新緑の季節に向けて
カテゴリー : プロデューサー目線
春秋座では、新緑の季節に向けて、今月下旬から来月中旬にかけて5月公演の発売が始まります。
5月は魅力満載のラインナップで、まず10~11日は「伝統芸能の今2014」、24日は「加藤登紀子春秋座コンサート」、31日は「立川志の輔独演会」と目白押し。
「伝統芸能の今2014」は、今月3日に開催する「市川猿之助 特別舞踊会」に続く当春秋座芸術監督プログラムの第二弾。出演の市川猿之助をはじめ、上妻宏光、茂山逸平、亀井広忠、田中傳次郎らが一堂に会し、歌舞伎俳優×三味線プレイヤー×能楽師狂言方×能楽師・歌舞伎囃子方というコラボレーションがどんな化学反応を起こすか。チラシのキャッチコピーではないけれど“今この時しか出会えない、ジャンルを越えた融合”と興味津々の内容です。
続いて春秋座初登場の加藤登紀子さん。祇園甲部歌舞練場で行われている暮れの風物詩“ほろ酔いコンサート”は昨年で32回を数えます。小屋の雰囲気と振る舞い酒が相まって一種お祭的ムードの“ほろ酔い”とは対照的に、春秋座ではあるテーマを掘り下げたドラマチックなコンサートをお届けします。彼女の音楽の原点であるシャンソンに焦点を当てて、長年暖めてきたエディット・ピアフと親友マレーネ・デートリヒを繋ぐストーリーを、この度、登紀子さんが春秋座のために構成してくれました。そもそもこのテーマとの巡り合わせは、運命的というか宿命のようなものを感じさせられます。なんと登紀子さんはデートリヒと同じ誕生日で、戦後の混乱を生き抜いた登紀子さんの母はピアフと同年の生まれなのです。
そして、月末は恒例「立川志の輔独演会」の開催です。毎年満員盛況の志の輔さんは今年で6年目を迎えます。昨年は9月に開催し、「高瀬舟」という味わい深い人情話で落語通を唸らせました。今回も期待を裏切らない選りすぐりの演目をもって、思う存分江戸落語を堪能させてくれること間違いなしです。
風薫る皐月に繰り広げられる春秋座の公演をどうぞお楽しみに。
舘野 佳嗣
(舞台芸術研究センター プロデューサー)