- 2013年5月25日
- 日常風景
フレスコ画で自画像|1年次「絵画基礎(合評)」
地心館への小径を歩くと、新緑も毎日その色が深まってきています。日中は段々と暑くなってきましたね。
さて、1年次生も自画像フレスコ画の制作が一段落し、先日は合評会でした。
フレスコ画は油彩画が発明される前から描かれていた、とても古い絵画技法です。
漆喰を練ったりするのに一手間かかりますが、その色彩は鮮やか(フレッシュ(英)=フレスコ(伊))で、素朴なマチエールが温かみを感じます。
左官屋さんのように、漆喰を打った支持体を作り、その漆喰が生乾きで湿っているときに水溶き顔料で描く技法(ブオン・フレスコ技法)。そして、漆喰が乾いてからカゼインのりを顔料とを混ぜてカゼイン絵の具を作り、加筆するフレスコ・セッコ技法があります。
1年次生、慣れない技法に試行錯誤しながらも、力作が揃いましたよ。
高校の時に美術科だった学生さんもいれば、普通科で、デッサンは苦手、という学生さんもいます。
でも皆、絵は好きなのです。
絵が好き、ということはとても大切です。
そして、授業の時に言うのは、絵は技術の上手下手ではないということです。
もし絵が好きなら、たくさん描けばいいのです。そうすれば、自分に必要な技術も見えてくるし、そこで勉強すればいい。
本来、絵を描くことは遊びにも似ていて、楽しいものです。
子どもの頃、紙の上で自分でひいた鉛筆の線が現れてくるとき、ドキドキしませんでしたか?
僕は、鉛筆の黒鉛の匂いや、かりかりという音、そのような出会いを覚えているので、そう思うのです。
将来、保育士や、お絵かき教室の先生になる学生さんもいるかも知れませんから、子ども達に絵を好きになってもらうためにも、苦手意識や苦労を含めた今の経験が大切なのです。
(森本玄:教員/絵画)