日本の誇りプロジェクト/利根川食文化 ver
THIS IS NIPPON NO SHOKU
食文化デザインコース 新田麗美
日本の食文化は、長い時間をかけて育まれてきました。
けれど、その食を支えてきた人たちの存在や思いを、私たちはどれくらい知っているでしょうか。
私は、日本に生まれ育った元外国籍の立場として、「日本人であること」を少し外側から見てきました。
日本はとても豊かな文化を持つ国だと思います。
一方で、日本人自身が自国の文化について誇りを語る場面は、あまり多くないようにも感じてきました。
「日本の誇りとは、いったい何なのだろう。」
大学で食文化を学ぶ中で、私は一つのことに気づきました。
それまでの私は、料理の完成度ばかりを見ていて、
食材そのものの背景、向こう側にいる「人」の存在をきちんと見ていなかったのです。
地域の食文化も、それを守り伝えてきた担い手があってこそ、成り立っています。
食材には、それをつくり、守り、続けてきた人たちのストーリーがあります。
そして、その一つひとつに思いがあります。
それを実感するために、私は卒業制作の前段階として、生産者を訪ねるバスツアーを企画しました。
ツアー当日、生産者の話を聞いた参加者からは、
「もっと知りたい」「初めて背景を知った」という声が次々と上がりました。
人は、誰かの思いやストーリーに触れたとき、こんなにも心を動かされるのだと感じました。
日本の食文化は生産者一人ひとりが食材と真剣に向き合い続けてきた「営み」の積み重ねによって支えられているのだと実感しました。
今回制作の舞台とした利根川流域は、同じ自然資源を共有しながらも、自治体の違いによって分断されてきた地域です。
しかし、食文化は本当に行政区分で分けられるものなのでしょうか。
私は、利根川流域を一つの「食文化圏」と捉え、生産者の思いやストーリーを横断的につなぎ直すことを、この卒業制作で試みました。
作品は、冊子・映像・ロゴで構成されています。
映像では、長年守り続けてきた食や、その先にいる消費者への信念を持つ生産者の姿を紹介しています。
冊子では、地域に根ざし、食文化を支えてきた生産者の声をまとめました。
日本の誇りとは、特別な思想や大きな言葉ではなく
日本の食文化を支えてきた人たち一人ひとりの存在と、そのストーリーなのではないでしょうか。
この作品が、食の向こう側にいる人たちへ目を向けるきっかけとなり、
日本の食文化をあらためて大切に思う気持ちへとつながっていくことを願っています。
「日本の誇りって、何だろう」
大学で刺激を受け、新たな気づきを得ました。背景に目を向ける視点です。
生産者たちと接することで気づいた食材そのものの背景にある人とストーリー。それこそが食文化を支えていることを実感、共有したいとバスツアーを実施しました。
参加者の心が動かされている様子を見て、確信に変わりました。
ツアー企画の際に、近隣でも自治体が違うことで情報が分断されているケースがありました。 新たな疑問、「食文化は行政区分で分けられるものなのでしょうか?」
私は、利根川流域を一つの「食文化圏」と捉え、 生産者の思いやストーリーを横断的につなぎ直すことを、この卒業制作で試みました。 作品は、冊子・映像・ロゴで構成されています。
今、当たり前にあるものの背景にある人の思いやストーリーへ目を向けるイントロダクションとしての冊子。
ツアー時に心動かす熱い思いを語った生産者の声をおさめた動画。
アンケートでは、背景にある人の存在やストーリーに光を当てられたのではないかと思う結果を得ました。
「日本の誇りとは、特別な思想や大きな言葉ではなく、日本の食文化を支えてきた人たち一人ひとりの存在と、そのストーリーなのではないか。」この卒業制作を通じて、私はこの先の学びの指標となる視点を得ました。
THIS IS NIPPON NO SHOKU
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