文芸表現学科

【学科長短信05】作家・ライター・編集者に学ぶ!

 
ごぶさたしています。みなさん、お元気ですか?
 
 さて、ちょっと日が空いてしまいましたが、今月の13日(土)、2年生向けのキャリア授業、プロフェッショナル研究の第2回が行われました。第1回目では、インタビューの練習もかねてクラスメイトに、「はたらく」ということについての意識がどう変化したかをインタビューしてもらいましたが、今回は3名のゲストをお迎えして、グループインタビューをやってもらいました。
 
 今回のゲストは、作家の吉村萬壱さん、編集者の多田智美さん、ライターの大越裕さんの3人です。そう、作家・編集者・ライターという3つの職業は、文芸の学生にとって「王道」でもあり、一番人気の「しごと」なんですね。学生たちには、自分の目指す道によって3つのグループに分かれ、それぞれのお仕事の「実際」をインタビューしてもらいました。
 
 

吉村萬壱さん

吉村萬壱さん


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 吉村萬壱さんは『クチュクチュバーン』(2001年、文學界新人賞)、『ハリガネムシ』(2003年、芥川賞)から、最近の『ボラード病』『臣女』(ともに2014年)、『流しの下のうーちゃん』(マンガ(!)、2016年)に到るまで、独特の作風・世界観が特徴的な作家です。
学生たちはそこに注目し、吉村さんのどんな体験が独自の作品世界を生みだしたのか、そこを中心にインタビューをしていました。
「しごと」という点については、逆に吉村さんから、「えっ、みんな小説家になりたいの? 小説家ってどれぐらいもうかると思う?」なんて質問も。
 
 
多田智美さん

多田智美さん


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 多田智美さんは、ご自身の編集プロダクション「editorial studio MUESUM」を中心に活躍していらっしゃる編集者です。
多田さんが現代美術家の椿昇さん(本学美術工芸学科長)、原田祐馬さん(UMA/design farm)とディレクションをしたアートプロジェクト「瀬戸内国際芸術祭2013 小豆島 醤の郷+坂手港プロジェクト──観光から関係へ──」はまさに、多田さんのテーマ「出来事が生まれるところからアーカイブまで」を地でいくプロジェクトで、学生たちはアクチュアルな体験をもとにした多田さんのお話に聞き入っていました。
 
 
大越裕さん

大越裕さん


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 大越裕さんは、理系ライター集団「チーム・パスカル」を中心としながらも、幅広く活躍していらっしゃるライターです。
インタビューに先だって、学生たちにはアエラ「現代の肖像」、『フォーブスジャパン』(ForbesJAPAN)に大越さんが寄稿していらっしゃる記事を案内しました。大越さんにインタビューするのは、とてもハードルの高いしごとです。なんといっても大越さんご自身がインタビューの専門ですから。学生たちは善戦してくれていましたが、途中から大越さんによるインタビュー講座のような一幕も(笑)。
 
 
インタビューのあとの鼎談のようす

インタビューのあとの鼎談のようす


右・近藤雄生先生

右・近藤雄生先生


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 学生たちには、自分たちの「憧れの職業」についているゲストのお三方はどんなふうに映ったのでしょうか? 憧れがさらに強くなって、それを目標にがんばってくれるのももちろん嬉しいですが、これは違うなと思って新しい方向性を考える、というのもすばらしいなと思います。「しごと」について「知る」という今回の経験を出発点として、文芸表現学科で学ぶ「ことば」を使って、学生のみんなが自分が何をしたいか、自分に何ができるか、を今まで以上に考えてくれることを期待しています!
 
 
文・河田学(文芸表現学科 学科長)
 
 
 
 
 

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