映画学科

高原の日常4 ~長けりゃいいってものでもない~

こんにちは。映画学科研究室です。

 

映画学科の学生たちは、猛暑も極寒も関係なく校舎内の至るところでお昼を食べたりミーティングをしたり元気いっぱい!にぎやかな学生達の声が再び聞こえてくるようになるのが待ち遠しい今日この頃。

 

IMG_0725

 

 

いつも学生達が座っている場所からどんな景色がみえるのかなと、構内をうろうろしていたら・・・

 

 

IMG_0728

 

 

映画学科鈴木3人衆のひとり、編集領域・鈴木歓(すずき かん)先生に遭遇!

 

 

IMG_0601

 

歓先生は編集マン。そして、カメラに読書にお料理と、多彩な趣味の持ち主です。

学生達の真剣な様子や中庭でくつろいでいる表情など、カメラに収めて回っておられ、神出鬼没。気配なく近づいて、いい表情をとらえます。

 

学科の最年長でありながら、みんなが楽しくなることを編み出すパワーはNo.1!

授業や編集のお仕事の隙間時間で、学生とバトミントンをしたり、スケボーしたり、並んでかき氷を食べたり。今は、卒業生に声をかけてのZoom同窓会に、オンライン授業のより面白い進め方を考える教員ミーティングの主催と、日々大忙し。みんなのお兄さん的ポジションです。

 

IMG_0712

 

編集中は真剣かつ、いつもどこか楽しそうで、ついつい画面を覗きたくなります。

 

IMG_0710

 

 

そんな歓先生ですが、合評(*)では一変。

 

 

 

「映画って、長けりゃいい、短ければかっこいいってものでもないから」

 

 

 

と、短く厳しい言葉をなげかけます。

 

編集は切って・繋いでの繰り返し。

つなぎ方によっては、同じ素材でも全く見え方が異なるので、何度もラッシュ(*)を繰り返し、あーでもないこーでもないと監督やスタッフと議論を重ね、修正し、またラッシュを重ねて。

その作品にとって、よりベストな尺(長さ)は何なのかを見極め、仕上げていきます。

見極めるのは至難の業な気がしますが、宝探しのようで楽しそうだなとも思います。

 

 

映画の世界は”嘘”だから、何だってできちゃう。ほら、時空だって越えられる!

 

編集は、見る側の話のとらえ方自体が違ってしまうこともある重要な過程。

しかし先生は、撮影した素材の脚本を読まないで始めるそう。それで一体どうやって、ひとつの映画に編み集めていくのでしょう。

 

その方法は、ぜひ歓先生の授業で。

もしくは、いつか高原校舎内のどこかで先生をつかまえて、アイス片手に並んで話してみてください。

 

先生の授業では、受講生達と撮影素材のやり取りをしながら、個々に編集⇔みんなに発表を繰り返し、授業を進めています。

今は手元で同じ素材をそれぞれ編集している学生達。発表となったとき、どんな作品になっているのか楽しみです。

 

 

IMG_0736

 

それでは、また次の領域をお楽しみに。

 

 

*ラッシュ:撮影状態確認のための、音声の入っていない未編集プリント。またはその試写。取材が終わった収録テープで、まだ編集が終わっていないテープをいう。

スタッフ間で試写、検討するときに「ラッシュを見る」などという。ラッシュには段階によって「ニュー」「セミ」「オール」などの種類がある。

 

 

*合評(がっぴょう):みんなで集まって作品の講評をする会。大切なことは、作者への敬意を忘れないこと。そのうえで、厳しい評価も飛び交います。

映画学科では、4年生の卒業制作の合評になると、朝から晩までまる2日かかります。見る側の体力勝負でもあり。

<493494495496497>