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アートライティングコース 河原 葉穂子

日本最古の医学全書『医心方』(いしんほう)を全訳精解した槇佐知子氏の、波乱に満ちた生涯をテーマに取り上げた。
彼女に初めてお会いしたのは2018年11月。勤務する女性文化研究所の研究会講師としてお招きした秋である。その時の出会いが、6年後こうして作品に結びつくことになるとは思いもよらなかった。
7月、外苑キャンパスでの学習相談会に参加した際「伝記」もアートライティングになりうると知り、彼女の生涯を書くことを思い立った。
「伝記の書き方」をネット検索すると「森鴎外『渋江抽斎』(しぶえちゅうさい)は伝記小説の最高傑作」とあった。抽斎は『医心方』安政本復刻メンバーのリーダー。佐知子は安政本の『医心方』を訳している。運命を感じた。
『渋江抽斎』は「述志の詩」で始まる。それに倣い冒頭に詩を入れた。生き別れの妹を想い、負のエネルギーを原動力として、古医書の訳解に命の火を燃やす佐知子の生涯を書き表した。
「読者の立場になって書く」を念頭に、なるべく難しい文字や註は使わず、わかり易い読み物となるよう心がけた。
読者が槇佐知子という人物を知り、彼女の著書や『医心方』に興味を持ってもらえれば幸いである。


東京都

フジザクラとなった女性 槇佐知子 ー国宝『医心方』全訳精解にかけた40年ー

河原 葉穂子

アートライティングコース

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