「笑い」の生産力
カテゴリー : 過去の公演
皆さまコンニチハ。
最近「アゲぽよ」なツチヤです。
「アゲぽよ」ってご存知ですか?
最近はインターネットで検索するとすぐ答えが出てきます。
でも話のネタに友達や若者に聞いてみるのも良いかもしれませんよ。
さて前回は、2/18開催【春秋座—能と狂言—】の能「葵上」をご紹介いたしました。
今回は狂言「末広かり」の番です。
ストーリーはというと…
果報者(シテ)は多くの客を集め宴を開き、その贈り物として「末広かり」を用意したいので都で買ってくるようにと太郎冠者に申し付ける。しかし、太郎冠者は「末広かり」が何だかわからない。そこに、いかさま師が「から傘」を「末広かり」というのだと嘘を教え、さらに主人の機嫌を直す囃子物も教えてやる。太郎冠者は喜んで「から傘」を買って帰るが、主人には「末広かり」とは「扇」のことだと叱られ、家から追い出されてしまう。困った太郎冠者は囃子物を思い出し踊ってみると、主人は浮かれて機嫌を直し、再び家に招き入れる…
渡邊先生曰く、「狂言の祝言性がよくわかる」のだそうです。天岩戸がアメノウズメの踊りによって開いたように、「笑い」というものは呪力を持ち大地の生産力を回復していく儀式にも似ています。狂言は単に「喜劇」というだけでなくそういった一面もあるのですね。
最後のお囃子は本当に賑やかで、愉快でめでたい気分が舞台に溢れてきます。皆さんもその気分に是非酔っていただければ幸いです。
ところで、渡邊先生に当センターの優秀な“太郎冠者”が、レディーガガやマドンナについて身振り手振りを交えながら必死に教えている様をみると大変に狂言が身近に感じる今日この頃。
どんなことも楽しく笑いに変えられると、仕事の生産力も増すような気がします。
では、劇場でお会いしましょう!!
ツチヤ
古典の授業を思い出しました。
カテゴリー : 過去の公演
皆様こんにちは。上田でございます。
先日、友人の結婚式に出席してきました。
お色直し前の花嫁をエスコートするという大役をいただき勤めを果たしたのですが、花嫁のプライズに私の涙腺は決壊してしまい、涙が止まりませんでした。
サプライズはなんと花嫁自らブーケを渡してくれました!
末永くお幸せにね~!(涙)
そんな幸せな男女というにはちょっと程遠い(?)男女の物語、
【オペラ「月の影」-源氏物語―】。
本日は、その源氏物語をご紹介します。
先日【春秋座―能と狂言―】ブログでもツチヤさんが言っていたように、「源氏物語はもう知っているよ」という方もいらっしゃるかも知れませんが、今日はちょっとお付き合い頂ければ幸いでございます。
源氏物語の著者は紫式部。平安時代中期の長編物語で、日本を代表する古典文学として、世界的にも非常に有名な作品です。さまざまな恋物語、多彩な登場人物、平安王朝の宮廷の様子、貴族たちの日常生活のほか、平安時代の信仰・社会・文化などが描かれています。
全54帖にも及ぶ物語は3部で構成されています。2部または4部構成の諸説も有りますが、ここでは一般的な3部構成で源氏物語のあらすじをご紹介したいと思います。
第1部 桐壺~藤裏葉
桐壺帝と更衣との間に光源氏が生まれる。
葵上と結婚するも、紫上や夕顔・六条御息所・末摘花・朧月夜など多くの女性たちと恋に落ちる。
運命の紆余曲折を経ながら、次第に出世・権勢を持つようになり、成功していく。
第2部 若菜(上)~まぼろし
源氏40歳。
栄華を極めた光源氏が、兄帝の娘・女三宮と結婚してからの晩年を描く。その女三宮は柏木との間に息子・薫を授かる。葛藤や源氏の出家など栄華を極めたはずの光源氏に虚しさの陰りが忍び寄る。
第3部 匂宮~夢の浮橋
源氏亡き後の次の世代。
薫を主人公とした、宇治を舞台に展開したならぬ恋と愛の物語。(宇治十帖)
当時、宮中の女性達はこの話を読んでどう思ったのか…
「この先、光源氏と○○(女房)はどうなるの?」や「こんな男は嫌だけど、ちょっと気になるよね~」というガールズトークをしていたのでしょうか?
日本は千年の昔から本質的には変わらないな、と思ってしまいました。
【オペラ「月の影」-源氏物語-】は、物語の重要な和歌をアリアにして、現代語訳をレチタティーヴォ(旋律付きの語り)として構成しています。
春秋座ホームページ、公演チラシにはあらすじを掲載しています。
5月の公演までに予習してみてください!
