浅草の食文化を未来につなげるために。 料理人を知るツールとしてのトレーディングカード 「浅草フードヒーローズカード」
浅草の飲⾷店で活躍する⼈たちをヒーローとして可視化し、飲食店の魅力を伝えたい
食文化デザインコース 岩瀬 友理 (Yuri Iwase)
■カード
作品サイズ:91mm×55mm
素材:紙
■ウェブサイト
Wordpress
外で食事をするとき、どんな人が作っているのか知っていますか?
意外と知らないことが多いのではないでしょうか。
現在、飲食業界は深刻な人材不足に直面しています。原因は低賃金、クレーム対応によるストレス、長時間労働などさまざまだと思いますが、そのひとつとして、目指すべき料理人の姿が見えにくいということがあるのではと考えました。
知ってもらうにはまず、一目でわかりやすいこと。
本プロジェクトは、浅草の飲食店で働く店主や料理人を「ヒーロー」に見立て、トレーディングカードとして可視化する試みです。冊子やパンフレットのような単なる情報伝達ではなく、能動的に手に取りたくなるメディアが必要であると考え、子どもにもわかりやすい「トレーディングカード」という手法を採用しました。
浅草の老舗飲食店などにご協力いただき、実際に店舗で配布・使用できるカードを制作。デザインは浅草らしい赤とレトロな世界観で統一し、ゲームとして遊べるようHP(体力)やATK(攻撃力)を設定しました。また、その人の特徴をわかりやすくするために、得意技名とその説明も入れ、カード上のQRコードから専用ウェブページにリンクし、「料理人の生い立ち、人となり」「店の名物ができたいきさつ」「店の歴史」が詳しくわかるようになっています。
実際に配布を行った結果、お客様からは「初めて店主の顔を知った」「他のお店も集めたい」といった好意的な反応が得られました。また、店主からも「お客様との会話が増えた」「自分の子どもがすぐカードで遊び始めた」といった声があり、カードという「モノ」が介在することでコミュニケーションが生まれ、作り手のモチベーションアップにもつながることが実証されました。
美味しい料理の背後にいる人の魅力を伝えることで、飲食店を目指す人が増え、食文化を未来へつなぐことができたらと考えています。
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愛知県出身。名古屋大学法学部卒。ウェブデザイナー/ 北海道フードマイスター/3級知的財産管理技能士。
物心ついたころから「食」への関心が強く、夫の転勤で各地を転々とする中、その土地固有の食文化が持つ物語と多様性に興味を持つ。
現在はウェブデザイナーとして飲食店のウェブサイトを制作するほか、食の作り手を支援するシェアキッチンの運営に携わる。また、絶滅の危機にある札幌伝統野菜・札幌大球を食べるイベントの開催や、浅草の飲食店の店主とお客様とをつなぐツアー「あさくさ食たび」を運営するなど、食文化を応援する活動も行っている。
本学では、食に関わる知識を得るとともに、いままで実践してきたことをデザインの視点からとらえ、地域の魅力がより伝わる手法を探求した。
将来はデザインと企画の面で地域創生に関わり、その土地特有の食文化を次世代へ継承する一助になりたい。
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