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お菓子とワインのペアリングを通した、『食の鑑賞体験』のデザイン

味わいを言語化することで、日常の食を鑑賞体験へと転換する

食文化デザインコース 江藤 明巳 (Akemi Eto)

雑誌(A4、カラー、16P)、手作りマフィンキット2種、ワイン2種の選定、テイスティング語彙シート、試食会による体験設計

私たちは日常的に美味しいものに囲まれていますが、本当に「味わって」食事をしているでしょうか。

忙しい現代社会では、食事は単なる栄養摂取の手段となり、「ながら食べ」が増えています。
また、SNSでの「写真映え」や口コミへの依存によって、
「食を鑑賞する」という文化的な視点も薄れつつあります。

美術鑑賞においては、作品を感覚的に楽しむだけでなく、背景や文脈を知ることで、見え方が大きく変わります。
同じように、食もまた、五感と知識、そして言語化を行き来することで、単なる摂取から鑑賞へと開かれるのではないかと考えました。

本制作では、その入口として「お菓子とワインのペアリング体験」を提案しています。
ワインペアリングとは、ワインと食べ物が口の中で交わることで、味わいのハーモニーを楽しむ体験です。

お菓子とワインのペアリング体験は、以下の「4層構造の体験」として設計し、実際に味わいを体験できる試食会も開催しました。
・知る|雑誌『ほろ酔いスイーツ手帖』
・作る|手作りマフィンキット
・味わう|ワインとのクロス・ペアリング
・言葉にする|テイスティング語彙シート

試食会では、実際にお菓子とワインのペアリングを体験してもらいました。
味の変化に驚いたり、普段よりもゆっくり食と向き合ったりする参加者の姿から、食を五感で味わい、言葉にしながら鑑賞する体験が、日常の食と向き合う時間を生み出し、豊かさにつながる可能性が示されました。


研究テーマ:
「食を芸術として味わう鑑賞体験のデザイン」
料理を美味しさと美しさを持つ芸術として捉え、感性と知識を行き来する鑑賞体験の設計を探究しています。味わいを言葉にする体験を通して、食が持つ文化的価値を日常に浸透させるとともに、食を通して会話が自然に生まれる場をデザインすることを目指しています。

江藤 明巳 Akemi Eto

食文化デザインコース

CONTACT

大学で国際学を専攻し、パリでのホームステイで「対話のある食卓」を体験しました。食事の時間に自然と会話が生まれた経験から、食を単なる栄養や嗜好ではなく、コミュニケーションの場として意識するようになりました。

旅先での食体験をきっかけにワインやガストロノミーへの関心を深め、ペアリングを試みるなかで、味わいが重なり変化する瞬間に魅力を感じるようになりました。こうした体験こそ、私にとっての食の鑑賞の原点です。

現在は東京でITスタートアップの広報として働きながら、社会人大学生として食文化デザインを学んでいます。イベント運営を通して、食やワインを共有する場づくりにも関わっています。

本制作では「食を鑑賞する体験」をテーマに、味わいを言葉にしながら食と向き合う時間をデザインすることを試みました。味わいを言葉にする体験を共有する中で、自然に会話が生まれる可能性についても探究しています。

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