- 2025年2月28日
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機能的意味を持つ変形デザインの研究制作— 卒業展受賞者インタビュー|優秀賞・小原暉さん
こんにちは!プロダクトデザインコースです。
先日無事に会期を終了した卒業展。たくさんの方にご来場いただき誠にありがとうございました。
そして、改めて以下の受賞者のみなさん、おめでとうございます!
|学長賞|
柳生 海斗さん(Canadian International School Singapore 出身)
|優秀賞|
小原 暉さん(枚方高校出身)
|同窓会特別賞|
苫田 光輝さん(津山工業出身)
|奨励賞|
與島 大智さん(西宮南高校出身)
好井 悠人さん(香川中央高校出身)
向井 百花さん(登美ケ丘高校出身)
木村 勇斗さん(川内高校出身)
森田 翔斗さん (庄原格致高校出身)
小山 駿平さん (銅駝美術工芸高校出身)
荻原 快さん(長野日本大学高校出身)
|教員賞|
|風間先生賞| 久保田 温飛さん(洛西高校出身)
|時岡先生賞| 村上 夏海さん(浜松市立高校出身)
|大江先生賞| 河野 明都さん(水口東高校出身)
|北條先生賞| 久保田 玲香さん(京都芸術高校出身)
|上林先生賞| 上倉 千弘さん(京都芸術高校出身)
今回は、卒業展にて優秀賞を受賞した小原暉さんへお話を伺いました!
卒業展までどのような道を歩まれたのでしょうか。
—この度は「優秀賞」の受賞おめでとうございます。まずは作品について教えてください。
機能的意味を持つ変形を用い、照明のデザインを行いました。変形のギミックを作動させると特別な空間を演出できるような照明に変形する仕様になっています。
「MONADO」という作品は、スイッチを押すと(展示では便宜上紐を手動で引く形ですが)上下に可動し、シャンデリアのような形に変形します。
「Y20」という作品は、上部分をひねると個々のパーツが開き、光量が変化する仕組みになっています。
—すごく複雑なつくりになっていて、どうデザインを進めたのか想像もつきません!実際どのように考えたのですか?
3DCADという3Dのデザインソフトを使ってデザインしたのですが、ソフト内でいろいろな変形ギミックを考えるのは趣味みたいなところがあるので、デザインはとても楽しく取り組みました。データでは4案ほど作成し、そのうちの2案を今回実際に作りました。データから3Dプリンターで出力し試作を作ったのですが、データ上では動くが実物になるとうまくいかない、ということがあったため、試行錯誤が必要でした。
▼3DCADデータのデモ動画
▼4案のうち制作されなかった案たち
—制作のきっかけはどんなことでしたか?
もともとトランスフォーマーのような変形玩具が好きということもあって、自分で変形ギミックを作ってみたりしていました。自作した変形ギミックの3Dのデータをゼミの時岡先生に見てもらったところ、評価をいただいたのがきっかけです。そこから変形ギミックをどんなプロダクトに落とし込むか検討を行い、最終的にはこの照明作品にたどり着きました。オーディオやインターフェースそのものへの活用も考えていたのですが、光の形が変わることで変形の効果がダイレクトに活用できる照明という形式を選択しました。
▼「Y20」のパーツ。Yの形のパーツが20個で構成されているためこう命名したのだそう。
—実際進めていく中で苦労したことはどんなことでしたか?
完成作品の制作にあたり、学校の3Dプリンターでの出力ではサイズ感やクオリティに満足できなかったため、先生や卒業生を伝い、製造を外注しました。3Dデータからの出力は中国のプリント会社に依頼し、海外ということもあり難しい部分もありましたが、卒業生の方が丁寧にサポートしてくれました。スイッチ部分の機構と、表面のマット加工は大阪の会社に依頼しました。こちらも就職されている卒業生の方にサポートいただき、何とか形にすることができました。テーマを決めるのに時間がかかってしまったため、最終作品の制作期間は1か月半程でした。限られた時間の中で、一回の注文で成功させなければならず大変でしたが、外注ならではの完成度に非常に満足しています!
—なぜプロダクトデザイン学科を選んだのですか?
オープンキャンパスでの先生方との出会いでした。私は人と話すのに苦手意識があったのですが、そんな私の話をじっくり聞いて寄り添ってくれたため、こんな先生のもとで学びたいと思ったのがきっかけです。入学後も親身に寄り添っていただけました。
—大学4年間を振り返ってみていかがでしたか
1年生は人と話すことに過度に苦手意識がありあまり積極的に関われなかったのですが、2年生の産学連携の授業でのグループワークでデザインを通したコミュニケーションをとれるようになり、少しずつ話せるようになりました。先輩方がとても優しい方ばかりで、一緒に授業を受けられて本当に良かったです。人との関わりがとても大切だということを身をもって感じた大学生活でした。
▼SONYとの産学連携授業の合評の様子
—今後の展望を教えてください。
キッチン雑貨などの日用品を製造する会社で設計職として働きます。得意の3DCADを生かして、楽しく取り組んでいけたらと思っています。設計だけでなく、デザイン的な分野でも活躍できるようになっていきたいです。
—今回受賞した感想をお聞かせください。
初めて分かったときは素直にうれしかったです。好きな分野で制作を進められたので、少し報われた感覚がありました。でも、自分が受賞したという感覚があまり無いのが正直な所です。協力してくださった先生方、意見をくれたゼミのメンバー、快く外注を引き受けてくださった企業の皆様のご尽力のおかげで完成できたので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
▼照明が変形する様子
—最後にこのブログを見ている後輩にメッセージがあればお願いします。
自分自身、卒制の方針が決まったのが遅かったので、審査直前はかなり切羽詰まっていました。最終的にはどうにか形になりホッとしています。今後卒制を控えている後輩には、僕のように追い込まれないよう、あまり気負わずに取り組んでほしいなと思います(笑)
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小原さんの作品は、細部の作り込みまで非常に完成度が高く、とても美しい仕上がりとなっていました。特に展示会場で変形させたとき、毎度観客から感嘆の声が聞こえてくるのが印象的でした。
今後のご活躍を期待しています。
小原さん、インタビューありがとうございました!
小原 暉/Kohara Teru
枚方高校出身
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