私もがんばって源氏物語を勉強したいと思います(小声)
上田
『go-on』始動、、、!!
カテゴリー : 過去の公演
制作助手のツカモトです。
節分ですね。
造形大からほど近い厄払いで有名な吉田神社では
節分祭りが行われ、多くの屋台が立ち並びます。
旧い神札を、浄火を点じて焼上げる火炉祭は見ものです!
さて、ついにこの企画をこちらで紹介する日がやってきました!
伊藤キムダンスプロジェクト
go-on ~からだの森をゆく~
当大学の准教授である伊藤キム先生企画のもと、
京都、東京で活躍するプロのダンサーのみなさんと、
当大学の学生が出演者やスタッフとして参加します!
伊藤キム先生は96年『生きたまま死んでいるヒトは死んだまま
生きているのか?』でフランス・バニョレ国際振付賞も受賞し、
根源的なテ-マとして「日常の中の非日常性」を、
風刺と独特のユーモアを交えて表現している振付家でありダンサーです。
回遊式の第一部と舞台上で行われる第二部の二部構成!
本当に見所はたくさんあるのですが、
書き出したらきりがないので、
詳しくはすでに動き始めている
特設HPから、facebook、twitterをご覧ください!!
さて今回は先日行われた美術検証の様子を
お伝えさせていただきます!
真ん中にいるのが伊藤キム先生。
美術のモデルを熱心にチェック、、、。
参加する学生ダンサーと一緒に
使用する美術のダミーを平台やらベニヤ板を使用して、
大きさや感覚のイメージをつかみます。
われらが学生広報もカメラを携え
シャッターチャンスを狙っています。
facebook, twitterは特にこうした学生が率先し
情報をアップしてくれています!!
頼もしいかぎり。
今後もたくさんご紹介していきたいと
思いますので、皆様お楽しみに!!
ツカモト
さすがの「志の輔らくご」
1月24日、パルコ劇場に行き『志の輔らくご』を聴いて来ました。20回の公演は全て完売という盛況でしたが、何とか席を取っていただけました。着席すると前方のお客様が私の方を振り返って見ているではありませんか。私が注目されるわけがないので左右を何気なく見ると左隣にMr.マリックさんが座っていました。面識がないので声をかけませんでしたが他にも有名人の方がいろいろ来ていたようです。
緞帳が上がると、一面、定式幕のパステル版といったパネルが目に飛び込んできました。
これだけでも普通の寄席とは違うという先制パンチです。「このセットの問題点は衣装の色をどうしたらいいのか難しい」「500人のお客様が20回で1万人、武道館でやれば1回で済むのに、小出しにやっています」など前振りで笑わせたあと、突然、1席目に入っていくタイミングの良さに唸らせられました。
遅刻を1回もしたことのない教師が、遅刻の理由をタイムマシ-ンから降りてきた宮本武蔵のためと生徒に語る話。こう書くと面白くも可笑しくもない話が、志の輔さんが語ると爆笑の渦となるんですね。生徒があきれて、一人また一人教室を出て行くくだりなど哀愁さえ感じさせるから不思議です。1席目が終わると巌流島をモチーフにしたアニメーションが写されるのも「志の輔らくご」ならではの趣向でした。
2席目は「雛人形」で有名な町をフランス大使夫人とお嬢さんが訪ねるお話。
これも素朴な庶民と大使館員とのちぐはぐな会話が笑わせます。この話が終わると今度はカーテンが開き、雛段に劇団員が生きた雛人形に扮して立っているという趣向。本当に凝っていますね。
そして、圧巻だったのは、古典落語の「紺屋高尾」。紺屋職人が花魁に恋をしてしまうという荒唐無稽の話を、現代の人間模様として、説得力を持った一人芝居に仕上げているのです。「今や吉原を知っている人も行ったことのある人もほとんどいません」という中で、若い人たちも十分ついていける話にした感覚こそ、志の輔さんの凄いところだと思います。
5月の春秋座公演が本当に楽しみです。春秋座の雰囲気を完全に手の内に入れた志の輔さんが何をやってくれるのか期待していてください。
さて、私は東京で不思議な経験をしました。パルコ劇場を見た翌日、浅草で歌舞伎を見て、市川亀治郎さんに挨拶した後、銀座で演出家の水谷幹夫さんと待ち合わせをしました。
昔の日劇の玄関であったところで彼を待っていると、銀座方面から何とMr.マリックさんがマネージャー風の男性とやって来るではありませんか。もちろんそのまま通り過ぎましたが、2日続けての最接近、その偶然さにびっくりしました。
これもMr.マリックさんの超魔術なのでしょうか。
橘市郎
(舞台芸術研究センター プロデューサー)