- 2019年4月24日
- 日常風景
歴史遺産学科への招待-坪井剛先生が語る日本中世仏教史-
こんにちは。歴史遺産学科の副手です。
歴史遺産学科の教員紹介インタビュー第4弾と題して、
今回は「日本中世仏教史」ご専門の坪井剛先生です!
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Q1:先生のご専門分野を教えてください。
鎌倉時代の仏教について、特に「新仏教」を中心に研究しています。
「古文書」や昔の人たちの「日記」のような「文献史料」を読み込むことから、
「新仏教」がどのように発展してきたのかを考えています。
Q2:中世の仏教史は現代とどのようなつながりがあるのでしょうか?
とても難しい質問ですね。まず単純に、多くの史料から自分だけの小さな発見を繰り返すことで、
これまで分からなかった歴史的事実が明らかになっていく点は、時代を問わず、とてもおもしろい作業です。
その上で、「中世」という時代は、現代に繋がる多くの「宗派」が出来てきた時代です。
現在も日本のいたるところにあるお寺や神社には、多くの独自の文化や文化財を伝えています。
中世の仏教について勉強することは、そういった寺社に係わる文化について理解を深めるとともに、
それらを今後どのように継承していけばよいか、という点を考えるための参考になると思います。
Q3:文献とは具体的にどのようなものですか?
簡単に言いますと、文字で書かれている歴史資料です。
高校で日本史を勉強している方は、教科書とは別に『史料集』があったのではないかと思います。
あの『史料集』には古文や漢文で昔の人たちの文章が載せられていたかと思いますが、
ああいったものが大まかには「文献史料」と呼ばれます。
Q4:文献以外の調査方法について教えてください。
例えば、昔の絵画や彫刻なども重要な情報源です。
私たちはタイムマシンを持っていませんので、昔の人たちの顔や衣服、仕草、慣習などを直接見ることはできません。
また、それらをどれだけ流暢な文章で説明してあっても、言葉だけで正確に読み解くことはなかなか困難です。
けれども、絵に描いてあるものを見れば、視覚情報としてすぐに理解できます。
これ以外にも、地名や地域での言い伝え、年中行事やお祭りなども昔から残されてきた重要な情報です。
Q5:大学で学ぶにはどのような授業がありますか?
大学では「古文書」をはじめとする文献史料を読み解いたり、また寺院に残されてきた文化財を調査したりする
授業を担当しています。「古文書」はくずし字で書かれているので、読解するのはひと苦労なのですが、
読む技術を修得すると、昔の人の「生の言葉」を直接読むことができます。
また、京都のお寺には未調査の文化財も残されており、授業での調査から、これまでは分かっていなかった
歴史的な事実が発見されることもあります。
古文書調査の様子
Q6:学生や受験生へのメッセージをお願いします。
大学での四年間は、この上ない人生の成長期です。
いまは出来ないことも、四年後には出来るようになっているかもしれません。
はたして自分にはどんな可能性があるのか、自分はどこに行って何をすれば成長できるのか、
それを見極めるために、色々な人の話を聞いてみてください。
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坪井先生、ありがとうございました。
インタビュー中にあったお話をもっと詳しく聞きたい、気になることがある!という方にお知らせです!
〇春のオープンキャンパス開催のお知らせ〇
4/27(土)、4/28(日)に今年度はじめてのオープンキャンパスが開催されます!
学科ブースでワークショップ体験、キャンパス見学ツアー、大学全体説明会と
イベント目白押しです!
歴史遺産学科のブースでは、「陶芸の名品をつなぎ合わせて復元しよう」、「世界最古の記録方法である拓本の体験」、「挽き抹茶自手前」などの3つのワークショップを実施します。
また、教員相談コーナーで先生からじっくりお話を聞いたり、
現役の学生に学生生活や学びについても聞ける機会となっております!
高校1、2年生も参加可能です。ぜひ学科ブースに遊びにきてくださいね!
4/27(土)、4/28(日)春のオープンキャンパスの詳細はこちらから!
参加が難しい方は、今後のオープンキャンパスの予定をこちらよりご確認ください!