- 2015年11月5日
- 日常風景
【特別講義レポート】『第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館 塩田千春《掌の鍵》にみるインスタレーション制作』ゲスト:中野仁詞さん、八木良太先生
11月4日の特別講義は、神奈川芸術文化財団の中野仁詞さんに講師としてお越しいただきました。
中野さんは現在開催しているヴェネチア・ビエンナーレ 日本館のキュレイターでもいらっしゃいます。
『第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館 塩田千春《掌の鍵》にみるインスタレーション制作』と題した今回の講義は、ヴェネチア・ビエンナーレの展示についての話を、本学空間演出デザイン学科の八木良太先生との対談形式でうかがいました。
こちらより授業の様子をご覧いただけます。
国際的な大舞台での展示を作家と二人三脚でさまざまに試行錯誤しながら作り上げていく過程の話は、なかなか聞く機会のない内容なので、驚きや新しい発見があり、とても興味深かったです。
「キュレイターという仕事の魅力は?」という質問に「作家と互いに補い合うことができること」答えていらっしゃったのが印象的で、キュレイターの仕事が「対 作品」というより「対 人」であるという事を表しているように感じました。
■以下、学生レポートから抜粋■
・キュレイターは作家の思想を誰よりも理解し、かつ客観的な立場であらねばならないと思った。ネットワークやコネクションが仕事をする上で重要であり、戦略や物語を作り上げる上で上手く使い分けていて、非常に息の長い仕事だと思った。
・ヴェネチア・ビエンナーレという歴史ある祭典で表現すること、なにかを伝えることは相当大変で、労力のかかるものだということがわかりました。しかしそんななかでも、キュレイターとしてのやりがい、なくてはならないものは作家という「人」との信頼関係を築くことだおお話しいただきました。それがあるからこそ、いかに大変なことでも乗り越えていけるのだなと思いました。
・キュレイターは作家との信頼や主催者との信頼が本当に大切だと思った。お話をされている様子からも、仕事に対する責任と自信を持っていらっしゃるのが伝わってきて、人に伝えるとはそれなりに責任が伴うものだと感じた。