どんなシーンでお困りごとがあったかを見つけていきます。普段何気なく過ごしている大学内も、車いすや高齢者・妊婦さんの目線に立つと全く違う見え方をするかもしれません。

 

それではワークショップの様子を見ていきましょう!

 

 

|①車いす体験|

こちらは車いす体験。扉の前で苦戦しています。開く際に車いすが邪魔をして、うまく扉を開けることができません。

やっとの思いで扉を開けても、扉にストッパーがなく片方の手で扉を押さえる必要があるようです。両手を使わなければならない車いすにとっては、誰かの補助が必要になってしまいますね。

なんとか自力で乗り越えましたが、今度は段差が・・・!!

ほんの数センチ。なんとも憎らしく見えてきます・・・

 

 

次は自動販売機に。メンバー同士で順番に車いすに乗ってみます。小柄な方だと上段の商品が見えずらいし、選択のボタンに手が届きません・・・涙

 

 

同じようなことが来客頻度の高いスペースのごみ箱にも。

大きな箱の天面にしかない投入孔は見えづらく、何とか手が届きますが、奥の飲み残し用ボックスまでは手が届きません・・・涙

 

しかし、だからと言って簡単にボタンの位置や棚の高さを低くすればいいわけではありません。できるだけ多くの人にとって使いやすくするためには、あらゆる人が使うところを想像する必要があるからです。

 

 

|②妊婦体験|

続いて妊婦さん体験。約5.5㎏の重りを付けて、歩いてみます。

男性も体験!重りを腰に巻き付ける形で取り付けます。普段持ち歩いているリュックを持って電車に乗る感覚に似ているかも!との声がありました。四六時中抱えていると想像したら、どうでしょうか?さらには大切な命があることを想像すると簡単に走ったりはできないですね。階段の足元は見えないし、ものを拾うときも膝を曲げて取らないといけないなど、いろいろな気づきがあります。

 

 

|③高齢者体験|

こちらは高齢者体験。手足に重りを付け、足腰の動きを制御した高齢の疑似体験です。(まるで本当のおじいちゃんのようです・・・。)

階段をのぼるみんなからはしんどそうな声が聞こえてきます。

 

白内障を体感するゴーグルをつけているので、視界がぼやけます。持っていたお財布を落とした想定で、どのくらい視認性があるのか試していましたが、この距離では色がよく見えないようです。

 

 

自動販売機の文字も小さく、コントラストも弱いので見えづらく、認識しようとすると、この距離に。

階段や坂道の多い学内を歩き回り、ぐったり。

道中のベンチがありがたいです・・・!!

 

 

アイデア出し・発表

 

ワークショップの後は、各グループで意見を出し合い、課題解決となるユニバーサルデザインを考えました。そして、グループごとにアイデアを発表します。

発表時は「気づきシート」から問題点を整理し、「課題解決案」を発表していきます。

▲手洗い場の提案

▲▼車いすの提案

 

▲傘と杖の提案

▲ごみ箱の提案

▲自動販売機の提案

 

高齢者や妊婦さん、大人から子供まで幅広い人々に対応できるようセンサーによる昇降機能が付いた手洗い場の提案や、どんな身長の人でも捨てやすい2か所からごみを捨てられるごみ箱など、実に様々なアイデアが出ました。

一方で、妊婦さんや高齢者だけに特化したデザインになり、「誰もが使いやすい」という点が欠けてしまう案もありました。これらは今後、改善していく必要があります。UDの難しい点です!

 

 

今後は個人制作へと移り、最終提案に向けてアイデアをブラッシュアップしていきます。最終的にどんなUDが見られるでしょうか。

 

 

誰もが暮らしやすい社会のためのデザインとはどんなものでしょうか。ユニバーサルデザインは、「誰一人取り残さない」という目標を掲げているSDGsとも密接に関わっています。

【SDGsについて 】

 

これからのより良い未来へ向けて、より多角的な視点で物事を見つめ、誰もが相手のことを想像できる世の中になってほしいものです。今回のワークショップを体験したみんなは、そんな世の中へのステップを踏んでいるように見えました!

 

 

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